第2回全国高等学校歴史教員研修会

2004年8月9日から11日にかけて、第2回全国高等学校歴史教員研修会が開催された(会場:大阪大学豊中校舎 大阪大学附属図書館本館 図書館ホール)。昨年度は世界史教員のみを対象とした「全国高等学校世界史教員研修会」であったが、高校教育の現場では日本史・世界史双方を教える教員が多いという実情を踏まえて、今年度より歴史教員研修会と名を改めた。本年度のテーマはこれを強く意識し、「アジア史と日本史の対話」と題された。この企画は大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」の一環であり、担当は昨年度の「シルクロードと世界史」班(代表:森安孝夫教授)を改組した「世界システムと海域アジア交通」班(代表:桃木至朗教授)へと引き継がれたが、同時にCOE本体の直轄事業としても認定され、予算が配分された。昨年度の実績と反響が正しく反映されたと言えよう

「なるべく多くの地域の、多数の先生方にご参加いただきたい」との理由で、昨年度参加者から多数寄せられた連続参加の申し出を断腸の思いでお断りし、会場には今年度はじめて参加する人間70名あまりが集った。

本年度も昨年度と同じく、直接授業に活用する教材というよりも、最新の歴史学の成果を整序し分かりやすい形で伝えることに重点が置かれた。また、単に新しい内容を伝えるだけでは現場が混乱するだけという認識の下、古い枠組みの整理、もはや歴史学の最前線から見て誤った/無用の知識や枠組みの指摘を意図的に組み込んだ。当日の質疑はもちろん、びっしりと書き込まれた質問票からも参加した高校教員側の熱意は十二分に感じ取れた。昨年度に同じく、今年度も本企画は大成功であったと言える。


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