国際シンポジウム“Burial Mounds in Europe and Japan: Comparative and Contextual Perspectives”参加記
墳丘墓の日欧比較
福永伸哉を代表者とする科研基盤(A)プロジェクト「日本古墳研究リソースを活かした墳丘墓築造と社会関係の国際研究展開」の一環として、2015年11月4日から6日にかけてテュービンゲン大学(ドイツ)にて「Burial Mounds in Europe and Japan: Comparative and Contextual Perspectives」を開催しました。シンポジウムには日本側に加え、ドイツ、イギリス、スイスの研究者も参加しました。 墳丘墓を専門とする考古学者に、調査手法発達の歴史をはじめとして、墳丘墓と階層化との関係や、墳丘墓を含めた景観考古学、権力と儀礼のシンボルとしての墳丘墓など、多岐に亘るテーマの発表をして頂きました。その中で墳丘墓と社会の関係について、刺激的な議論も行うことができました。あわせて会場では大阪大学の大学院生によるポスターセッションを行い、日本における古墳の発掘調査例を紹介しました。 今回のシンポジウムを通じて、ヨーロッパ各地の考古学に関する基礎情報を得たのみならず、日本考古学を世界史の中でどのように相対化すれば良いかを深く考えることができました。
また、滞在中には、中央ヨーロッパ最大の城塞集落であるハイデングラーベンや、長年継続的な調査が行われている城塞集落ホイネブルク、ドイツ鉄器時代を代表する大型墳丘墓のホーミヒェレやマグダレーネンベルグなど、ドイツ鉄器時代を中心とした著名な遺跡を見学しました。 遺跡現地の見学のほか、Magdalenenberg-MuseumやWurttemberg State Museum、The Museum of the University of Tubingenにおいて墳丘墓出土資料などの熟覧を行い、ドイツ鉄器時代文化やドイツにおける博物館展示の方法について知見を深めました。




