受験者の声

西洋史 M2

玉村 紳

計測工学科、電気、電子関係の工業計測を学び、工業大学を卒業。アメリカのデトロイト工科大学でコンピューターサイエンスの基礎を学び、日米合弁のIT系企業のセールスエンジニアとして36年のキャリアを積む。2016年に大阪大学大学院入学。日英関係史を学ぶ。

インタビュー

- 研究テーマは

玉村:テーマは、日英関係史です。

- 大学では何を勉強していましたか

玉村:大学は工業大学で計測工学科、電気、電子関係の工業計測を卒業しました。大学受験の時は、1970年代の高度成長期でもともと歴史、文系が大好きで、そっちに行きたかったんですけど、職業選択の時に日和りまして、物理、数学が大嫌いなくせに工業大学、工学部を出たという、今回学び直している、1つの原因になっています。

- 仕事は何をしていましたか

玉村:工学部を出て途中1年、アメリカのデトロイト工科大学でコンピューターサイエンスの基礎を少し学んだ関係で日米合弁のIT系の企業で、営業でしたがセールスエンジニアとして、36年間キャリアを積みました。

- 試験を受ける人へのアドバイスを

玉村:社会人枠と普通の年齢関係無しの学生枠があって、なぜ社会人枠を敢えて使ったかというと、社会人枠の方がハードルが低い、ハードルが低い理由は今は変わったみたいなんですが、当時は語学が1つだった。私の場合は英語は何とかなりそうだったのでそこが1つの味噌であった。

- 先生とのファーストコンタクトについて

玉村:私がメールをしました。私は営業なので飛び込みで人と人の縁をとる事に職業上慣れているんですね。後輩の人達にアドバイスするなら、阪大でやっている公開講座で名刺交換するのも1つのやり方だと思います。

- 入試の準備について

玉村:社会人枠の場合、長文読解だけ要求されるのでレポート書くために、原文を読まなければならない。秋田先生から「だったら、まずこれを読め」と本を渡されて、それが語学学習になるもんですから。準備する一年間で、40〜50冊ぐらい読んであんなに短期間に原書を読んだのは、最初で最後ですね。

- 今の生活について

玉村:リタイアなので、家庭生活をして平均すると週に2〜3日学校に来て、残りの時は資料を探して読むのが仕事なので、それ以外の日は家にいて資料を探して読んでる、そういう毎日ですね。

- 社会人入試を検討している方へ

玉村:2つ思う所があるかな。1つは文学部で社会人学生の同じ年代の人が数人いて、面白いことにマジョリティは私と同じ理系なんですね。人生の宿題みたいなものがあって、それが大学で何か研究する事で満たされるのであれば、1回勇気を持ってそういう人達が意外といる、そういう事が出来ている事を是非是非、理解して頂けたらというのが一点ですね。もう一点は、そこにたどり着くのに勇気がいるんじゃ無いか、やってみて思った事は、思いがあれば何とかなるんじゃないかな。意外と道は開かれているという事実を私も入ってみて気がついた事なんですけど。シニアの学生というのは全国で百何十人ぐらいしか居ないそうです。その意味では大阪大学は非常に密度が濃いですけれども。私は団塊の世代の典型的なサラリーマン何十万のただの1人。みなさん単にそういう機会がある事を知らない、あるいはそこに一歩勇気を持ってトライしてみる事が、有るか無いかだけの違いだと思うので。是非是非、これを聞かれた皆さんは一歩ダメもとでやってみたらというのが、私の思いです。

- 阪大でのこの先の目標は

玉村:学問的業績に関して、いったいどこまで出来るかというとハッキリ言って、偉そうな事はとても言えませんけれども。1つはG.B.Sansomの明らかになっていない歴史をなにがし、もう少し紹介出来たらというのがあって、あまり世に知られていない分野だから、それはそれなりに素材が集まって来て、個人的にはもの凄く満足は得てます。学問的業績という、クオリティを問われるので、そこからもう少し、先生、先輩方にご指導をもらってやれればなぁと。博士課程に、可能であれば行って、70過ぎ位まで片隅に居させてもらおうかと思う。実は、私はたまたま三重県の四日市の生まれで、紡績、綿業、肥料、四日市という土地が実はそれに非常にローカル的には繋がっていて、自分の祖父が港湾業者で、所謂グローバルヒストリーの末端の物流であるだとか、近代工業化の、四日市という地域の中のワンシーンに存在してたという事が分かって。ファミリーヒストリー、パーソナルヒストリーを書いて遺言みたいにして、子孫に残せたらもう言う事無いとそんな風に、勝手に今思っています。

- ありがとうございました

玉村:ありがとうございました。

受験に関して

留意すべき点

①一般選抜か社会人選抜か

  • 一般選抜は年二回(9月、2月)。社会人選抜は年一回(9月)
  • 志願者倍率や競争難易度は比較しがたいが、社会人選抜は専攻科によってバラツキ(応募者のあるなし)があるように見える。
  • 社会人(大学卒)はどちらも受験可であるが、一般選抜は学部の延長線上で受験(文学部なら文学研究科、工学部なら工学研究科etc.)が一般的。すなわち、学部での学位論文、あるいは研究論文がそのまま流用できる
  • 翻って学部と異なる学科(例えば自分の例であれば、工学部⇒文学研究科)を受験する為には(専門外の)論文相当のレポートを予め準備する必要性がある。

② 試験の過去問題は閲覧可能なので「傾向と対策」と「覚悟」を立てるべし。


ケーススケジュール

ちなみに自分は英国外交官であり日本歴史学者であった、G. B. Sansomの 足跡に強い興味があった。偶然から大阪大学に同時代日英関係史研究者である秋田茂教授の存在を知る。

 

受験までのスケジュール

10月 秋田教授にメールでコンタクト依頼。
11月

秋田教授に面談、大学院進学を勧められると同時にその準備のアドバイス(論文相当レポート準備のための原書文献紹介と一年間の聴講生としてのゼミ受講)を頂き、受験を決意する。

12月
1月
2月 科目等履修生(聴講生)入学手続き
3月 レポート初稿チェックとアドバイス
4月

科目等履修生 演習ゼミ履修開始(~2月末)

5月 レポートチェックとアドバイス
6月
7月 レポート最終アドバイス
8月

入学願書(含む論文相当レポート)提出

9月 9月選抜試験
10月 合格発表
4月 入学(62才)

学生生活・ある一日のスケジュール

6:00
7:00
8:00
9:00
10:00
11:00
12:00
13:00
14:00
15:00
16:00
17:00
18:00
19:00
20:00
21:00
22:00
23:00
24:00
6:00 起床後、ストレッチ体操、家事(洗濯、炊事、ゴミ出し)
7:30 朝食およびニュースチェック
8:30 メールチェック他雑用あるいはゼミ予習
10:30 徒歩登校(約30分)
11:00 昼食後、研究室か図書館でごそごそ
13:00 演習ゼミ受講(~16:10)
16:20 論文作成演習受講(~17:50)
19:00 帰宅、入浴、食事
21:00 就寝

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