シドニー入り江の東端、ベンネロング・ポイントにある人目を引く白い陶製タイルで覆われた建物で、外観は、シドニー湾に浮かぶヨットの風をはらんだ帆が連なっている様子を連想させる。シドニー・ハーバー・ブリッジと同様、その圧倒的な特徴で、シドニーのシンボルとなっている。

　オペラ・ハウス建設のアイデアは、1947年にイギリスの作曲家・指揮者ユージーン・グーセンズにより提案された。1957年にニューサウスウェールズ政府によって行われたデザインコンペで、デンマーク人の建築家ヤーン・ユートゾンJoern Utzonが優勝し、彼のデザインが採用されたが、そのデザインが物議をかもし、彼は1966年に責任者の職を辞した。建設は1959年に始まり、1973年に完成し、エリザベス2世の臨席のもと開場が祝われた。建設費用のほとんどは、州の宝くじで賄われた。

　館内には、コンサートホール1つと、複数の劇場、レストランなどの施設がある。1995年には、「8番目の奇跡」The Eighth Wonderと題する建物の歴史を脚色したオペラが初演された。

　水野祥子01