オーストラリア辞典
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Eden

イーデン


ニューサウスウェールズ南東端、シドニーの南476キロに位置する。
人口:3,106(1996)、3,248(1986)、1,245(1961)、214(1871)、482(1861)、120(1851)。


 町の名前は、町の建設が予定された1842年の植民地担当大臣、オークランド卿の姓に由来する。かつては先住民のYuinあるいはBidwellの居住地であった。1797年、ジョージ・バスがこの地域を探査し、トゥーフォウルド・ベイTwofold Bayと名づけた。1820年代に捕鯨業が始まると、その基地として利用されるようになり、イムレイ兄弟などが活躍した。1840年代、捕鯨基地や地域の中心地としての地位をボイドタウンBoydtownと争ったが、その崩壊後は、唯一の中心として発展した。1830年代に町の建設許可が与えられ、1843年に公示され、土地の売却が始まった。1857年には裁判所が建設された。カイアンドラで金が発見されると、その港としての機能を果たした。1930年代に捕鯨基地は閉鎖されたが、1948年には魚の缶詰工場がオープンした。この捕鯨の末期には、シャチと人間が共同で捕鯨を行ったと伝えられている。1968年には、巨大なウッドチップ工場が建設され、1970年には日本に輸出するための港湾施設が完成した。南のビタンガビー湾Bittangabeeにある丸太の防塞跡は、1520年代にポルトガル人によって作られたものかもしれない。トゥーフォウルド・ベイをはさんで対岸に位置するボイドタウンは、1840年代にベンジャミン・ボイドによって設立されたが、1849年にボイドが破産すると、町も放棄された。

 1969年設立の大昭和製紙の関連企業の見学や、8月から11月にはホエール・ウォッチングが楽しめる。日本の製紙会社は、オーストラリアから大学のウッドチップを輸入してきたので、日本はこれまで環境運動の攻撃の的になることが多かった。最近日本の企業が始めている植林事業は、そのイメージの改善に役立っている。

 藤川隆男1202