(a)先史時代

 約4万年程前の第四氷河期(洪積世末期)頃に、ニューギニアとオーストラリア大陸は地続きでありました。そこに先住民のアボリジニという人たちが、ニューギニア方面から移動してきました。
 その後、大陸が分断され、アボリジニは、オーストラリアに取り残され、世界各地に広まっていった農耕文化も彼らには伝わらず、魚を捕ったり、獣を狩ったりして生活を続けていくことになりました。彼らは金属器をもちませんでしたが、自然を理解しその恵みを最大限に利用することでオーストラリア大陸とタスマニアのすみずみまで広がっていました。
 その後、ニューギニアやインドネシア、中国などとの交流が始まり、やっとオーストラリア大陸が世界に知られるようになっていきました。1426年に訪れた中国のナマコ採集船の船員による地図には、オーストラリア北西海岸部が描かれています。