―『昇平楽』解釈データ凡例― ・本文中、押印部分は〔 〕でくくり「〔印〕」として示した。 ・本文中の「@」による置き換えについては、翻字データの注を参照。 ------------------------------------------------------------------------- しょうへいらくじょ ぎょかしょうしょうみなしょうへいをうたい せきのとささでちさとのすえまでおさまれるよはひとのくちなどにとはたてられぬはず (一オ) ここにふるきためしはこうしのおやじどんはしゅんじゅうにひとをきよしはじめたまいいまたいへいのときにあたっていよいよひとのくちまでとざさぬみよいかんぞうれうることあらんや (一ウ) いましこつばこのがたつくてあいもあらばふでずくのでいりにもおよばん (二オ) たいぎながらつくえのはしづめまででてもらおうとしろふねのなにがしがいうているというてくだあれ こうしんのとし あとのつきみそか (二ウ) しょうへいらくじょ ふたはしらのおおんかみあなにえやとしんちょくありしより あなということひさしきよのためしとぞなれりけり ひとのよとなりてなりひらのあそんはあなめあなめとよみ (三オ) あなやといえどとかきのこしたもうよりうたよむひとはあなかまとつらね そうぎはあなとうとともうされぬ あなほうきあなのみやみやもあなむらあのうのわらやもあながちもとめしなにあらざりき (三ウ) それよにしょするあなやおおいなり はりのあなはてんをのぞきありのあなはつつみをくずす ぞめきはあなのあくまでみとれ はまぐりがいはあなのあくまでおねんぶつもうすなり あにあなをいわざらんや そこでわれららがおやじぶんのしろふねせんせい あなほぜり あなをみいだすへきありて (四オ) あなたこなたのあなをしるしさっしになづくるに のでのしょうへいらくというなのけんそんじじょうなるによりて もしも (四ウ) あなづりかずらのあしにまとわばうでにおぼえのありあけざくらのさくころしりおしのきへえがしかいうなんどとけつかる 〔印〕〔印〕 (五オ) しかいないしずかなるとはおろかのこと なみをひょうにしてふるかわのかせへしおふねにつみのぼし いわおとなりてこけのむすいしきりはにしよこほりにてゆききのあしにきりびうちかけてきよむ いうもくだなるなにわのはんじょう ごもくばからかねのなるきがはゆればこそきづなにわのかねをふやしたかつしんちにじょうぶたいがたちてつづみたいこのねをそえぢにするこどももあり ゆうべのあんまどのはけさのよまいがたとへんじ (五ウ) きのうのにんじんうりはにりごもうのあゆみよりきょうはとせんかんめのかどやしきのあるじとなるもそうたいきたのならいなり まんじがつじにじぞうそんはましまさねどちさとがたけにやぶいはたくさんなり ありまよこちょうにゆやはなくてもたぬきよこちょうにはちじょうじきのうらかしやもおかし いなりうらもみそかぎりのかしやなればやくしうらもいんぎょうはふつかにとれり みずうらにほうしのすむはむべなれど (六オ) ごふくまちにもみうらのなきはさすがなり きつねしょうじにびゃっことうのかんばんはおんのまちがい うきよしょうじにいちぶごりんむしろのなきははんじょうゆえなり あまでといえるばけものもあればしろあんじたてのにせものいできたり りゅうちゃびわちゃがはやりやめばだしちゃがめったにはやりいだせしより うじにまぢかきよどやしょうじにきたのやかげのつちぐらのひあいに (六ウ) さみせんぐさはいぬのくそをつらぬいてはえ こまよせのがりたけはぞめきのいぬうつむちにおられたり むかいのむすめがしょうゆかいにゆくとくりはうどんやのだしいれとなりのぼてふりどんのうろこまどはげんちょのかしかさをあてたり こなたのこうしはきれいにしてはちうえまんりょうはとせんきんをこころでしゅくし ひとなみにかいがかりはすれどどようぼしとてはしたことなくぬれでであわたのおまたがやきしとうきびしょうにていせきじょうがたのふりだし (七オ) ぶんぼううるわしくかざりたてそうしょうつくねんとしてだんきんまたちょうしょうというみであくびのなみだをのごうていらるるところへ たのみましょう [そうしょう]どなた [あやくり]はいあやくりでござります [そうしょう]さあおとおりなされ [あやくり]このあいだはごぶさたいたしました よんどころないふうじんのかくとじょうきょういたしました [そうしょう]それはおうらやましきらんざんはようござりましやう [あやくり]さあよいおりにまいりましてじゅうぶんのところでござりましたがじゅうそうまいりとあめとでまひとゆきでござりました (七ウ) <というところへ たのみましょう> [あやくり]どふれ [うせん]うせんでござります [そうしょう]これはようおいでなされました さあおあがりなされませ [あやくり]うせんこうずっとおおんおとおりなされませ [うせん]まあおつめくだされませ <と> <たがいあいさついちじゅんすむ> さてあやくりし このあいだはしょりんをおせわでござりました [あやくり]なんぞめずらしいものをじさんいたしましたかな (八オ) [うせん]ごうじょうとじゅんかのよろしきをみました きょうかてんとへいざんれいえんともうしますしょうせつものをもってさんじました あのぎょくえんともうすじんもませでござりますなあ [あやくり]しゅせきもたっしゃにござります [そうしょう]そのへいざんれいえんというはしょうせつのしちさいしとしょうするものじゃ うえのたなはぎょくきょうりともうすものじゃ [うせん]さようでござりますがぎょくきょうりはほそじでよみにくうござります (八ウ) [あやくり]そうしょう あのれいえんとぎょくきょうりはがっさくじゃげにござりますなあ [そうしょう]ぎょくきょうりはおうげんびがさくともうします おそらくしょうせつちゅうのきぶんでござります [あやくり]わたしもまえかどよみましたが みかけてからしたにえおかずよもすがらよみました [そうしょう]じゅうしちかいめからまちがいだし のちがいっこうみょうじゃ おうげんびならずばさてあのくらいのみょうぶんはかけぬて [あやくり]えんしはごらんなされましたか (九オ) [そうしょう]ずいしいぶんといっしょにみました [うせん]あやくりし そうしょうがたをちゅうしんぐらのみたていっくづけがでました ごろうじたか [あやくり]あわざのらだいがところでみました [そうしょう]どういうことかきましたな <このそうしょうのこともわるういうてあるゆえうせんもじもじいいかねる> [あやくり]というてさきにがてんせにゃともうしますに たきどのあしのまめやとござりました [うせん]なんとそこもとほうかんなされぬかともうすにてんすい@とござりました (九ウ) [あやくり]さてこのごろてんじゃのすもうばんづけがでました [うせん]てんまのらいごとやらがだしたとせつでござります [あやくり]しえんははんもとへたのみにいた@のうわさ またちょうぼくきっすいなどもだしたなどといろいろうわさがござります [そうしょう]ははああはいかいもまさにつきなんじゃ [あやくり]このごろでたしゃれくしゅうというものにばんづけのことをわるうかきのめしました そしてはめくのことをわるういいました (十オ) [そうしょう]そのようなことかくもののくせにじぶんはめくするものじゃて [あやくり]ちょうぼくというひとはやかましいそうしょうじゃ [そうしょう]さあいっこうそうどうじゃがぎろんたかきものはわざにうとしじゃ [うせん]こうちくとえいりとがせけんでさんぷくついのやかましやじゃともうします [あやくり]さてそうしょうはなぜにりゅうこうをなされませんとまんぽとやらがもうしているげにござります (十ウ) [そうしょう]ははははは いませけんではこのそとじゃのりゅうこうのとみずしたてのすいもののようなくは あれはようずくろうたれんがやさしのわいたわかのかみのくめいたものじゃ はいかいはぞくだんへいわじゃ むかしはかうじょうのいちろにはいこんをあそばしめてのぞくだんへいわじゃ いまははらわたをせじょうにめいもうしてこがのこびをばことばにつくしたもので こじんもこれをえんしとわらわれた ていとくろうじんもきぎんしもみなそのときのりゅうこうにあそばれたゆえこちょうとふるされしが (十一オ) ていしつふえきにやすんじておられたゆえしょうふうのきげんじゃのくしゃじゃのといわれたれど