江戸時代の懐徳堂学主を代々務めた中井家に関わる貴重資料は、その後、子孫の中井木菟(つぐ)麻呂(まろ)・終子(しゅうこ)に託され、懐徳堂記念会を経て、現在、大阪大学の所管となっています。また、終子が梅花高等女学校(現・梅花女子大)で教鞭を執ったことから、その関係資料は、梅花学園にも保存されています。
そこで、2016年に重建懐徳堂竣工100周年を迎える懐徳堂記念会と、2018年に創立140周年を迎える梅花学園とが協力し、梅花女子大学学園資料室所蔵資料の内、「写真」数十枚と「終子日記・手帳」類(11点、計6000頁)のデジタルアーカイブ化を推進し、重建懐徳堂にゆかりの深い中井木菟麻呂・終子の顕彰に努めることになりました。
2016年、重建懐徳堂に的を絞ったシンポジウムを開催しました。
基本的には学術シンポジウムですが、重建懐徳堂の模型や貴重資料の一部を展示したり、記念会の一般会員や関係企業の方にも出席しやすいテーマを設定し、より多くの方に参加して頂きました。
2016年10月29日に開催された第132回秋季講座「よりよく生きるために」では、大阪大学総合学術博物館待兼山修学館で開催していた懐徳堂展「大阪の誇り―懐徳堂の美と学問」の連携講座で、講座終了後、希望者を博物館まで引率し、展示解説も行いました。
2001年に刊行された『懐徳堂事典』は、懐徳堂研究の最も重要な参考書となっています。
しかし、刊行から15年が経ち、その後の研究に大きな進展がありました。特に重建懐徳堂期については、『懐徳堂事典』に項目が立っていない情報がたくさんあります。
そこで、2016年10月21日に、これらを大幅に加筆した増補改訂版の刊行を行いました。
2000年に開設した懐徳堂記念会のホームページは、年々充実してきましたが、記念会創立100周年事業(2010年)頃から情報量が膨大となり、階層構造が複雑になりました。
そこで、この度利用者の方がより使いやすい形にホームページをリニューアルしました。
2017年度発行の『懐徳』を特別編成し、通常号の内容に加えて、重建懐徳堂100周年記念のページ、記念事業の成果などを盛り込みました。