オーストラリアで最もよく知られた亡霊話の中心人物。この話には多くの異なったバージョンが存在する。フレデリック・ジョージ・ジェームズ・フィッシャーFrederick Fisherはキャンベルタウンで農耕をする仮赦免の囚人だったが、1826年に消息を絶った。ジョージ・ウォーラルは、同じく隣接する農場で農業を営む仮赦免の囚人であり、フィッシャーは偽造罪から逃れるためにオーストラリアを離れたと主張し、フィッシャーの資産を自分のものとして利用し始めたために疑惑を生んだ。伝えられるところによると、数週間後（話によっては、数ヵ月後）ジョン・ファーリーという男が、フィッシャーの農場の柵の上、もしくは近くでフィッシャーの亡霊を目撃した。フィッシャーの死体の発見には懸賞金がかけられていたが、ファーリーが亡霊を「目撃した」柵の上に血痕が見つかり、すぐそばからフィッシャーの死体が発見された。ウォーラルは殺人罪で起訴され、有罪判決を受けて、1827年に絞首刑となった。

　藤川隆男0303