荒川正晴教授が、本年度を以て定年退職なされた。
荒川教授は、中央アジア出土文書、とりわけトゥルファン文書の緻密な分析に基づき、中央ユーラシアの交通・交易、ソグド人の活動などに関する多くの論攷を著されてきた。また、1996年に本学に着任して以来、24年に亘り学生の指導に尽力し、後進を育成してこられた。先生の謦咳に日々接し、一見穏やかながらも、鋭く、虚飾なく、妥協を許さない指摘を直接に受けて学び、学位を取得することのできたことは、本研究室出身者にとって大いなる財である。
3月28日には、荒川教授の最終講義および退職記念祝賀会が予定されていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を受け、残念ながら延期せざるを得なくなった。(I寄稿)
本年度は学部卒業生6名、博士前期課程修了4名、博士後期課程学生1名および及び特任研究員・その他各1名が学位を取得した。
例年、3月下旬に卒業・終了式が挙行され、東洋史学研究室恒例の追い出しコンパも同夕刻に開催される。本年も3月25日に予定されていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を受け、式典は代表者のみの参加に規模縮小され、各研究室の「追いコン」等の行事も中止された。証書授与は講義室にて事務的におこなわれた。当日は穏やかな春の陽射しのもと、浪高庭園の桜が咲き誇っていたが、学内は混雑が生じない様に対策され、卒業・修了生は惜別の暇なく巣立っていった。(I寄稿)
荒川正晴教授を主指導教員と仰ぐ3名が課程博士学位申請論文を提出し、その公開審査がおこなわれた。申請者と論文題目は以下の通りである。
公開審査は、まず申請者が論文概要を報告(約30分)したのち、主査(荒川教授)・副査(2名)によるコメント・試問が為され、それに対し申請者はディフェンスをおこなう。最後にフロアからの質疑という形式で進行した。
なお、早川(学振DC)の審査には、磯貝健一教授(京都大学)が副査としてご出席くださった。
また、石川氏・西田氏の審査には、森安孝夫名誉教授のご臨席を賜った。(I寄稿)
11月1日(金)、北京大学にて国際会議「信息溝通与国家秩序国際会議」が開催され、本研究室からは博士後期課程の遠藤総史が参加し研究報告を行った。また11月2日~3日には、同じく北京大学にて研究フォーラム「議題調整与跨域対話」が開催された。3日間の会議を通して、中国・台湾・韓国の研究者等と研究交流を行った。(E. S)
10月10日(木)・17日(木)、第三回卒業論文相談会が行われ、4回生6人が卒業論文に向けた作業状況を報告した。発表タイトルは以下の通りである。
8月31日から9月12日にかけて、本研究室の片山剛名誉教授・田口宏二朗教授・藤澤聖哉(特任研究員)、および甲南大学教授の稲田清一氏・三重大学准教授の大坪慶之氏・立命館大学講師の山本一氏らは、台北で史料調査をおこなった。この調査は、科学研究費「地理空間情報を用いた近現代中国の都市・農村社会の実相復元と空間分析」によるもので、主に国史館および台湾大学図書館で、南京国民政府期の南京における不動産および都市景観に関する史料を調査した。(F.S.)
本研究室の荒川正晴教授は、日本史研究室の市大樹准教授・本研究室の伊藤一馬(招へい研究員)と共に、9月2日(月)から7日(土)にかけて中国陝西省西安市での現地調査を行った。本研究室の学生からは武井悠介(博士前期課程)・坂本直人(博士前期課程)が参加した。今回の調査では、西安周辺の関所や交通路についての現地調査を実施し、昭陵や大明宮なども訪れた。(S.N.)
7月12日(金)から15日(月)まで、長野県信濃町の藤屋旅館において、第56回野尻湖クリルタイ(日本アルタイ学会)が開催された。本研究室からは、伊藤一馬(招へい研究員)・坂本直人(博士前期課程)が参加した。坂本は「トゥルファン出土の墓券と紙の利用について」と題する発表を行った。(S.N.)
6月16日(日)、高知大学朝倉キャンパスで中国四国歴史学地理学協会(2019年度研究大会)が行われた。本研究室からは博士前期課程の坂本直人が参加し、「唐代西州(トゥルファン)における墓葬について―トゥルファン出土の事件に注目して―」と題して研究報告を行った。(S.S.)
5月23日(木)・30日(木)、第二回卒業論文相談会が行われ、4回生6人が卒業論文に向けた作業状況を報告した。発表タイトルは以下の通りである。
5月16日(木)、東洋史研究室の新入生歓迎遠足およびコンパが開催された。今年は、姫路市に赴き、姫路城と好古園を見学した。まずは好古園を散策し、姫路城を借景にした日本庭園を楽しみ優雅な午後の一時を過ごした。続いて一行は姫路城を見学。堂々たる大天守を登りきったあとの眼下に広がる姫路市街の風景は格別であった。
遠足後は梅田のイタリア料理店にてコンパを開催。新入生の自己紹介に対して、上級生はキレのある質問を繰り出し、大いに盛り上がった。
この1日を通して研究室の親睦はさらに深まったことだろう。今後は各々が研究室ライフを楽しみながらも、切磋琢磨して研究に励んでいってほしい。(T. Y)
5月3日(金)、博士後期課程の遠藤総史が台湾の台北大学歴史学系にて研究報告(講演)「宋代朝貢与翻訳―宋代朝貢的特徴与其地域史的意義」を行った。この研究報告は、台北大学歴史学系に所属する山口智哉助理教授から依頼を受けて行ったものである。(E. S)
4月13日(土)、博士後期課程の遠藤総史が台湾の国立台湾師範大学にて研究報告「宋代朝貢与翻訳―宋代朝貢的特徴与其地域史的意義」を行った。質疑応答では、台北大学歴史学系に所属する山口智哉助理教授が通訳をしてくださり、台湾の宋代史研究界の先生方と有意義な意見交換をすることができた。(E. S)
4月3日(水)、東洋史研究室の新年度ガイダンスが行われた。今年度東洋史研究室には、新2回生5名と、研究生1名、新マスター3名が新たに加わった。(E. S)