名前はイギリス首相ローズベリ卿にちなんでいる。この地域には先住民が居住していなかったと思われる。1893年にはトム・マクドナルドによって金が、1894年には亜鉛・鉛の鉱床が発見された。それまでは深い密林がヨーロッパ人の侵入を妨げており、未開の森林が残っていた。トム・マクドナルドはローズベリー金採掘会社を設立し、ブラック山Mount Blackで金の採掘を始めた。町の名はこの会社に由来し、会社名はローズベリ首相にちなんでいるのである。1897年にはプリムローズPrimrose鉱山（ローズベリ伯の姓に由来）が開かれ、銅も発見された。1900年にエミュ湾鉄道がバーニーからジーアンまで延長され、この鉄道で鉱石は運搬された。しかしジーアンの精錬所は成功せず、1913年には閉鎖された。鉱山も事実上廃止されることとなった。1927年、新しい浮遊選鉱という技術の導入により採掘が再開された。鉱山はマウント・ライル会社が買収し、鉱石をリスドンまで運び、電力で精錬した。鉛と銅はバーニーまで運ばれて輸出された。1986年までウイリアムズフォードWilliamsfordにある鉱山からも、7キロの距離を空中バケツ・ロープウエイで鉱石が運ばれていた。最初のタスマニア北部海岸への道路であるウォラター・ハイウエイが1963年に完成した。1981年にキュー川Que Riverの新鉱脈から亜鉛、銀、鉛、金などの鉱石の採掘が開始された。現在も町の経済は鉱山に依存している。

　安井倫子1201