『續ソフトボール實録長編』
二〇一四年秋之條
平成廿六年十一月四日 於猪名川河川敷
日本史の先発投手はウインドミルの本格派であり、対戦前から打撃面での苦戦は予想された。東洋史はエースのT口を登板させ、投手戦に持ち込む作戦に出た。前半は予想通りの投手戦となり、両チーム共に無失点の緊迫した展開となった。しかし、日本史は三回表に東洋史のT口を捕らえ、長短打6本で6点を奪うと、四回表にも5点を追加した。一方、東洋史は最後まで日本史の投手を捕らえることができず、初戦を0 − 11で落とした。
1 | 2 | 3 | 4 | ||
東 洋 史 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
日 本 史 | 0 | 0 | 6 | 5 | 11 |
東洋史は初回から効率よく得点を重ね、三回までに6点を奪った。投げては、二番手の八木がストライクゾーンにテンポ良く投げ込み、打たせてとるスタイルで西洋史打線をわずか2点に押さえ込んだ。すると四回以降、東洋史の打線が驚異的なつながりを見せ、四回と五回で併せて22点を奪って試合を決定づけた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
東 洋 史 | 3 | 0 | 3 | 10 | 12 | 28 |
西 洋 史 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
東洋史は初回に伊藤と奥田のホームランで3点を奪うと、三回にはT口・遠藤・岩原の三者連続ホームランが飛び出し一挙に8点を奪った。一方の連合も4回までにコツコツと得点を重ね、試合は「東11 − 8連合」と予断を許さない状況のまま最終回に突入する。最終回、東洋史は岩原・奥田の連続タイムリー等で4点を奪い、その裏をT口が抑え15 − 8でなんとか逃げ切った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
東 洋 史 | 3 | 0 | 8 | 0 | 4 | 15 |
哲文語連合 | 3(1) | 0 | 2 | 3 | 0 | 8(1) |
開始の時点で日本史が全勝で優勝を決めており、この試合は共に2勝1敗で向かえる2位決定戦となった。前半、考古学は初回に4点、二回にも1点を挙げ、女性点と併せて6点を挙げると、東洋史は初回に3点、二回に2点を挙げて6 − 5の接戦となる。二回以降は一転して投手戦となり、両者譲らないまま五回に突入した。なんとか追加点を挙げたい考古学は、五回表、ランナーを二塁に置いて一番打者が痛烈なライナーを放つ。センター前に抜けたかと思われた打球は、東洋史の奥田が気迫のダイビングキャッチで掴み取った。奥田のファインプレーに勢いづく東洋史は、その裏にノーアウト満塁の好機をつくり、六番冨田の内安打で同点に追いついた。しかし東洋史は拙攻によって逆転できず、嫌なムードが漂うと、六回表に2ランホームラン浴び再びリードを許す。そして向かえた最終回、九番原井が内安打で出塁するとT口・遠藤が繋いで1点差となり、なおも1アウト2・3塁となる。ここで、四番岩原を向かえると、2ストライク1ボールからの4球目だった。思い切りよく振り抜いた打球は痛烈なライナーでショートの頭を越え、サヨナラの2点タイムリーとなり、最終戦を劇的なサヨナラ勝ちで締めくくった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | ||
考 古 学 | 5(1) | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8(1) |
東 洋 史 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 3× | 9 |
今回の大会は全5チームによる総当たり戦で行われた。東洋史は初戦の日本史戦を落としたが、残りの試合に全勝し3勝1敗の成績であった。日本史が全勝で優勝し、東洋史は準優勝、3位は考古学、4位が西洋史、5位が哲文語連合であった。
今回の大会は、若手の活躍が目立った大会であった。まず、今季から新たに加わった岩原・丸山の活躍があげられる。特に岩原は打撃成績で東洋史No.1の6割10打点の活躍を見せ、守備では守備機会の多いレフトで安心感のある動きを見せた。最終回に放ったサヨナラタイムリーは、彼の持つスター性を如実に物語っている。一方で、丸山も野球未経験でありながらキャッチャーという大役をこなし、打撃でも5割の成績を残す活躍を見せている。
守備で見せたのは奥田である。打撃成績でも5割7打点1本塁打となんら遜色はないが、ショートという難しいポジションを圧倒的な安定感でこなしてみせ、数々のファインプレーを演出した彼の守備はあまりに印象的であった。特に最終戦でみせた渾身のダイビングキャッチは、もはや芸術的としか言いようがないプレーであり、田口賞の受賞を決定づけたと言える。一方で、3回生の八木はエースT口に次ぐ次世代エースとして第二戦に先発しわずか2点に抑えた。彼の投球の小気味よいテンポは、より積極的に評価されるべきである。打撃成績でも7割4打点という驚異的な数字を残しており、全試合に出場ができていればと思ってしまうのは私個人の意見ではないだろう。
この他にも、運動神経の良さをプレーで披露した坂本や、代打で出場し共に2安打を放った下岸・鈴木(芽)、打率6割近い成績を残した伊藤、投打で躍動したエースのT口、全試合で安定したキャッチングをみせた冨田・吉川、第三戦で全てのチャンスをものにした齊藤など、それぞれの活躍を挙げれば枚挙に暇がない。特に、文院協の議長として日程の調整やグラウンドの予約など、大会運営に関わる全ての仕事をこなし、試合でも6割2打点の活躍をみせた原井には、最大の賞賛を送りたい。そして、応援に来てくれた木戸岡や陳薄如等も含め、皆で楽しくソフトボールをできたことが、結果以上に東洋史の絆を深めてくれるものであったと思う。
(文責:E. S)
【詳細成績】
打数 | 安打 | 打点 | 本塁打 | 打率 | |
岩原 | 15 | 9 | 10 | 1 | .600 |
伊藤 | 16 | 9 | 8 | 1 | .563 |
遠藤 | 16 | 9 | 6 | 1 | .563 |
奥田 | 12 | 6 | 7 | 1 | .500 |
T口 | 10 | 5 | 3 | 1 | .500 |
冨田 | 11 | 5 | 4 | .455 | |
吉川 | 12 | 2 | 0 | .164 | |
下岸 | 2 | 2 | 1 | 1.000 | |
鈴木(芽) | 2 | 2 | 0 | 1.000 | |
八木 | 5 | 5 | 4 | .714 | |
原井 | 5 | 5 | 2 | .625 | |
丸山 | 2 | 2 | 2 | .500 | |
齊藤 | 3 | 3 | 3 | .429 | |
坂本 | 2 | 2 | 2 | .286 |