ひっきょういちじのりゅうこうとふえきのばといっぽせんりのたがいともうすものでござる ていとくおうやきぎんしははいちゅうのせいじゃ ていしつなんぞかみにたたんことたやすからんや しかどもていしつはそのころりゅうこうにもれてみじこうわらわれてごごせんざいなごうほめらるるのじゃ (十一ウ) [うせん]しからばりゅうこうはよからぬことでござりますかな [そうしょう]いやいやりゅうこうはふえきのようじゃ いまのりゅうこうというはねがとうかがひっぽうにかりたてられとうかがりゅうこうにえわされたよしゅうがたりゅうまでうつった そのしょうこはみののぬめりとわろうたがそこらだらけがぬめりになってきた またていとくおうやりゅうほきぎんしなどをみながかろんずるようになったは とうかがおのれいちもんこをはらんとここんしょうにはなさきおうをこうしゅうのごとくかきのめしたゆえ (十二オ) みなこうじんがぜとしたていしつをわるういわなんだはよしののはなはていしつにみふるされとばしょうおうのくちずさみによりてえんりょした それゆえなんじゃ ていしつがよしののぎんはわけなしにみなががてんゆかぬなりにほめているのじゃ そのていとくおうをこうしゅうのようにさみしたとうかのここんしょうにおおまわしのことをいっこうらちもないことかきおった [あやくり]わけがないとはどうわけがござりません (十二ウ) [そうしょう]おおまわしというはぜんたいそうぎのちょくとうとしょうはくのちょくとうとにりゅうにわかれてわけのあること とうかはいっこうしらなんだ これはかさねてごでんじゅいたそう たかでだんりんもいちじのりゅうこう しいもとみずまそうほんじなどもみないちじのりゅうこうじゃ はんじ@でおもうてごろうじ しかもそのひとびとはみなじんけつにしてはいちゅうのりょうどもじゃ それさえふりゅうこうになってときにあわぬ (十三オ) ここにかぎりあるいのちをもってかぎりなきよにのこるくをはいていましばらくのりゅうこうにほめられながくふえきにわらわれたもうな [あやくり]いまみじこうわらわれてごごなごうほめられいとはどうやらおとしもせぬからだのもしのかけもどしするようなものでござります そのまたふえきのばにいてもくがへたならごせもわらわれいまもわらわれる そんなふえきでござります [そうしょう]ばしょうおうもくのできふできはそのときのしあわせとふしあわせによるともうされた (十三ウ) それふうがのみちじゃ がはせいなりとじがにもござる ただしからばじもんたりゅうのわかちもござらねばりゅうこうはふえきのようというところをごしゅぎょうなされい [うせん]しからばいまのりゅうこうもふりゅうこうになりますか [そうしょう]かいんのれいによるそんえきするところをしるときはひゃくせもしるべしことおおせられた [うせん]そうしょうはとかくせいごをおおせられますががくもんせねばはいかいはできませんかな (十四オ) [そうしょう]さようでもなけどそうしょうはそうしょうのはいかい またしのうこうしょうみなそれぞれのはいかいでござれば そうせまいものでない しかしながらはいかいはぞくだんへいわをたださんがためなりといいつたえたればなにをきくにただされます まなばずしてはいけんみちじゃ ぜんたいぶんぼくのふうがじゃもの このあいだもききますれば きょうそくとはともしびおりをきらい いんじはごがつのき にしふどうはいしふどうのおうつうで しゃくきょうあさんれんはてうちでござれば じゅういちがつのぶとおもわれますともうされたれば (十四ウ) れんじゅうもそうおうなあいさつで てんとてんじくはわかりましたがしゅくばくがちとわかりかねますといわれたましたとサ [あやくり]ときにそうしょうはりゅうこうはさっぱりおきらいかな [そうしょう]せんしんのれいがくにおけるややじんなり そのやじんにしたがわんとふうしはおおせられた ふえきのやじんがかえってくんしでござる しかしまたよしののはなはいくたびもくもとゆきとにみたて たつたのもみじをいつでもにしきにながめて (十五オ) てにはをもってこころをあたらしゅうせよとはだれもしったことながら それはじょうずのてづまというものじゃ <などというているところへ かってよりてづくねのざかずきだいにゆうじのいっぱいさんばいずのらっきょしはちのいためざしよめなのはりはりなどいけぬふしょう ぼんにみたしいれのしゅんぎょうのあわたやきとくり> [そうしょう]さあひとつおあがりなされ [ふたり]<まずとしばらくうたげありて こうのものばかりのまきずしにけいぶつにとりたむぐらのすいものわんにすましあさりがい> [うせん]やこれはごちそうおおせつけられます <とふたとり> おめずらしいおすいものでござります [あやくり]さののろしゅうしからもらいました (十五ウ) <いずれもすこしよいがまわる> [うせん]きょねんみなみでりょがんというひとにであいましたがはなしにもうされましたは ちょうぼくしのかたへつきなみにまいりましたがかいせきへそうしょうのてかけがでてきてりんきげんか うちのてかけがにげるやらそとのてかけがどんぶりをそうしょうにあてるやらけしからぬおおそうどうでござりましたが りょがんがあいさつしてすましたともうされました [そうしょう]ぜんたいふかくごじゃ ふたりまでやせむまににがすぎるからいっさいおこればにさいおこるじゃ (十六オ) [あやくり]はんかいになろうてつきのもんやぶりとはりゃくかがたきどのはもんのくじゃげにござります [そうしょう]せんじつもろじゃくにあいましたら やくしぼうとやらいうそうしょうがろじゃくがところへいてでしになれというてすすめましたれば ろじゃくがもうしますにはでしになってものをおしえいでもでしにしておしゆるゆえそこのせわにはならぬともうしたとさ [うせん]きょうへゆきましたらいんはおもしろいきしょうなひとでござります (十六ウ) [あやくり]しょうちしょうち しんのふうきょう [そうしょう]しかしあんまりほうとうでわけがない [うせん]せんじつおもくにしがちょうぼくしとみなみのつちそうへゆかれましたが ちょうぼくしがおそざきふしみのすけとなりつなわたりのきょくえらいつとめたものじゃとのうわさでござります [あやくり]けっきょがぼうめいのあとへぼんのつきいらぬしりのながれかなとはりがみをしたはあわのなるとがさくじゃったげにござります [うせん]けっきょはしきょせられましたかな [そうしょう]いやかけおちをぼうみょうといいます (十七オ) [うせん]いりゅうがたきつぼ@いかれましてにたりのもみじとはいっこうわるくちでござりました [そうしょう]さよさ またあのおやじもこつどうきょくもひさしいものじゃ [あやくり]とくわかしゅうのじょはあまりじゃくはいな [うせん]はるなれやかえくなかよきいんとうさりというくをききましたがかえくとはなんでござります <というときしれたことながらそうしょういいかねる> [あやくり]はいかいしほどようわるくちいうものはない [うせん]ちゃじんよりましであろ (十七ウ) [そうしょう]ちゃじんよりはいじんのほうがつみがない [ふるとく]ふるとくでござります [そうしょう]おそうきたなあ もうくれるであろかの [うせん]ふるとく あいたのもうか [ふるとく]わたしはぶちょうほうにござります [うせん]ふるとく らっきょはいけるか [ふるとく]はいはい こうぶつでござりますがようかけおちしそうな [あやくり]こちらのどんぶりばちはひょうたんびきのえびざこじゃがあたらしい [ふるとく]しかしこうもうしゃいかがでござりますが くしゃくしゃとあらこもにはだかでねるようなおさかなでござります (十八オ) [うせん]ええつべこべとふるとくもこうそつなものじゃ [あやくり]きゅうとう むまのすりものきさまむしづようくばりあるいたか [ふるとく]いえいえ わたしじゃござりません [そうしょう]そのしばいのむまのすりものとはどれからでました [あやくり]さるこどもしゅうれんじゅうからでました いとうしいっけんくいのめしのすりものでござりました [そうしょう]それはよからぬことの [あやくり]ついかのくもみえました [そうしょう]はははははは むかしはひげんのしょをいえいえにちょつじゅついたすとすぐにへんとうさいへんとうなどだしましたことはおびただしいことでござった (十八ウ) きょうほういぜんのしょじゃくもくろくごろうじかげべんけいでないようにしょをあらわしてきよしたことはござれど