ジェネラルモーターズ・ホールデン社は、1931年に、ホールデン車体製造とジェネラルモーターズ・オーストラリアの合併により生まれた。ホールデン家は、1860年代からアデレイドで皮革製品や馬車を製造していたが、第1次世界大戦期に自動車の輸入が規制されたことを契機にホールデン車体製造を設立、輸入シャーシーに搭載する車体のトップメーカーとなった。一方、米国ジェネラルモーターズは1923年からオーストラリアに進出し、拡大しつつあったオーストラリア自動車市場の3分の1近くを占めるようになり、ホールデンと提携しながら、1926年には、製造を目的としたジェネラルモーターズ・オーストラリアを設立した。

　両社は1931年に大恐慌の影響により合併、ジェネラルモーターズ・ホールデンとなった後、メルボルンの新工場における操業を開始し、大恐慌の終息に伴い利益を上げるようになった。同社は、第2次世界大戦中に規模の拡大と車種の多様化を実現するとともに、オーストラリアの環境に適合した車種を開発するようになった。ジェネラルモーターズは、市場の有望性、オーストラリアの基礎的な工業力及び政府の認可に応える形で、ホールデン独自車種の製造を決定、1948年に最初のホールデンブランドの自動車が登場した。1980年までに同社はオーストラリアの4つの州で操業するようになった。

　1990年代に会社の再編が行われ、会社はエンジン部門と自動車部門に分割されたが、その後再統合が行われ、社名もホールデンHolden Ltdとなった。　

　浅野敬一00