大阪大学西洋史学研究室

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藤川 隆男(大阪大学大学院人文学研究科 教授)

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専門

オーストラリア史、移民・人種主義の歴史

研究テーマ

移民史、連邦運動、白人の歴史、女性史、エスニシティ

メッセージ

 最近もっとも多くの時間を費やしているのは、学生の教育かな。 どうも毎日がただ忙しく過ぎるだけのような気もする。 インターネットで利用できるオーストラリア辞典とオーストラリア年表の作成も更新作業が滞っている。がんばらないと、と思うが。 辞典は、このサイトから利用することができる。オーストラリアの人名・地名・事項などを総合的に検索できるサイトを将来は目指している。
 今年は私が主催する世界における白人化をテーマとする国立民族学博物館の研究会の成果『白人とは何か?』が刀水書房から9月に出版される。 買ってほしい。去年秋には民博でシンポジウムを開催し、去年の6月には民博通信の特集号が組まれているので、それも見てほしい。 また、去年の4月には、有斐閣から『オーストラリアの歴史』という概説書も出版した。私の編著で、オーストラリア辞典と年表のCD-ROMを添付した。 概説書は辞典の編纂と同じく、オーストラリアの歴史に関する基本的な情報を正確に提供したいという思いがその動機である。 歴史辞典と年表のCD-ROMを添付した日本で初の歴史学のテキストである。今年の3月には、私と川北先生の編集で『空間のイギリス史』が刊行されている。 これも読んでほしい。
 オーストラリアの歴史について、白豪主義や中国人移民、アボリジナル、女性などのマイノリティ・グループの研究を行ってきたが、 さらにアイルランド人などのヨーロッパ系移民の研究を行うことによって、一連の研究を統合することを考えている。他方、もう一つの研究の柱として、 パブリック・ミーティング(民衆集会)を中心に、民主主義、世論形成、普遍的原理の歴史にも強い関心を抱いている。 この二つの研究の軸は、感覚的にはつながっているのだが、理論的には全く分離した状態である。 これをうまく結びつけてくれるようなイマジネーション豊かな学生に西洋史学を専攻してほしい。

