オーストラリア辞典
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Rottnest Island

ロットネスト・アイランド、ロットネスト島


西オーストラリア中西海岸部、パースの西18キロ沖合に位置する島。
人口:412(1996)、189(1966)、150(1911)。


 名前の由来は、オランダ語のRottenest(「ねずみの巣」という意味)で、1696年にオランダのキャプテン・ウィレム・ド・ヴラミンWillem de Vlaminghの船がこの地を訪れたことがきっかけでこの名がついた。船の航海日誌には「森のネズミ」への言及と、「胸に袋をつけた猫」への言及がある。これはオーストラリアのみに生息するクウォカquokkaだと考えて間違いない。

 その後、1801年にニコラ・ボーダンが、1803年にはルイ・ドゥ・フレイシネイが訪れ、1822年には、フィリップ・パーカー・キングが滞在した。1827年には、スターリングがヨーロッパ人の入植地建設の適否を判断するためにこの島を訪れ、1831年にキングストンと名づけられた。町が設計されたが、発展しなかった。

 白人の入植は失敗し、1838年にアボリジナルを収容するための監獄が設置され、1839年からは流刑植民地施設として使用される建物の建設が始まった。このうちのひとつは、1848年から1855年の間、フィッツジェラルド総督の夏の別荘として使われた。1903年にアボリジナルの収容施設としての役割は終わった。1931年に最後の囚人が本土に送られ、刑務所としての役割も終わった。第2次世界大戦中は捕虜収容所と軍事キャンプとして使われた。現在は旅行者のリゾート地となっている。本土からフェリーで2時間程度で着く距離であり、日本からの観光客も多い。島にはアボリジナルや囚人によって造られた多くの建築物が残っている。

 山崎雅子1001