『国語文字史の研究』(和泉書院刊)総目次




国語文字史の研究 一(1992年9月発行)
国語文字史研究の課題 前 田 富 祺
古事記の訓読に関する一考察 ―「早」「速」などの訓みをめぐって― 山 口 佳 紀
「為」「故」「為…故」とその訓 ―漢字と訓との意味用法のずれについて― 吉 野 政 治
同形異字小考 ―西本願寺本万葉集を資料として― 乾  善 彦
経まんの心 ―宛字と国語音韻史― 西 崎  亨
漢字と訓の対応についての解釈上の一問題
―慶応大学斯道文庫蔵百二十句本『平家物語』を中心に見た「幻」と「うつつ」「まぼろし」―
伊 坂 淳 一
延慶本平家物語に於ける漢字表記語の修辞的用法について ―「仁山」を例として― 山 本 真 吾
強(こは)し≠ニ強(つよ)し=@―『平家物語』諸本に見られる用字意識の変化― 橋 本 行 洋
『一遍聖絵』詞書きの筆者の人数 小 林 賢 章
石橋生庵日記の異体字 柏 原  卓
近世文学作品における字母の用法について
―「ますらを物語」・『おくの細道』・『教訓私儘育』の場合―
木 越  治
黄表紙に於ける表記法
―一九自画作に於ける仮名遣い―
矢 野  準
意読的表記から字音的表記へ ―和製漢語の一生成過程― 田 島  優
尋常¥ャ考 余 田 弘 実
文頭へ
国語文字史の研究 二(1994年10月発行)
字史をめぐって 前 田 富 祺
訓仮名の使用環境 ―大宝・養老戸籍の人名にみる― 犬 飼  隆
上代に於ける「者」字の用法 ―助辞用法から助詞表記へ― 瀬 間 正 之
平安時代公家日記の漢字 ―『権記』寛弘七年一年間の漢字― 浅 野 敏 彦
表記体と文字字形についての一試論 柴 田 雅 生
異体字・崩し字に字源俗解を介した漢字の国字化
―「」からの「」の派生を例として―
笹 原 宏 之
庭訓往来天理図書館蔵本の所用漢字について 三 保 忠 夫
『浄土勧化文選』における片仮名の用法小考 増 田 有 美
『豆腐百珍』『豆腐百珍続編』の熟字 余 田 弘 実
『春色梅兒譽美』における仮名の用字法 玉 村 禎 郎
『たけくらべ』における平仮名の書体と字体 前 田 富 祺
「仮名書」一覧並びに漢字索引稿 足 立 雅 代
文頭へ
国語文字史の研究 三(1996年6月発行)
漢字字体の「内省報告」のために 佐 藤 栄 作
『成尋阿闍梨母集』の字母 ―冷泉家旧蔵本から書陵部本へ― 伊 井 春 樹
扁揃えと古辞書 高 橋 久 子
「急」字と「イソグ」訓との対応関係の定着に就いて
―中世に於ける日常常用漢字≠ノ就いての一考察―
宇 都 宮 啓 吾
「押」から「横」へと「妨」から「暴」へ
―「横柄」「横領」「横暴」への用字変化―
杉 浦  勝
「顛倒」小考 池 田 幸 恵
『落葉集』の仮名文字遣いについて
―「か」「た」「に」「へ」「み」に関して―
今 野 真 二
易林本節用集の仮名遣 今 西 浩 子
漢字による外国地名の略称について 王  敏  東
現代韓国語における漢字使用について 李  漢  燮
『画禅室随筆』に見る書表現法 須 崎 英 彦
『名物六帖』板本の部見出し語漢字索引 ―前半部〈ア〉〜〈スン〉― 福 田 安 典
文頭へ
国語文字史の研究 四(1998年8月発行)
字義構造について 前 田 富 祺
平安・鎌倉時代における平仮名字体の変遷 矢 田  勉
漢字字体の史的研究に関わる一問題
―親本・転写本関係にある『蒙求』二本を比較して―
田 村 夏 紀
鷹を数える助数詞 三 保 忠 夫
『真字本方丈記』における用字意識の一側面 ―付訓漢字表記語をめぐって― 郡 千 寿 子
甲陽軍鑑の通用字 酒 井 憲 二
元禄十四年刊『俗字正誤抄』における「正字」「俗字」「誤字」とその典拠 笹 原 宏 之
黄表紙・洒落本の仮名字体 ―恋川春町自筆板下本についての比較考察― 内 田 宗 一
近世料理書における加熱調理操作語彙の漢字表記 余 田 弘 実
書記テキストにおける引用マーカーとしてのカギカッコの用法
―池波正太郎「剣客商売」を例として―
藤 田 保 幸
『名物六帖』板本の部見出し語漢字索引 ―後半部〈セ〉〜〈ワ〉― 福 田 安 典
文頭へ
国語文字史の研究 五(2000年5月発行)
