オーストラリア辞典
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Gove Peninsula

ゴウヴ・ペニンシュラ、ゴウヴ半島


ノーザンテリトリー北東部、アーネムランドの最東部に位置する半島、ダーウィンの東約1,000キロにある。
人口:ヌーランボイNhulunbuy 3,695(1996)、3,879(1981)、3,353(1976)、4,400(1971)。


 名前の由来は、1943年にこの地で戦死したオーストラリア空軍少尉ウィリアム・ゴウヴWilliam Goveにちなんでいる。

 この地域はアボリジナルのヨルング(ヨロング、ヨロンゴ)Yolnguの土地であり、現在彼らによって管理されている。しかし、1952年にボーキサイト鉱床が発見され、樹皮請願書などによるアボリジナルの反対にもかかわらず開発の認可が下りた。当初、政府が採掘案を拒否したので、1964年にナバルコNabalcoが設立され、翌年同社は採掘とともにアルミニウム精製所、港、町の建設に100万ドルの費用を支出することに同意した。

 1969年から建設が着手された町ヌーランボイNhulunbuyは、この地方の中心地であるが、外部世界との陸路による恒常的な連絡路をもたない町である。最初のボーキサイト輸送は1971年に始まった。一方、1963年頃からアボリジナルの人々は採掘に対する反対運動を起こし、1968年から71年の間、土地の諸権利を求める訴訟を起こした。アボリジナルは訴訟に敗れたが、1976年にはこれを契機として、ノーザンテリトリー土地権法が成立した。

 アルミニウム精製工場が最初に設立されたのは1972年であり、1980年代初めには年間アルミニウム100万トン、ボーキサイト200万トンを輸出するようになった。社会福祉法令Social Welfare Ordinanceの下で、鉱山使用料(1980年代には年間約100万ドル)がアボリジナル手当信託基金Aboriginal Benefits Trust Fundに支払われている。

 志方光・藤川隆男0203