追加情報

主な研究業績

    2004年と2005年の業績
    1. 藤川隆男編『白人とは何か』刀水書房、2005
    2. 川北稔・藤川隆男(編著)『空間のイギリス史』山川出版社、2005
    3. (編)「特集 社会人入学大学院生」『パブリック・ヒストリー』第2号、2005, pp.73-104
    4. (監修)「フォーラム 白人性と帝国」『パブリック・ヒストリー』第2号、2005, pp.105-126
    5. (責任編集)「特集 白人と白人性」『民博通信』No105, pp.1-17、2005
    6. (編著)「オーストラリアの歴史」有斐閣、2004.
    7. 「歴史家ケン・イングリスとオーストラリアの第1次世界大戦の記憶」(特集イギリス帝国と戦争の記憶の編集責任)『パブリック・ヒストリー』第1号、2004、pp.51-56.
    それ以前の業績
    1. Christian Missions in Australia since c.1800', State and Empire in British History, Proceedings of The Fourth Anglo-Japanese Conference of Historians 2003, 2003.
    2. 'How can you sell Australian history in Japan? In a country where Australian means 'debt' ', Crossings: the Bulletin of the International Australian Studies Association Vol.8-2, University of Queensland, 2003
    3. (http://asc.uq.edu.au/crossings/8_2/index.php)
    4. 「オーストラリアにおけるイングリッシュ・アイデンティティ」』(代表者藤川隆男 科学研究費補助金 基盤研究C 2 研究成果報告書)、2002、pp.1-37.
    5. 「アボリジナルと白人の法」『国立民族学博物館研究報告別冊』21号、2000、pp.175-195.
    6. 「ジェントルウーマン・ダウンアンダー」山本正編『ジェントルマンであること』刀水書房、2000、 pp.146-169.
    7. 「オーストラリア史」山本真鳥編『オセアニア史』山川書店、2000、pp.78-167.
    8. 「19世紀オーストラリアへの女性移民」『西洋における移動と移民の史的構造』(代表者合阪学 科学研究費補助金 基盤研究B 2 研究成果報告書)、2000、pp.19-22.
    9. 「オーストラリアにおけるアイルランド系移民」『岩波講座世界の歴史19巻 移動と移民』岩波書店、1999、pp.87-108.
    10. 「移住する先住民」青柳清孝・松山利夫編『先住民と都市』青木書店、1999、pp.24-40.
    11. 「最もイングリッシュなもの、それは最も美しい」指昭博編『イギリスであること』刀水書房、1999、pp.143-165.
    12. 「オーストラリア三都物語」 『NIRA 政策研究』Vol.12 No.10, 1999, pp.62-65.
    13. 「大洋を渡る女たち・・・19世紀オーストラリアへの移民」『近代ヨーロッパの探求1 移民』ミネルヴァ書房、1998、pp.125-184.
    14. "Transformation of gender and race relations in the age of nationalism, imperialism and the Federation of Australia", 『大英帝国とカナダ つくばカナダ・セミナー報告集』 第8号、 1997年、 pp.59-74.
    15. 「オーストラリア女性史の発展と展望」『西洋史学』第187号、1997、pp.56-69.
    16. 「人口論・移民・帝国」村岡健次編『新帝国の開花』研究社、1996、 pp.109-28.
    17. 「アボリジナルの女性史研究・・・動向と展望」『女性史研究』第5号、1995、pp.69-75.
    18. 「19世紀後半におけるアボリジナルとミッショナリー」『帝塚山大学教学部紀要』 第41輯、1995、 pp.77-103.
    19. 「アボリジナルの近代スポーツ史」『帝塚山大学教学部紀要』 第40輯、1994、 pp.69-96.
    20. 「19世紀オーストラリアへの女性移民」 『帝塚山大学教養学部紀要』 第39輯、1994、 pp.1-17.
    21. 'Women's History of Australia', 『帝塚山大学教養学部紀要』 第38輯、1994、 pp.34-63.
    22. 「白豪主義の予言と現実 19世紀オーストラリアの人種関係」 『世界史の構想 地域からの世界史』 第21巻、 1993、 pp.223-243.
    23. 「19世紀前半におけるアボリジナルとミッショナリー」『帝塚山大学教学部紀要』 第33輯、1993、 pp.51-81.
    24. 「処女地の神話と火」『帝塚山大学教養学部紀要』 第32輯、1992、 pp.25-49.
    25. 「北アメリカとオーストラリアにおける先住民の人口規模」『帝塚山大学教養学部紀要』 第31輯、1992、 pp.53-83.
    26. 「オーストラリアとアメリカにおける中国人移民制限」 『シリーズ世界史への問い 9 世界の構造化』 岩波書店、 1991、 pp.295-317.
    27. 『オーストラリア歴史の旅』朝日選書407、1990、pp.1-265.
    28. 「白豪主義の「神話」」『規範としての文化』平凡社、1990、pp.367-398.
    29. 「建国の神話」『帝塚山大学論集』第67号、1990、pp.29-53.
    30. 「オーストラリアのパブリック・ミーティング」『西洋史学』第156号、1990、pp.1-17.
    31. 'Public Meetings in New South Wales: 1871-1901', Journal of the Royal Australian Historical Society Vol.76, Part 1, 1990, pp.45-61.
    32. 「パブリック・ミーティング研究へのアプローチ」『帝塚山大学紀要』 第25輯、1988、pp.35-53.
    33. Public Meetings and the Making of Public Opinion in Late Nineteenth Century New South Wales, MA thesis ANU, 1986.
    34. 「19世紀オーストラリアにおけるアジア系移民制限」『西洋史学』137号、1985、pp.20-37.
    35. 「カリフォルニアとヴィクトリアの人種主義」『待兼山論叢』第19号、1985、pp.47-67.
    その他の業績
    1. オーストラリア辞典(編集、また537項目を分担執筆)2000-2004現在(データベース)
    2. (http://www.let.osaka-u.ac.jp/seiyousi/dict/index.html#dict)、2004年4月CDとして有斐閣より出版予定の藤川隆男編『オーストラリア史』に2003年のデータベースは添付配布される。
    3. オーストラリア年表(編集・執筆)2000-2004現在(データベース)
    4. (http://www.let.osaka-u.ac.jp/seiyousi/dict/index.html#dict)、2004年4月CDとして有斐閣より出版予定の藤川隆男編『オーストラリア史』に2003年のデータベースは添付配布される。
    5. ' 'Takao Fujikawa' Japan', Crossings: the Bulletin of the International Australian Studies Association Vol.8-1, 2003(http://asc.uq.edu.au/crossings/8_1/index.php)(紹介)
    6. 「オーストラリア」『岩波イスラーム辞典』岩波書店、2002(辞典)
    7. 「『ジェントルマンであること』長谷川氏の書評に対して」『西洋史学』208号、2002(書評)
    8. イルザ・シャープ(坂本憲一ほか訳)『オーストラリア人』カルチャーショック12、河出書房新社、2000(コラムや写真など多数)

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オフィスアワー 月曜13:30~14:30(春~夏学期)
        
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ただし、誰であるか分からない問い合わせ、7月後半から9月初めにかけては、海外で研究することが多いので、返事を出せません。