中国語テクストとしての『日本書紀』における漢字彙素の構造 伊 藤 雅 光
上代における「蓋」字使用の様相 ―『日本書紀』を中心に― 是 澤 範 三
『万葉集』における活用語の語尾表記 奥 田 俊 博
『妙法蓮華経釈文』における標字採録の基準 西 原 一 幸・河 野 敏 宏
「ひそか」の用字「潜」「竊」「偸」「密」の使用傾向について 深 野 浩 史
「蒲団」をめぐって ―漢字表記とその背景― 郡 千 寿 子
与謝蕪村の仮名字体の用法 ―俳書と書簡を比較して― 窪 田 恵 理 子
馬琴作合巻『金毘羅舟利生纜』の仮名字体
―筆耕による表記の改変をめぐって―
内 田 宗 一
文部省の各種整理案と国定教科書から見た漢字字体についての一考察
―文字形態素「戸」をめぐって―
楊  昌  洙
明治・大正・昭和期の漢字使用
―東京日日新聞を資料として―
土 屋 信 一
新聞「家庭面」における漢字 佐 竹 秀 雄
接頭語「不(ブ)」「無(ブ)」の交替を許す語をめぐって 丹 保 健 一・倪 永  明
近代漢字字書の種々相 ―餅≠フ字を例として― 前 田 富 祺
文頭へ
国語文字史の研究 六(2001年11月発行)
国訓考証五則 高 橋 忠 彦・高 橋 久 子
御巫本日本書紀私記の研究 ―稀用万葉仮名について― 山 口 真 輝
『家伝』における「漢字文字列」認定の理論的側面
―語史・語彙史研究との関わりから―
小 野 正 弘
国字「辷」の成立と訓の変遷 ―「まろぶ」「ころぶ」そして「すべる」へ― 蜂 谷 清 人
『仮名文字遣』における「万葉」の引用 長 谷 川 千 秋
菅原智洞の半濁音表記から 小 林 賢 章
本居宣長の送り仮名意識 ―寛政期の板本三作を対象として― 神 作 晋 一
『古事記伝』の仮名字体 ―訓仮名出自字体の忌避とその背景― 内 田 宗 一
近代における漢字字書・節用集の漢字字体 楊  昌  洙
雑誌『太陽』創刊号における外国地名片仮名表記 深 澤  愛
巌谷小波の児童文学における仮名遣い ―いわゆる「お伽仮名」について― 小 松 聡 子
内田百閧フ擬声語・擬態語の表記について 岡 村 ま り 子
「標準コード用漢字表(試案)」JIS漢字― 池 田 証 寿
文頭へ
国語文字史の研究 七(2003年11月発行)
字体分析の言語遊戯
─漢字の合字・分字を中心に─
遠 藤 邦 基
国字が発生する基盤 笹 原 宏 之
哽咽とむせむで戯欷となげく
─『万葉集』における連続性と不連続性─
今 野 真 二
日本書紀に見える「兒」「子」の考察 朴  美  賢
正倉院文書の「橡(ツルバミ)」
─帳簿の復原と分析の試み─
桑 原 祐 子
東明寺蔵・『大般若波羅密多経』の訓点について 宇 都 宮 啓 吾
延慶本平家物語における表記システムの融合 小 川 栄 一
動詞表記「敷」と形容詞語尾表記「敷」との間
─シク活用形容詞フトシ[太]の成立について─
蜂 矢 真 郷
大矢透以前の「太為尓」 岡 島 昭 浩
漢字片仮名交じり文・漢字平仮名交じり文と外来語表記
─『日本大家論集』を資料として─
深 澤  愛
送り仮名法と国語調査委員会 山 東  功
費用を表わす合成語について
─〈代〉〈賃〉〈費〉〈料〉の場合─
王  敏  東・張  静  嫻
国語文字史の研究 八(2005年3月25日発行)
「枚」と「牧」の通用 ―「牧夫」は「ひらぶ」― 犬 飼  隆
上代の表記とことば ―「参」の字をめぐって― 土 居 美 幸
善珠『因明論疏明燈抄』所引『玉篇』佚文攷 井 野 口 孝
天理図書館蔵『大和物語』四種の平仮名連彫活字 中 嶌 容 子
書き手の意識 今 野 真 二
観智院本『類聚名義抄』における異体字の記載形式 田 村 夏 紀
擬似漢文の展相 乾  善 彦
」から「急」へ ―イソグ訓変遷の環境― 白 石 幸 恵
『一之富當』の仮名遣い ―「い・ひ・ゐ」「え・へ・ゑ」の仮名遣いを中心に― 矢 野  準
『坊っちゃん』原稿に現れた漱石の手書きルールについての覚え書き 佐 藤 栄 作
漱石の特徴的なあて字 ―字音的・字訓的表記と意味的表記との混交― 田 島  優
一九六五〜七五年度頃の略字 蜂 矢 真 郷
 

