2002年8月3日(土) 掘削・精査・図面作成


上:前方部墳頂調査区を西から
前方部墳頂調査区の盗掘坑は、南北に残してあった畦を写真撮影した後に除去した。その際、坑の底から鉄鏃あるいはヤリガンナと思われる鉄片が出土した(写真下)。本日は先端部分のみを取り上げたので、明日に残存部分を掘り出す。
この鉄器の意義は大きい。この地に北棺という埋葬施設が存在したことを示す証拠であるからだ。

下:盗掘坑から出土した鉄器

前方部西トレンチを北から
前方部西トレンチは平面および断面の図面作成を継続して行った。あとは断面図の注記と平面図にコンターライン(等高線)を入れる作業を残すのみとなった。

東クビレ部トレンチを南から
東クビレ部トレンチでは墳丘の裾部分を確かめるため、東側にさらに30㎝の拡張をした。この部分からも埴輪片が出土している。

上:前方部南トレンチ南側を西から
前方部南トレンチの南側では、地山と考えていた堅めの土が断面の観察から流土とわかり、拡張区を全面にわたって10㎝ほど掘り下げることとなった。まだ完了しておらず、明日も引き続き掘り下げを行う。

下:前方部南トレンチを南西から
一方前方部南トレンチの北側は分層および清掃がほぼ完了し、写真撮影の準備が整いつつある。

墳頂部南棺調査区を西から
墳頂部南棺調査区では棺中央部分へ南北に掘り込みを入れ、断面を観察した。1971年の調査の際に入れられたサブトレンチを再掘削した上で北へ拡張した。1971年時の調査では墓壙は検出されていなかったが、サブトレンチでその存在を確認した。
まとめ

前方部墳頂調査区の盗掘坑で古墳時代のものと考えられる鉄器が出土した。この鉄器の意義は大きい。北棺に関する遺構は見つからなかったが、この付近に埋葬施設はやはり存在したのだ。