『續ソフトボール實録長編』

二〇一三年秋之條

平成廿五年十一月五日 於歌島公園

目次

第一試合 東洋史−考古学(予選リーグ1回戦)

 東洋史は初回に伊藤、遠藤の連続安打でチャンスを広げると、ルーキー岩上がセンター前に適時打を放って先制する。さらにそこから、打者一巡の猛攻で一挙6点を奪った。2回にはベテラン上田、ルーキー八木の連続適時打で2点を奪いリード広げる。4、5回にも2点を加えて、一時は6点差までリードを広げた。しかし5回裏、東洋史の守備の乱れから、考古学の重量打線が火を噴き一挙12点を奪われてゲームセット。勝てる展開であっただけに、非常に悔しい結果となった。

1 2 3 4 5 6
東 洋 史 6 2 0 2 2 0 12
考 古 学 3 0 2 2 12 × 19

第二試合 文語連合−東洋史(予選リーグ2回戦)

 東洋史は2回に眞嶋の右前安打で口火を切ると、打者一巡の猛攻で6点を奪う。3回には4番のルーキー岩上がショート前に気迫の適時内安打を放つと、6番上田と7番吉川の連続適時打で合計3点を挙げて試合をきめた。投げては影のエース荒木がコントロールされたボールをテンポ良く投げ込み、文語連合の打線を4点に抑えて価値ある初完投・初勝利を飾った。なお、この試合前に行われた文語連合と考古学の試合に東洋史の原井と下岸が文語連合の助っ人として参加し、原井はキャッチャー、下岸はライトで先発出場した。第2打席で原井がレフトに強烈な二塁打を放つと、下岸がしぶとく二塁前へ内安打を打ってチャンスを広げるなどの活躍を見せた。

1 2 3 4 5
文語連合 0 0 2 2 0 4
東 洋 史 1 6 3 1 × 11

第三試合 哲学−東洋史(3・4位決定戦)

 初回、立ち上がり制球の定まらないエースT口が攻められ、エラー2つと安打6本で6点を先取された。しかしその裏、東洋史は眞嶋の2点本塁打と多賀の3点本塁打に長短打8本を絡めて一挙11点を奪い逆転した。2回には期待のルーキー尾野が広げたチャンスを、ルーキー岩上が返して1点を追加した。3回は尾野の左前安打を皮切りに6安打とエラー4つでダメ押しの7点を奪い、試合をきめた。先発のT口は調子が良くないながらも要所を押さえる投球で、2回以降を2失点に抑えた。

1 2 3 4
哲   学 6 0 1 1 8
東 洋 史 11 1 7 × 19

総評・結果
バッティングに向け、気合い高める遠藤[石川撮影]
バッティングに向け、気合い高める遠藤

 今回の大会に先立って東洋史は、芦田・田野といった前年度優勝の立役者が多く抜け、戦力の低下が不安視されていた。3位という成績は優勝という目標からみれば悔しいものであったが、東洋史の現状を考えるならば堂々たる成績であったと言えるだろう。

 まず課題点から見ると、今回は初戦に大会優勝チームの考古学と当たってしまうという不運があったものの、情報のない相手に油断を見せてしまったのは、慢心が過ぎたと言えるだろう。また、全般的に守備の乱れが多く目についた。特にフライアウトの取りこぼしや、なんでもないゴロへの対応にあたふたする場面が多く目についた。此等の点は、今後改善すべき課題であろう。

 次に良かった点を見ていくと、まずは伊藤・上田・齊藤を中心にしたベテラン勢の活躍が目立った。伊藤は最終成績で東洋史最高打率を記録し、リードオフマンとしての役目をきっちりと果たした。上田は、初戦で今大会優勝の考古学から4打数3安打2打点1本塁打の大活躍をみせた。上田と入れ替わりで参戦した齊藤は、代打で登場していきなり中前安打を放つと、規定打席未満ながらも最終成績で東洋史最高出塁率の10割をたたき出した。

 さらに今大会では、岩上・八木・尾野という初参戦のルーキー達がすばらしい活躍を見せた。岩上はチャンスで勝負強さを発揮し、東洋史2位の6打点を挙げてその存在感をまざまざと見せつけた。八木は陽気な性格でチーム全体を盛り上げつつ、高い身体能力を生かして5安打3打点の華々しいデビューを飾った。尾野は最終戦から参加し、見事な修正力で哲学の変則ピッチャーに適応して4打数2安打2打点をあげると、守備でもそつの無い動きをみせ東洋史に不可欠な存在であることを証明した。

 次に特筆すべきは、吉川と荒木、眞嶋などのマスターズの活躍であろう。吉川は1、2戦のスタメンに名を連ねて最終成績7打数4安打1打点という安定した打撃成績を残した。守備では、第二戦のセカンドでのプレーが非常に安定しており、二塁でのフォースプレーなどもクレバーにこなしていた。これまでエースT口の影に隠れてあまり出場機会のなかった荒木は、第1、2戦で先発出場し、緩急をつけながらストライクゾーンにボールを集めて打たせて取るピッチングを披露した。そのテンポのよいピッチングは、味方の攻撃リズムを良くして大量得点へとつながった。眞嶋は全試合にスタメンで出場し、最終成績で11打数7安打9打点1本塁打という大車輪の活躍をみせ、東洋史最多安打、最高打率、最多打点、最多本塁打のタイトルに輝いた。前年度までの大会では、なかなか出場機会に恵まれない不遇の時代であったが、日々の練習の積み重ねを一度のチャンスで申し分なく見せつけ、東洋史の最優秀選手に贈られる『田口賞』を見事に獲得した。

 最後に、今回の大会には写真担当として石川起居注官として岡田(陽)が参加してくれた。さらに院生からは猪原元廣、学部生からは鈴木(芽)松本、研究生からはが応援に駆けつけてくれ、ベンチ全体で盛り上がることができた。猪原や下岸原井など普段から練習に参加してくれているメンバーをあまり出場させることができなかったのは、ひとえにキャプテンである遠藤のいたらない所であり、本当に申し訳なかったと思っている。ただ、東洋史が一体となってソフトボールを楽しめたこと、そして3位という結果を勝ち取ることができたことは、本当に嬉しかった。(文責:E. S)

集合写真

【詳細成績】

打数 安打 打点 本塁打 打率
眞嶋 11 7 9 1 .636
伊藤 11 7 1 .636
遠藤 11 5 4 .454
八木 12 5 3 .417
多賀 10 4 5 1 .400
岩上 12 4 6 .333
齊藤 4 4 1 1.000
吉川 7 4 1 .571
T口 4 2 1 .500
上田 6 3 4 1 .500
尾野 4 2 2 .500
荒木 6 2 2 .333
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