『続ソフトボール実録長編』
巻三、二〇〇三年春之條


〜文学部ソフトボール大会〜

と き:2003年5月1日

ところ:猪名川河川敷グランド


 ○第1試合(対日本語学戦) 

東洋史

日本語学

 初戦の相手は日本語学チームであったが,なんと40分も遅刻!東洋史の不戦勝であろうと判断して守備練習をしていたナインは,不意打ちされたのか?いつもどおり立ち上がりが遅れてしまった。3回裏に5点を取られた後,ようやく東洋史も下位打線からヒットが続き,2点のリードを奪った。しかし,最終回に2失点,同点で試合終了。決着は微妙であり,判定に委ねられたが,東洋史がごねにごねたために遅刻した日本語学チームが失格とみなされ,東洋史の判定勝ちとなった。東洋史ナイン積年の課題である立ち上がり(と態度)の悪さが目立つ試合であった。

 

 ○第2試合(対中文・国文戦) 

中文・国文

東洋史

4×

 準決勝は国文と中文の連合チームと対戦。3回までは息をのむ投手戦であったが,東洋史は4回の表に4失点。3点のリードを奪われた後も東洋史打線は沈黙,反撃が出来ずにいた。対戦時間も規定時間を超え,6回の裏は最終回。相手のピッチャーは5回から登板した剛速球投手(どうやらソフトボール経験者)であり,「今年もここまで?」と悲壮感が漂っていた。
 それを吹き飛ばしたのはなんと7番川村のヒットであった。8番牧野がツーベースで続き,1番浦川,2番大坪,3番山尾とヒットでつなぎ,なんと同点で1塁・3塁となった。ここで打席に立ったのはいちょう祭(学祭)の打ち上げで疲労感漂う4番三木であった。しかし三木は初球を見事にセンターにはじき返し,逆転サヨナラという劇的な幕切れとなったのである。珍しく最後まで試合をあきらめずに食らいつく東洋史ナインの集中力を見せつけた一戦であった。


 ○第3試合:決勝戦(対哲学戦)

哲学

東洋史

×

11

 決勝戦の対戦相手は哲学。思い起こせば2年前の決勝戦で東洋史が敗れた相手であった。
 東洋史は初回に4点を奪われ,不安のよぎる立ち上がりであった。しかし,その裏,打線が爆発。1回裏,2回裏と打者1巡の猛攻で大きくリードした。哲学チームはポンポンを手に腰を振りながら応援していたが,東洋史は怒涛のヤジで応戦。哲学チームの攻撃をかわしたのである。
 試合終盤,投手T口は既に投球数300球を超えていたが,腕も折れよと力投し,追撃を振り切って試合を決めた。

 優勝,本当におめでとう!連覇に向かって練習だ!!!

胴上げのシーン


 ○試合後

 大会後,東洋史学研究室にて優勝の祝宴が催された。森安総監督も久方ぶりの優勝を祝福してくださった。祝宴では今大会の反省を行いつつ,森安総監督をはじめ銃後のメンバーに試合の詳細を報告した。各自の報告には連覇を狙うナインの熱い思いが込められていた。
 なお,恒例の「山路MVP」は2回戦でのサヨナラヒットが評価され,3回生ルーキーの三木が受賞した。主将による「大坪賞」は胴上げ投手となったT口氏が受賞している。

祝宴のひとこま


 <打撃志> 

打 率

浦川

 5割4分5厘  

大坪

 4割5分5厘  

山尾

 6割0分0厘  

三木

 6割3分6厘  

山本

 3割3分3厘  

T口

 5割0分0厘  

川村

 3割3分3厘  

牧野

 5割0分0厘  

砂田

 5割0分0厘  

田辺

 10割0分0厘  

糸山

 5割0分0厘  

田村

 5割0分0厘  

梶原

 0割0分0厘  

鈴木

 5割0分0厘  

 ○按ずるに…

 本大会の規定打席をクリアして最高打率をマークしたのは,なんとルーキーで4番の三木。7安打6打点の彼は,前述のように「山路MVP」を獲得している。今後の活躍を期待したい。打率2位は3番M1の山尾。彼は長打率が7割でもある。そして打率3位は4回生の浦川。1番バッターにも関わらず6打点というのは,下位打線のランナーを生還させる重要な役割を果たしたからこそである。
 女性陣の牧野と砂田はそれぞれ打率5割打点1と奮闘!ルーキーの田辺は3打席3安打で10割をマークしている。

 若い力が育ちつつある恵まれたチーム状況であるが,油断できない点もある。先にも述べたが「立ち上がりが悪い」のである。攻守ともにエンジンがかかるのが遅すぎる。特に1回戦では練習を30分以上行っていたにも関わらず,守備においては単純な連携ミスが目立った。バッティングにおいては集中力の欠如が,序盤になかなか得点出来なかったことにつながっているだろう。リードを続けていた決勝戦においても,送球の判断ミスであやうく試合の流れを変えかねない場面が見られた。勝負である以上,最初から気を抜かず,勝ちにこだわってゆかねばならない!

