オーストラリア辞典
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Willandra Lakes

ウィランドラ湖地域


 ニューサウスウェールズ南西部に位置するウィランドラ湖地域は、4億年前の湖が乾燥してできた半砂漠地帯である。1万5000年年前まで豊かに水を湛えていた湖は現在平原となり、湖床は塩性に耐性のある低灌木に覆われている。

 ウィランドラ湖群地域では、およそ4万年前の人類の痕跡と、洪積時代に形成された湖と砂地の堆積地層を見ることができ、その考古学的・地形学的特徴の重要性から、自然と文化の複合遺産として1981年世界遺産に認定された。

 ウィランドラ湖群地域は、過去200万年にわたって形成された更新世の湖系統を有し、世界遺産に指定されるエリアの10%は、マンゴウ湖を含むマンゴウ国立公園として官報に掲載されている。このマンゴウ湖では、年月をかけて侵食された砂と粘土のもろい層であるリュネットと呼ばれる三日月型の砂丘が見られるが、中でも壮観なのは湖東部に30キロにわたって続き、「万里の長城」と呼ばれるリュネットであり、平原に30メートルの高さでそびえ立っている。

 マンゴウ湖で発見されたオーストラリア最古の人類の遺跡からは、世界最古の赤色顔料で覆われた埋葬人骨及び、最古の火葬の痕跡が確認されている。ここで発見された人骨はマンゴウ人と名づけられ、発達した前頭骨と丸い頭蓋、小さな歯など、非常に現代的な特徴を備えており、C14測定法(放射性炭素年代測定法)の使用によって、およそ3万3,000年前の人類と推定されている。同地では、およそ4万年前の人類の生活の痕跡が発見されており、火を焚いた跡に加えてムラサキガイなどの淡水貝や、現在は絶滅してしまった巨大なカンガルーやフクロオオカミの骨、局部磨製石器、石斧などの道具も発見された。

 ウィランドラ湖群地域においては55種を超える生物の化石が発見されているが、そのうち40種はもはやこの地域で見ることはできず、11種は完全に絶滅している。さらにこの地域では現在、コウモリを中心に22種の哺乳類が確認されており、両生類・爬虫類も約40種、鳥類はオウム・ボタンインコ・ウソなどを中心に137種が記録されている。

 勝清香0704 

ユネスコ 世界遺産サイト(英語)

ユネスコ 世界遺産リスト(英語)

オーストラリア政府 世界遺産ロケーションマップ(英語)

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