オーストラリア辞典
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Raymond Terrace

レイモンド・テラス


ニューサウスウェールズ中東部、シドニーの北177キロ、ニューカッスルの北23キロに位置する。
人口:12,332(1996)、7,548(1981)、1,369(1947)、364(1841)。


 この名前は、1797年に逃亡囚を追ってこの地に入った追跡隊の1人、レイモンドにちなんで名づけられた。彼はハンター川とウィリアムズ川の合流点に着いたとき、そこの木々が「テラス」のように見えると述べている。この地域は、白人による入植までは、カタングKattangあるいはWorimiのアボリジナルの居住地であった。1812年と18年にマクウォリー総督はここを訪れ、1823年に町の場所が測量された。1824年に地域の大部分はオーストラリア農業会社に無償交付された。1831年に農業が始まり、ブドウの木が初めて植えられた。1837年に町は公示され、裁判所、渡し場、小麦粉の製粉所が設置された。1840年代は羊毛積み出しの重要な拠点となったが、1857年の大洪水で発展は阻害された。

 1930年頃から工業化が始まり、町は大きく発展することになった。近隣のTomagoでは、1860年頃からポンプによる水の汲み上げが発達し、1941年からはニューカッスルの水の重要な供給源となっている。トマゴは以前炭鉱の村だったが、現在はアルミニウムの精錬所がある。またウィリアムタウンWilliamtownのオーストラリア空軍基地、および民間空港(1941年建設)も近辺にある。

 現在ポート・スティーヴンズ郡の行政の中心であるが、ニューカッスルへ通勤する人々の住宅地区にもなっている。町には、ゴシック様式の聖ブリジッド・カトリック教会、裁判所(1841)などの歴史的な建築物が多く残っている。

 清水寿夫・藤川隆男0403