オーストラリア辞典
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the Australian Imperial Forces (AIF)

オーストラリア帝国軍 (エイアイエフ)


 第1次世界大戦中に結成された、志願兵だけからなるオーストラリア軍が、オーストラリア帝国軍(AIF)と呼ばれた。さらにこの名称は、オーストラリア軍の大部分をAIFが占めた第2次世界大戦の時にも再び用いられた。1914年11月1日に、最初のAIF約20,000人がエジプトに向けて出発した後、最終的に登録者数は総人口約400万人中の約40万人、実際に入隊した者も30万人を越えた。ガリポリ上陸作戦には多くのオーストラリア兵が参加し、1916年からはヨーロッパの西部戦線にもオーストラリア兵は送られた。AIFは、ジョン・モナシュが指揮官となるまでは、イギリス人将軍の指揮の下、連合軍の一部を構成した。その一部は、太平洋のドイツ領を占領した。戦争中の犠牲者は約6万人に達し、兵役登録者に占める犠牲者の割合は、英連邦中最高に達した。また負傷者も16万人を超えた。

 第2次世界大戦が始まると、AIFは1940年にパレスティナに送られた。その後トブルク攻防戦などで活躍し、「砂漠のネズミ」と呼ばれた。しかし、日本が参戦すると、カーティン政権の方針に従い、オーストラリア本土防衛のために太平洋戦線にAIFは投入された。オーストラリア本土近くに戦線が拡大するとともに、AIFは市民軍CMF(the Citizens Military Force)の20万人以上の兵力を受け入れた。ニューギニア戦線がAIFの主要な戦場であり、チャンギ捕虜収容所の問題や捕虜の虐待問題は、戦後の対日関係に暗い影を落とした。戦争中のAIFとCMFの総動員数は約70万人であった。

 藤川隆男0503