研究室だより(2001.4〜) 
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■研究室図書インスペクション(2002.3.4-6)

 3月4〜6日の三日間,恒例のインスペクションが行われた。
 インスペクションとは阪大東洋史研究室の蔵書整理であり,備え付けの登録済み図書カードと研究室の図書とを実際に対照させ,紛失した図書と書名カードが遺漏無く存在するか等を調査する一大行事である(過去の研究室便りも参照されたい)。
 インスペクションは精確かつ速やかに作業をする必要があり,張り詰めた緊張感の中で行われる。とりわけ和漢書のインスペクションは蔵書量の多さゆえに,最大数の人員が投入され,例年,院生の怒号が飛び交う殺気立ったものとなる。昨年の作業は書名カードと著者名カードとを対照させるだけであったため,今年の正規のインスペクションには初参加の者がほとんどであり,慣れない作業に戸惑う者が続出した。当然効率も悪く,作業は遅れ,指揮をとる院生は焦燥感を募らせて業を煮やし,さらに声を張り上げていく。研究室は阿鼻叫喚の地獄絵図へと変貌した。学部生は戦慄を越え恐怖さえおぼえたのであった。
 一方,本年度も洋書インスペクション部門にキリル班が編成され,主にロシア語図書の整理にあたった。従来,等閑視され整理も甘かった分野であったので,難事業となった。キリル班の健闘は特筆に価しよう。
 また,長らく放置されつづけていた多くの地図類に対しては,特別部隊が編成され,整理と図書館への登録が行われた。今回のインスペクションで初めて認識された地図もあり,意外な発見に興奮する院生も少なくなかった。この地図類の中には現在では入手不可能な貴重なものも多く,今後の研究に大きく資するであろう。
 旧濱島研究室所蔵本の第二研究室への移動や研究室前のロッカー撤去等の作業,更には諸先生方旧蔵の抜き刷り整理作業もあったが,概ね順調に終わったようである。

 最終日はインスペクション終了後に,これまた恒例の追い出しコンパが大学敷地内の待兼山会館で開催された。各卒業生は別れの挨拶として,研究室での思い出や学んだことなどを思いのままに語った。卒業生各位の今後の活躍を祈らんばかりである。なお,進学して大学に残る者は,阪大東洋史研究室に必要とされる身。大いなる夢を抱いて「追い出される」日まで精進されたし!

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■岡田雅志(M2)留学(2002.2.4)

 本研究室の岡田雅志(東南アジア史専攻・ベトナム史・M2)が,一年間の予定でハノイ国家大学ベトナム研究・文化交流センターに留学する。出発に先立つ壮行会には多くの院生が集まり,それに応えて力強く留学への決意を語ってくれた(と信じている)。慣れない土地での史料調査には困難も多くつきまとうだろうが,一年後には,大きな成果をあげて元気に帰国してくれることを期待している。

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■片山剛教授、在外研究より帰国(2002.01.20)

 去る1月20日,昨年在外研究に出発された片山剛教授が10ヶ月ぶりに帰国された.
 中国・イギリス・アメリカと世界一周を果たし,各国で数多くの学会に参加された. 日本で事務に忙殺された日々を忘れて,研究活動に没頭された模様.
 帰国後は早速1月23日の東アジア大学院演習,1月24日の合同演習に出席され, 発表者への鋭い質問で健在ぶりをアピールされた. 英語の飛び交う海外の学会に身を置いてきた教授本人によると, 日本語での質疑応答の快適さを実感されたとのこと. 同時に学部生・院生には英語をはじめとする外国語でのプレゼンテーション能力の 必要性を説かれている.
 かくして,濱島教授退官後,阪大東洋史の中国史の教官2名がようやくそろいぶみ, 来年度から片山・青木体制が本格的に始動する. この新体制に学生一同,大きな期待に胸をふくらませている.

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■悪夢。ソフトボール大会で最下位に。(2001.11.1)

 恒例行事の文学部院生協議会主催の秋季ソフトボール大会が,今年も猪名川河川敷グラウンドで開催された。今回は二回生・三回生の新人が5人も加わったのはうれしい限りである(一説には,人数不足に悩むキャプテンO坪が強引な勧誘を行っていたそうである)。春の大会は雨天中止となったが,昨年は春・秋ともに準優勝に終わっているだけに,今年こそはと誰もが信じて疑わなかった。が,結果は無残なものであった。
    (初戦:英文・英語学に10−9。最下位決定戦:中文に17−16)
 この屈辱的大敗については,いずれキャッチャーS木より詳しく報告されるはずである。

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■第二回卒業論文中間報告(2001.10.27)

 10月27日の土曜日に,卒業論文執筆予定者7人による中間発表が行われた。一回目同様,教官・院生より熱いアドバイスを受けた彼らが無事に卒論を提出することを心より願っている。

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■第二回修士論文構想発表(2001.10.4〜10.25)

