オーストラリア辞典
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Rockingham

ロッキンガム


西オーストラリア南西海岸部、パースの南47キロに位置する衛星都市。
人口:9,917(1996)、30,635(1986)、24,932(1981)、12,029(1971)、2,108(1961)、161(1911)。


 1830年に、この付近で難破した、トマス・ピールの入植船団の一隻にちなんで名づけられた。1839年、現在のタウンのすぐ東に定住地が移動し、地図にロッキンガムの名が記載された。当時は、西オーストラリア植民地の首都となる地域と考えられていた。ヨーロッパ人による入植以前はニュンガーのアボリジナルの人々が居住していた。1829年、キャプテン・フリーマントルがコウバーン・サウンドCockburn Soundへ入る航路を発見し、1945年までロッキンガム港に入る全ての船がこれを利用した。1830年代から1840年代にかけて木材運搬港の必要性が議論され、1838年にはセイフティ・ベイSafety Bayがその候補地となった。しかし、計画は失敗した。1846年測量長官ジョン・ロウによって測量がなされ、翌年にはその区画が売りに出された。1848年からトラムによる木材運搬が開始された。

 本格的な発展は1870年代から始まり、製材所、鉄道、港などが建設された。1872年には桟橋が作られ、82年には第2の桟橋も建設された。1872年にはジャラデイルJarrahdaleからの鉄道が完成し、木材が運ばれた。貿易量は増えたが、1880年代には衰退した。20世紀に入るまでは、パース周辺の港として最も栄えたが、フリーマントルの発展とともに港は衰退し、1908年に閉鎖された。1960年代以降に、工業コンビナートのあるクウィナーナKwinanaで働く労働者の居住地域として急速に発達した。現在では軽工業の中心ともなっている。また、釣りやボートの楽しめるリゾート地としても知られている。

 山崎雅子1001