デカルト Rene Descartes 1596−1650
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生涯
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トゥレーヌのラ・エーに法官貴族の子として生まれ,ラ・フレーシュのイエズス会の学院で主としてスコラ的な教育を受けた.学業を終える前からすでに学校の学問に不満を覚え,書物の学問の大部分に見切りをつけて世間に出た.卒業後パリで過ごし,1628年オランダへ行き,軍隊に志願兵として入った.このときイサク・ベークマンと知り会い,彼から自然研究に数学を用いる仕方を教えられ,数学的自然学の研究を始めた.1619年ファルツ戦争に従軍した際,余暇に数学その他を研究し,この年の冬ウルム付近に宿営中,夢の中で学問上の着想を得て,諸学問の方法的統一を感知し,かつ自らひとりでその全体をきわめうるとの自信を得たといわれる.軍務を離れてからは数回の大旅行をしパリにかなり長く滞在した後,1629年に祖国を去ってオランダに移り,静かに哲学の研究に没頭した.彼の哲学上の主著は,この後20年間のオランダ滞在中に書かれた.1649年スウェーデン女王クリスティーナに招かれてストックホルムに移り,翌年病を得て同地に没した.
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著作
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『方法序説,付,屈折光学,気象及び幾何学』1637,『第一哲学についての省察』1641,『哲学原理』1644,『情念論』1649,『精神指導の規則』1701,『自然の光による真理の探究』,『宇宙論』(『光論』と『人間論』を含む)等.
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思想
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参考文献 |
『哲学事典』平凡社,『西洋哲学史』東京大学出版会, |
執筆者 |
重田謙 |