 前回と同じく四人の執筆予定者が以下の日程で修士論文の中間発表を行った。残すは来年1月の提出のみである。

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■第一回修士論文構想発表(2001.6.28)

 合同演習で,第一回目の修士論文構想発表が行われ,執筆予定者は,修士論文の仮構成を提示するとともに,その研究の一部分を発表した。今回は第一回目ということもあり,先行研究の整理に重点を置いた発表が多くみられ,それに関する活発な議論が交わされた。また,研究史上にどう位置づけていくかについて,盛んにアドバイスがなされた。執筆予定者は,この発表で明らかになった問題点を整理し,今後の作業に生かして欲しい。

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■三回生論文紹介(2001.6.14)

 合同演習にて,毎年恒例の三回生による論文紹介が行なわれた。これは,三回生が個々の興味にしたがって論文を選定し,それを紹介するものである。また,本演習の出席者全員が事前に論文を読み,その紹介に関して意見を出す。今年は,三回生が十三名と多く,一人あたりの持ち時間は例年より短い三十分となってしまったが,初めて多数の聴衆の前で発表する三回生にとっては,長くつらい時間であったかもしれない。三回生諸君は,これをきっかけに,来年の卒業論文執筆に向けて,さらに知見を広めて欲しい。

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■第一回卒業論文中間報告(2001.5.12)

 5月12日の土曜日を利用し,学部生執筆者による一回目の卒業論文中間報告が行われた。今回発表したのは七名。時代・分野とも多岐にわたり,質疑応答においては,院生との白熱した議論も見られた。発表者にとっては,先生・諸先輩の質問やアドバイスが,時にきつく感じられたかもしれないが,それは愛あるが故のムチである。本当は我々も心の中でともに泣いているのだ。それを心得て,今後も頑張ってもらいたい。

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■ソフトボール大会中止(2001.5.2)

 萌える五月,猪名川グランドで恒例のソフトボール大会が行われる季節である。昨年度のレギュラーが三名引退したものの,新たに獲得した(?)ルーキーを加えた我が東洋史学研究室は,計画するだけでなかなか実行されない猛練習の末,飛ぶ鳥を落とさんがごときの勢いであった。
 しかし,気合いを入れて迎えた当日は,なんと雨!水を差されてしまった。ルーキー諸君,ソフトボールデビューが遅れてしまいさぞかし無念であろうが,これにめげずに精進してほしい。秋には、勝利の美酒に酔いしれようぞ。

 追記:他称2代目“自称エース”N村は豪雨の中,お約束どおり10分遅れて集合場所に到着するのが目撃された。

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■新入生歓迎会(2001.4.26)

 去る26日、今年度の新歓コンパが催された。残念ながら青木助教授は所用にて参加されながったが、学部生8人と学部卒研究生1人、修士課程進学者1人を囲んでにぎやかな会となった。

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■2001年度研究室ガイダンス(2001.4.5)

 待兼山の桜も咲き競う4月5日、東洋史研究室のガイダンスが行われた。
 濱島教授が退官されたのは前報の通りであるが、今年度は新たに青木敦助教授(現在は岡山大学助教授と兼任)が本学に転任される。そして、2回生の9名、学部卒業後の研究生1名、修士課程(博士前期課程)の2名を新たにメンバーとして迎えた。そのほか、修士課程(博士後期課程)には3名、博士課程(博士後期課程)にも5名が進学している。
 総勢60名を越える学生・院生に対して研究室全般について説明があり、講義・演習の履修上の注意がうながされた。先立つ3月後半、文学部全般の研究室移動が行われ、東洋史学研究室の状況にも変化が訪れたために、説明は例年になく入念に行われている。ちなみに第二研究室が移転・拡張され、新たに東洋史学演習室が一部屋補充されている。
 早くも9日午前より演習が開始されるが、万全の備えをもって臨んで欲しい。また、新入生は阪大東洋史の研究室体制に慣れ、研究環境を十二分に利用していただきたい。

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■濱島敦俊教授最終講義・お別れパーティー(2001.3.9)

 濱島教授退官記念の最終講義並びにお別れパーティーが、3月9日、盛大にとり行われた。当日は銀白色の小雪が舞い、退官に花を添えるかのようであった。
 最終講義では「16・7世紀の江南士大夫−‘民望’から‘郷紳’へ−」と題して、本年3月『大阪大学大学院文学研究科紀要』第41巻に寄稿された論文をもとに、江南の士大夫像の変遷を中心にして、十数年来の研究成果を披露された。
 会場には、公私にわたって交流のあった方々・受業生が大勢集い、お別れパーティーでは先生の授業・海外調査などの思い出話に花を咲かせた。
 このたび濱島教授が退官されてしまうのは、大変残念なことではあるが、これまでの熱意あふれるご指導に感謝を表するとともに、今後のより一層のご活躍をお祈りしたい。

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大阪大学大学院・文学研究科・東洋史学研究室