オーストラリア辞典
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Roebourne

ロウバン、ロウバーン


西オーストラリア中西部、ピルバラ地方北部海岸地域の町、パースの北1,560キロに位置する。
人口:958(1996)、1,688(1981)、136(1947)、280(1911)。


 1866年、西オーストラリア北西部で最初にタウンが宣言された時、初代測量長官ジョン・ロウJohn Roe(1797-1878)にちなんで名づけられた。1861年測量官F.T.グレゴリーが内陸部を南方へと探検し、豊かな牧草地を発見した。グレゴリーの報告を聞いた入植者たちが、1863年からこの地域に入った。1865年に政府の治安判事が到着すると、より永続的な植民が始まった。それまではアボリジナルのNgarlumaの人々が居住していた。1860年代後半にはアボリジナルの間で深刻な天然痘の流行が起こった。また、この時期に真珠採取業が重要になった。1866年にタウンが宣言された時、町は政府関係者の拠点となった。1873年には最初の学校が開校した。1880年代のピルバラのゴールドラッシュによって、病院、郵便局、裁判所、刑務所、警察の兵舎、コサックへの路面鉄道が建設された。この時期に建てられた建築物の多くが現在も残っている。しかし、1912年にポート・ヘドランド=マーブル・バー間に鉄道が開通すると、町は衰退した。1870年代以来、アボリジナル労働を搾取するためのシステムが存在しており、ロウバンの監獄はいつも多くのアボリジナを拘束していた。これが原因となり、1983年から85年にかけて、町の警察とアボリジナルとの極度に関係は緊張した状態が続いた。

 見国裕也・藤川隆男0403