 以上の課題は普段の練習で,より自覚的に各自のポジションの役割を捉えることで解決できるかもしれない。近年,練習試合に興じてしまう傾向があるが,実践を踏まえた練習を工夫して行う必要があるようだ。主将以下,現状に満足せず,貪欲に今ひとつのレベルアップを肝に銘じていただきたい。「真に強い東洋史」をつくりだせる素材がそろっているのだから。


 <選手伝>

浦川(4)

肥後の人。一塁手。通称「プリンス」。前大会までバッティングが不調。今回の打撃好調はなによりうれしいらしい。一番打者として爽やかにグランドを駆け抜けていた。

大坪(D1)

近江の人。中堅手。主将として4年越しの夢を果たした。準決勝最終回の同点タイムリーで我々に勝負への意地を見せつけてくれた。連覇に向けて選手を導いてくれ!

山尾(M1)

モンゴル系,和泉の人。遊撃手。本試合で不動の3番の地位を確立か?来期は投手という噂もささやかれている。刮目して待つべし。

三木(3)

遠江の人。三塁手。いちょう祭(学祭)の打ち上げでほとんど眠れずに出場。しかし,打撃成績は前述の通り。頼もしい新人がいたものである。

山本(M3)

チベット系,近江の人。一塁手。準決勝3回裏にて貴重な1点をもぎ取った。ちなみに彼に甘い球を投げてはならない。なぜならラサまでかっ飛ばす(中文K藤氏のヤジ)からである。

T口(?)

摂津の人。投手。340球をたったひとりで投げきり,念願の胴上げ投手となった。既に来期に向けて練習試合の相手を物色中であるという…。

川村(M1)

近江の人。準決勝では逆転の糸口となるヒットを放った。剛速球投手の球を完全に捉えたのであるが,やはり本人も驚いた?らしい。

牧野(4)

山城の人。二塁手。東洋史が誇る下位打線(結構コンスタントに出塁している)を支える名選手。

砂田(4)

播磨の人。二塁手。東洋史のチャンスメーカー。最後まで闘志いっぱいで勝負をあきらめない姿がまぶたに焼き付いている。

田辺(3)

武蔵の人。初参加ながら打率10割を誇る。最近も森安教授の練習に積極的に参加しており,将来有望な新人である。

糸山(D5)

肥前の人。決勝戦では5番を務め,2打点!この勝負強さを後進に伝えていただきたい。

田村(M3)

ハザール人。今回は1回戦のみに出場。いいところで打ってくれるんだよね。

梶原(D1)

苗族。今回は1回戦のみに出場したが2タコ。その責任をとって本人は涙の引退宣言をしたが,同僚をはじめ誰一人認めてはいない。現在はタニマチ球団であるロッテの動向が気になっている。

鈴木(D1)

突厥系,三河の人。捕手。そろそろソフトボール大会の筋肉痛が数日間影響を残すようになってきた。新しい捕手が現れないかなぁ〜。現在はタニマチ球団である横浜のていたらくが気になっている。

 <応援伝>

坂尻(OB)

阿波の人。海より広い母心でナインを励ましてくれました。

濱田(M1)

和泉の人。文院協役員として大会運営。次回は彼のプレーがみたいなぁ。

打越(M1)

常陸の人。キャメラ担当。今回はベンチの上に登ることはなかったが,スポーツ飲料の補給など,陰で選手を支えてくれた。

山路(4)

紀伊の人。スコアラー担当。2回戦,既に引っ込んだ相手選手が再度守備につくのを防いだ。捕手ならずとも,人は刺せる好例。今回もこの長編のもととなる起居注と実録を編纂してくれた。

石附(4)

山城の人。初観戦。元気にベンチを盛り上げてくれた。

都築(3)

大和の人。試合の合間には石附とキャッチボールにいそしんでおり,ともに来期の新人王を目指す。




 <附図>

MVPのバッティング(左利きなんです!)


こちらはプリンス


息をのむエースの力投


感動の受賞式