文頭へ

文頭へ
9


    遠藤邦基「西本願寺本三十六人集の仮名表記の異例」

    奥村悦三「文字の連なり、ことばの繋がり」

    矢田勉「定家の表記再考」

    長谷川千秋「世阿弥自筆能本におけるマ・バ行音の表記」

    内田宗一「『古言梯』の仮名字体」

    永井悦子「近世女子用往来における仮名字体」

    佐藤貴裕「医家・田代三喜の造字」

    今野真二「同語異表記をめぐって」

    深澤愛「近代における外来語片仮名文字列の特質変化」

    王敏東ほか「台湾における外国地名の表記について」

    蜂矢真郷「促音・撥音の現代ローマ字表記」



10
『国語文字史の研究』第十集を迎えて 前田富祺

山内洋一郎「『心躰抄』に見る漢字表記の特性」

佐野宏「倭文体の背景について」

乾善彦「「略書」再考」

是澤範三「『日本書紀』の中国口語 「休」をめぐって」

奥田俊博「正税帳における「都合」と「合」 熟字と単漢字の使用をめぐって」

井上幸「写経・正倉院文書(食口案・献物帳)の所用字体をめぐって」

西崎亨「コンテクストと文字研究」

遠藤邦基「ちぢみ「え」 仮名の異名といろは歌」

田中雅和「定家の表現における表記と語形の選択」

米谷隆史「近世初期刊行の画引字書について」

矢野準「合巻類の漢字」

今野真二「二つの『星』」

潘鈞「明治期の漢字表記の一側面」

佐藤栄作「『道草』の書き潰し原稿と最終原稿の文字・表記」

田島優「代用字・代用表記(同音の漢字による書きかえ)について」

笹原宏之「「蛯」の使用分布の地域差とその背景」

當山日出夫「京都の「祇園」の表記 しめすへん」

蜂矢真郷「現代仮名遣いの長音表記」

狩野理津子「『初心假名遣』索引(上)」




11

遠藤邦基「瓜を「ふり」と書く仮名つかい その実態と解釈」

奥村悦三「ことばを書く、声を記す」

今野真二「文献の書写と表記と」

小谷博泰「木簡・文書の文字使用に関する一考察 基本的課題をめぐって」

瀬間正之「常陸国風土記香島郡「処」字は「〓」字か」

柳?和「日本書紀の職官を表す博士・師について」

朴美賢「日本書紀の「王」字考」

蜂矢真郷「和名類聚抄地名の「部」」

鳩野恵介「無窮会図書館蔵本『大般若経音義』における異体字表示の術語について」

内田宗一「『広益字尽重宝記綱目』における複数書体掲出例について」

深澤愛「片仮名文字体系の自立性獲得についての試論」

王敏東「"癌"にまつわる言葉とその推移 日治時期の台湾における日本語資料を中心に」

狩野理津子「『初心假名遣』索引(下)」




12


    今野真二「「変字(かえじ)法」と「変字(へんじ)法」と」

    尾山慎「萬葉集における地名表記と子音韻尾字―非固有名詞表記例をもたない二合仮名」

    乾善彦「古代語における文字とことばの一断章」

    白石幸恵「続日本紀宣命の表現―「〓」字と「イソシ」の対応」

    坂尻里奈「『日本霊異記』中巻第一縁「〓〓」の訓釈について」

    蜂矢真郷「和名類聚抄地名の二合仮名」

    丑秀梅「「當」と「マサニ」の対応関係について」

    浅田徹「元永本古今集を読むために―表記史と書道史」

    田中巳榮子「近世初期俳諧『正章千句』の振り仮名に関する一試論」

    永田高志「位取り縦書き漢数字の発生と流布」

    王敏東「多義を有する専門語―日中同形語「寄生虫」の場合」



13


    乾善彦「古事記の固有名表記をめぐって――地名の場合――」

    森川千尋「万葉集各巻における変字法と同字法の様相」

    蜂矢真郷「和名類聚抄地名の読添え」

    長谷川千秋「仮名遣の成立要件をさぐる」

    今野真二「仮名文から仮名漢字交じり文へ」

    ジスク・マシュー「啓蒙表現における漢字を媒介とした意味借用――和語「あかす」の意味変化過程における「明」字の影響――」

    藤原真希「国字成立の諸段階――武具に関する造字を例として――」

    小柳智一「「てには」と「てにはの字」」

    前田富祺「川端康成『雪国抄』の成立と書体の問題をめぐって」

    乾善彦「〈資料紹介〉絵抄本『小野篁歌字尽』影印と解題」