実施予定
10月12日(土)若手発表、総会、一般発表、映画懇談会
10月13日(日)若手発表、一般発表、シンポジウム、ポスター発表、懇親会
10月14日(月)若手発表、一般発表
大阪大学中之島センター4階ギャラリーにて特別展を開催します。 ジョン・ラスキンは、美術家であるとともに社会福祉活動に力を注いだ人物であり、 本展覧会では、大阪ラスキン・モリスセンターの収蔵資料をとおして、 ラスキンの芸術への眼ざしや、社会への関わりや、環境保護への足がかりを明らかにします。 展覧会ではさらに、ラスキン設立による聖ジョージ・ギルドや、 日本のスタジオエルの取り組みに注目して、 ラスキンの思想がどのように社会活動へと波及してきたかを合わせて紹介します。 ラスキンの言葉 There is no wealth but lifeを基調として、現代社会を見直すきっかけになればと思います。
美学が芸術の哲学にとどまらず、自然環境や日常生活へとその対象領域を拡張するようになるにつれて、 あらためて「美的鑑賞」や「美的経験」とは何かが問われています。 そこで「美的」という表現について考える上で、カントによる美的判断力の批判を参照することにはいまでも大きな意味があります。 とはいえ「美の判断は関心を伴わない」「美の判断は主観的に普遍妥当的である」「美の学問はありえず美の批判だけが可能である」といった主張は、 容易に解きがたい問いを突きつけることでかえって「美的」という表現を使いにくくしているかもしれません。 今回、討議をつうじて「美的なもの」の新たな展望が得られれば幸いです。
2023年6月から福岡の社会福祉施設「JOY倶楽部・アトリエブラヴォ」とともに始まった「障害を持つ人々との映画制作プロジェクト」を紹介します。 このプロジェクトは、知的障害を持つ人々がクリエイターの支援を受け、映画の被写体としてではなく、 自ら映画を制作することを目指した取り組みです。その目的は、障害者みずから自分を表現する機会を持つこと、 そして、多くの人々が一人ひとりの障害者の感じかたに気づき、社会における障害の意味について考え、 障害の多様性に出会うきっかけとなることです。この機会に、 関係者と意見を交わし、社会福祉における映画のあらたな役割を見出したいと思います。
社会福祉の領域においてアートは、個人の心のケアや、社会包摂のように、何かの目的にたいする手段として語られがちですが、 アートはたんなる手段ではないという以上に、現実世界に生きる人々の活動のうちに融解しているという局面もあるように見受けられます。 本シンポジウム企画では、関係者との議論をとおして、何にもかえがたいアートの価値や、 アート作品と切り離しがたい作者の生や、社会活動そのものの魅力について考えながら、 幸福(ウェルビーイング)の意味について議論をおこないたいと考えています。 そしてこの議論をとおして美学のあらたな局面が切り開かれることを期待しています。
研究者どうしの交流をおもな目的として、ポスター発表会をおこないます。 発表者が5分程度で研究の紹介をおこなったあと、訪れた人と意見を交わすというセッションを繰り返すことで、 多くの研究に出会える場、多くの反応が得られる場、研究者どうし気軽に対話できる場としたいと思っています。 進行がかなり早く、議論を尽くすことができず、物足りなく感じられるかもしれませんが、 人の流れを活発にし、通常の研究発表とまったく異なった、対話の機会をもちたいと考えています。 進行中の研究の報告でもかまいません。若い研究者も、ベテランも、この機会をぜひご利用いただければと思います。