すりものでくうようなみれんなことはないずさ [あやくり]それもなんぞいこんでもあらばでござりますが そのなかについにであわぬひとがくをだしてくうています [うせん]そのすりものぼくはみませなんだ [あやくり]ろくにんをろくにんがかせんのおもてろっくでくいました (十九オ) [うせん]そのじぶんかんてんあんがどくぎんまんくのばっすいのえまをあげられましたなあ [あやくり]さあ しゃちゅうおおぜいつれていなりへおさめにいきしなのみちであいましたが かんてん@がおにがだけといふかおでいきましたがつよそうなかおじゃ [そうしょう]つよいはずじゃ ひめじかわのもんがらというとくようむきなしろじゃ またいっちゅうやじゅうにときにいちまんさんぜんごひゃくいきのこきゅうにめしとししばばひいてまんくもつよい [うせん]まんりきぼうもさたがござりませんな (十九ウ) [あやくり]ぜんたいひなびとでなにわのみずにあわぬのさ [うせん]むちゅう@はどうじゃ やしろいというくをきいたことがない ちとよりがもどりましたのかな [あやくり]あたまからかからぬよりがもどろうはずもなし <とじっぽうだんなのふるとくききかねていにかける> [ふるとく]もうおいとまもうしましょう [うせん]これふるとく がゆうしのところではなしかいのせきはどこじゃ きいてもらおう [ふるとく]かしこまりました [あやくり]ふるとく ひがいちのさらえこうにきさまきょうがのこひいたな いっこうのえらみずかきじゃというせつじゃ (廿オ) [ふるとく]ようおだてなされます <といぬ@> [うせん]じゅんひょうのほうとうにきれじのないくもあり またきれじのふたつもみっつもあるくがみえます [あやくり]きれじがみっつありてそれはしあわせじゃなあ もうしそうしょう もしもきれじでのうてあなじがみっつあったらきつうむつかしゅうてりょうじがなるまい [うせん]それについてだっこうしはふるいくをかまわずとるというよいしにせでござりますなあ [そうしょう]りょうはとりがおしえてはめくがはやるりゅうかはうやうやしからずともうしのおおせられたばでぬめたというものじゃ (廿ウ) そのきならばしゃちゅうのそとてんせぬがよい [あやくり]ははあしゃちゅうのそとはでいりをとどめじゃな ははは [うせん]ほうえまるははちじゅんにあまってたっしゃなしゅせきじゃ [あやくり]てばかりじゃない あしもなにもたっしゃだ [うせん]はいつもやっぱりたびしばいはたらいておられますなあ [あやくり]きんねんでたかねもちのふくじんすもうのついにはいかいしのびんぼにんすもうはおかしいことをしたが そのはちまいとやらいれられうでさすっているもつたないひくいきじゃ (廿一オ) [そうしょう]はいじんはそうたいまずせじがじょうずなかがまんなかあしとふでとがまめでなければうれぬて [あやくり]さていまはしろとがけっかのことむつかしいとせけんでもうします [そうしょう]それはぜにずくのだいみょうげいでおざへはだせぬしろとじょうるりのかくでかってずくなはこはよけれどくろとのようにつとめてはいけぬものじゃて [あやくり]そうしょうかたもちんこしばいのようになりましたなあ [そうしょう]それもはいかいのしろとしばいがはずむにつれてじゃ (廿一ウ) [うせん]さてびわほどゆすりなものはござりますまいな [あやくり]けれどこいつむつかしいやつでゆうけいがゆすったれんきんとわけがちごうてべつせかいじゃ ぞくおどしのてんじょうとははいかいほどまぐちのひろいものはござりますまい [そうしょう]そのはずそのはず ぎゃさんをよんでごろうじどびやかしのおおだまははなさきおうじゃ だいぶんのやましさ それゆえしぜんはいかいのゆすりはめいしんこじのよしゅうじゃ (大尾オ) [うせん]りゅうとうばくばくたるしゅんしょう そうしょうもでうきなされませんか [そうしょう]さればそくてんがにさんかんがござりますが [あやくり]しゅでいさんせんそれすてめやというばを こよいはちゃになされませ [そうしょう]それもそうか となんでものみこむそうしょうのおおはらやちょうもでてまうおぼろづき しょうへいらくしゅう (大尾ウ)