title
rakan

 今夏、奈良国立博物館において、特別展「聖地寧波−日本仏教1300年の源流〜すべてはここからやってきた〜」が開催されます。この機会にあわせ、平成17年度〜平成21年度文部科学省特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成―寧波を焦点とする学際的創生―」と奈良国立博物館との共催により、国際学術シンポジウム「舎利と羅漢−聖地寧波をめぐる美術−」を開催いたします。

 中国浙江省の港湾都市、寧波(ニンポー)は、早くから中国と日本や韓半島を結ぶ海上交通の拠点として発展してきました。しかし、人々が寧波に憧憬を抱いたのは、何よりも天台山、普陀山、阿育王寺といった仏教の聖地への玄関口であり、ことに呉越から南宋時代にかけては、都杭州を中心に盛えた中国仏教の発信地ともなっていたからです。また、南宋時代には、寧波郊外の東銭湖周辺を故地とする史氏一族の活躍により、寧波の重要性は一段と大きくなっていきました。

 このシンポジウムでは、そうした寧波の、呉越から南宋時代(10世紀から13世紀頃)にかけての仏教美術に焦点をあて、信仰との関わりから議論することを目的としています。当時の仏教信仰の中心となったのは、呉越の第五代の王、銭弘俶がインドのアショカ王にならって舎利塔を造顕したことに代表される舎利信仰です。加えて、仏舎利、釈迦の遺法を護持した羅漢への信仰が興起したことも注目されます。そこで、第1日目には舎利信仰やそれにまつわる問題を、第2日目には羅漢像、とりわけ大徳寺五百羅漢図をテーマにとりあげ、美術・考古・仏教史といった多角的な視点から議論を深めてまいります。

 展覧会のご鑑賞とあわせ、多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。

ホーム開催趣旨プログラム関連展覧会参加登録事務局お知らせ交通案内中国語

Copyright © 2009 シンポジウム事務局All rights reserved.