研究室だより (2011.10.〜2012.3.)
目次

追い出しコンパ(2012.3.22)
花束の贈呈を受ける森安教授
花束の贈呈を受ける森安教授

 2012年3月22日、毎年恒例の追い出しコンパがおこなわれ、卒業生・修了生・博士号取得者らを盛大に送り出した。とりわけ、本年度で退官される森安教授に、盛大な拍手と多くの惜別の辞がおくられた。28年の長きに亘って研究室を支えてこられた森安教授が研究室を離れるとあって非常に感慨深いものがあり、惜別の辞を述べる学生が涙ぐむ一面もみられた。(Y.K.)

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片山教授台湾調査(2012.2.27-3.5)

 2月27日から3月3日にかけて、本研究室の片山剛教授が台湾において学術史料調査を行った。これは昨年採択された科学研究費補助金(基盤研究A)「中国における土地領有の慣習的構造と土地制度近代化の試み」によるもので、追手門学院大学 田口宏二朗准教授(本研究室OB)、三重大学 大坪慶之准教授(本研究室OB)、山本一(本研究室博士後期課程、科研費特任研究員)、下岸廉(本研究室学部2回生)等が参加した。

 調査の主な対象は、台湾国史館に所蔵されている、民国時期南京市における土地所有権等の登記に関する史料群である。昨年までに片山教授がこの史料群を発見しており、今回の調査はその全体像の把握と一部の収集を行った。次年度以降もこの史料群の調査を継続する予定である。(Y.H.)

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旗手(博士後期課程)、フランス調査(2012.2.2-3.3)
フランス国立図書館東洋写本部の閲覧室
フランス国立図書館東洋写本部の閲覧室

 旗手瞳(博士後期課程)は文学研究科のOVCプログラム(「多言語多文化研究に向けた複合型派遣プログラム」)を利用し、2月2日から3月3日までパリの国立図書館で敦煌文献の実見調査を行った。(H.H.)

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博士学位申請論文公開試問(2012.2.13-14)

 今年度は4名が課程博士学位請求論文を提出した。公開試問の期日と論文の題目はそれぞれ以下の通り。(Y.K.)

  • 2012年2月13日(月) 齊藤茂雄(博士後期課程)「7・8世紀の陰山における突厥と隋唐帝国――遊牧民と定住民の接触をめぐって――」
  • 同日 山本一(博士後期課程)「清代地方政治・官僚制度における柔構造」
  • 2012年2月14日(火) 岡田雅志(博士後期課程)「18-19世紀ベトナム・タイバック地域ターイ (Thai) 族社会の史的研究」
  • 同日 山本明志(本学特任研究員)「モンゴル時代チベット交通史研究―駅伝の利用実態と設置過程の検討を中心に―」


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    冨田(博士後期課程)、留学(2012.1)

     本研究室博士後期課程所属の冨田暁が、昨年末から一年間、インドネシアに留学することになった。冨田は、インドネシア西カリマンタン州ポンティアナック (タンジュンプラ大学)を拠点に、西カリマンタンやジャカルタ(国立文書館)など、各地で現地調査・史料収集を行う予定である。(T.A.)

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    桃木教授ベトナム調査(2011.12.23-2012.1.7)

     2011年12月23日から2012年1月7日にかけて、桃木至朗教授がベトナムにおいて学術調査をおこなった。本研究室からは、吉川和希、多賀良寛(共に博士前期課程)、岡田陽平(学部生)が随行した。

     今回の調査は、広島大学の八尾隆生教授が代表を務める日本学術振興会科学研究費「現地史料収集・既存史料再検討に基づくヴェトナム莫氏政権の研究」によるもので、フンイエン省・ヴィンフク省・バクザン省内の莫氏末裔の家を直接訪問し、口述伝承の記録、および写真撮影による族譜・碑文史料の収集をおこなった。調査に際しては、ハノイの研究機関や訪問先の各省の関係者各位のご協力を頂いたおかげで、当初の予定を順調にこなすことができた。

     また、2012年1月5・6日にハノイで開催されたタンロン(昇龍、ハノイの旧称)に関するワークショップに、桃木教授が参加した。(Y.K.)

