オーストラリア辞典
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Rutherglen

ラザグレン


ヴィクトリア中北東部、メルボルンの北東275キロ、オールバリーの西25キロに位置する。
人口:1,904(1996)、1,454(1981)、1,177(1971)、2,437(1911)、616(1871)。


 地名は、立法評議会議員ジョン・ウォレスJohn Wallaceのスコットランドの生誕地にちなんで名づけられた。かつては先住民ウィラージューリーの人々の居住地であった。その数は1,200人ほどと推計されているが、1860年までに60人ほどまでに減少した。1830年代に牧畜が始まった。1850年代のゴールドラッシュ期に繁栄し、1860から61年には金が発見されて、一時期人口は2万5,000人に達した。金が発見されたところに、ジョン・ウォレスはスター・ホテルを設置し、金鉱はラザグレンと命名された。1860年の末までには、郵便局が開局し、学校が設置され、新聞も創刊された。翌年には裁判所が開設され、教会も建ち、62年には町は自治体となった。しかし、60年代の半ばまでには金が枯渇し、人口は激減した。残った鉱夫たちは土地を購入し、農業に従事した。1871年に郡となり、70年代には複数の教会が建設された。1879年に鉄道が開通すると、メルボルンの市場に向けた農業生産が盛んになった。

 主要な産業はワイン生産で、1851年に最初のブドウが植えられ、Seppeltsなどのワイナリーが建設された。1883年にはマリー地区ブドウ生産者協会が設立されている。1945年にはワイン栽培の専門学校が発展し研究所が設けられた。1966年にスプリンクラーによる潅漑が導入され、翌年には第1回のワイン祭りが開催された。現在オーストラリアを代表するワイン産地の1つになっている。町のランドマークは、巨大なワイン・ボトルの形をした貯水塔である。町にはヴィクトリア時代の教室を再現した博物館など歴史的建築物も多く残っている。

 藤川隆男0403