大阪大学西洋史学研究室

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『パブリック・ヒストリー』

◆◇ 『パブリック・ヒストリー』とは? ◇◆

 『パブリック・ヒストリー』(欧文タイトル:Journal of History for the Public)は、大阪大学文学部西洋史研究室の出身者(現役の教官・学生を含む)を中心として2003年に組織された大阪大学西洋史学会が出版する学会誌です。

■『パブリック・ヒストリー』創刊にあたって■

 西洋史学は、西洋における近代化の航跡を跡づけるという使命をもって生まれた学問です。明治以来の近代国家の建設において、そしてとりわけ第二次大戦後の日本の新出発に際して、人びとがいかなる方向をとるべきかを模索したときに、針路を提唱したのが西洋史学でした。このように西洋史学は、つねに時代の求めるところに応じてきましたし、それがまた、この学問の発展の原動力でもありました。
 しかし今日、西洋へのキャッチアップという課題はすっかり過去のものとなりました。むしろ、西洋を手本にするという、これまでの日本のあり方が、政治・経済・社会の各方面において問われているのが現状です。そこで、西洋史学はどんな役割を果たすべきなのでしょうか。
 われわれの出した答えが、この雑誌です。『パブリック・ヒストリー』の名のとおり、歴史の研究、歴史への思索を、もう一度改めて社会のなかに投げ返すことで、新しい刺激を汲みとっていこうと考えています。激動する社会のただなかに身をおいて歴史を考えていく─この姿勢でもって、われわれは西洋史学の新しい船出を行おうと考えています。
 船出には、期待と不安とがつきものです。とくに、これからの大学を取りまく環境の激変を考えると、はたして時代の高波を無事に乗りきっていけるのか、懸念は少なくありません。しかし、危機の時代は、裏返せばチャンスの時代でもあります。波の方向をしっかりと見すえることができるなら、波が高いほど、大きな飛躍が可能になるはずです。
 『パブリック・ヒストリー』が、学問と社会をつなぐ新しい試みとして、現代と将来に大きな貢献ができると確信しています。

大阪大学西洋史学会