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    森安教授、『ソグドからウイグルへ』(汲古書院)を出版 (2011.12.)
    『ソグドからウイグルへ』書影

     森安教授編著の『ソグドからウイグルへ ――シルクロード東部の民族と文化の交流――』(汲古書院、2011年12月15日)が出版された。

     本書は2005-2008年度科研プロジェクト「シルクロード東部地域における貿易と文化交流の諸相」の成果のうち、ソグド、ウイグル、およびソグド系トルコ民族に関する諸論考を集めたものであり、森安教授・荒川教授のほか、笠井幸代氏(平成12年度博士前期課程修了、現・ベルリン=ブランデンブルク科学アカデミー トゥルファン研究所研究員)・石附玲氏・田中峰人氏(ともに平成18年度博士前期課程修了)の論文も収載している。また、2005年度から2008年度にかけておこなわれた中国調査の行動記録は、東部天山から甘粛、内モンゴル、オルドス、山西に至るまでの景観・気候といった自然環境、および史跡や博物館・研究機関に収蔵される文物の状況などを記載し、当該地域の地理的特性を理解するにあたって、有用な情報を供している。(I.Y.)

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    秋季ソフトボール大会(2011.11.7)
    優勝を祝して胴上げ
    優勝を祝して胴上げ

     さる十一月七日、猪名川グラウンドにて文学部対抗の秋季ソフトボール大会が開催された。大会当日は前日からの雨でグランドコンディションが心配されたものの、整地の末何とか挙行にこぎつけ、参加した計6チームが熱戦を繰り広げた。

     例年になく戦力が充実していた今回の大会では、初戦の西洋史・英米連合を13対5の大差で下し好調な滑り出しをみせると、二戦目の日本学にも16対7で大勝し、無事決勝へと駒を進めた。決勝の相手は二連覇中の日本史であったが、東洋史はリーグ戦の勢いそのままに打線が爆発し、16対5で勝利をおさめ、見事優勝の栄冠に輝いた。東洋史の優勝は2008年の秋大会以来実に三年ぶりで、メンバーの喜びもひとしおであった。

     今大会では特に打線が三試合で計45得点をたたき出すなどの活躍をみせ、いずれの試合も安心して見ていられる展開となった。チームの高齢化は気になるところだが、学部生など若年層を積極的に取り込んで連覇を目指したい。(T.Y.)

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    伊藤一馬(博士後期課程)、史学会大会にて研究報告(2011.11.6)

     11月6日(日)、東京大学本郷キャンパスで開催された第109回史学会大会東洋史部会にて、博士後期課程の伊藤一馬が、「南宋成立直後の陝西地域と中央政府」と題する研究報告を行った。本報告は、黒水城(カラホト)出土「宋西北辺境軍政文書」を利用し、北宋滅亡時に一度分断された状態にあった陝西地域と中央政府が、南宋成立直後にすみやかに双方の結びつきを復活させたことを指摘するものであった。(I.K.)

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    上田新也(日本学術振興会特別研究員(PD))、東洋史研究会にて研究発表(2011.11.3)

     11月3日に京都大学において開催された東洋史研究会大会において、本研究室の上田新也(日本学術振興会特別研究員(PD))が「ベトナム・フエ近郊村落における家譜編纂―18〜19世紀タインフオック村の事例―」と題する研究報告をおこなった。

     本発表では、発表者が収集したフエ近郊集落の村落文書に基づき、それらを検証して集落の形成史と父系親族集団の生成を論じ、ベトナムにおける小農社会の成立のあり方についてひとつの事例を提示した。(U.S.)

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    藤澤(博士後期課程)と元廣(博士前期課程)、留学(2011.10)

     本年度後期から、本研究室所属の藤澤聖哉(D2)と元廣ちひろ(M1)が、それぞれ上海(中国)に一年、ハノイ(ベトナム)に10ヶ月、留学することになった。

     藤澤は、近代上海の地方自治を研究しており、華東師範大学の茅海建・歴史学系教授のもとで、中国語の習得と史料の収集にあたりつつ、現地調査もおこなう予定である。

     元廣は、ハノイ国家大学人文社会科学大学ベトナム語科でベトナム語の習得を目指す。また帰国後の修士論文執筆にむけて、ハノイの文書保存館やフエ周辺での現地調査を通じて史料収集をおこなう予定である。(Y.K.)

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    大阪大学大学院・文学研究科・東洋史学研究室