学部

大学院

教員

哲学哲学史

舟場 保之(ふなば やすゆき)教授

【専門】

ドイツ観念論の先駆者にして、現代哲学においてもなお多大な影響を及ぼし続けるカントを研究するとともに、「時代の子」でもあるカントを批判的に受容するハーバーマスらのコミュニケーション論を研究対象としています。

【メッセージ】

現在、啓蒙主義や原理原則主義の評判はあまり芳しくありませんが、しかしこれらがいまだかつて徹底されたことのない言説空間においては、その有効性はなお疑う余地がありません。では、どのような形でこれらに妥当性をもたせることができるのかという問題を、カントやカント的な現代思想を手がかりに考えてゆきたいと思います。
オフィス・アワー:月・火曜日18:00-19:00

嘉目 道人(よしめ みちひと)准教授

【専門】

超越論的語用論と討議倫理学、およびフィヒテの哲学

【メッセージ】

カール‐オットー・アーペルが提唱した超越論的語用論は、物事の真偽も正/不正も、すべて論証的討議によってのみ決まるという立場を取っています。言語に媒介された文化の相対性/多元性/多様性という視点からは槍玉に挙げられることが多いですが、しかし言語文化が多様であるという事実と、それらが共生すべきであるという規範はイコールではありません。その規範を正当化するためにも、論証的討議という共通の基盤を想定すべきではないかと考えています。この考えに基づいて、超越論的語用論およびその倫理学部門である討議倫理学、また思想的源流と言えるフィヒテ哲学の研究に取り組んできました。討議のパートナーとして友好的に、しかしあくまで相互批判的に論じ合える仲間を求めています。
オフィス・アワー:火・水曜日17:00-18:00

三木 那由他(みき なゆた)講師

【専門】

分析哲学、特に言語とコミュニケーションの哲学

【メッセージ】

何かを言うことで何かを意味し、それを聞いたひとがそれを理解して、さらなる何かを言い、さらに……。私たちはふだん当たり前のようにそんなことを繰り返してやり取りをしていますが、ふと立ち止まってその営みに目を向けたら、なんとも不思議なことをしている気がしませんか? いったい「意味する」とは何なのか、それを理解するとは何なのか、それによって私たちは具体的には何を成し遂げているのだろう? 私の主要な関心はそうした問題にあります。ここから派生するかたちで、言語について、心について、社会についても考えています。同じような関心をお持ちのかた、関心は重なっていないけれど何かしら話してみたいというかた、どうぞお気軽に部屋をお訪ねください。
オフィス・アワー:水曜13:30-15:00

安西なつめ(あんざい なつめ)助教

【専門】

西洋哲学、医学史

【メッセージ】

初期近代の医学書、解剖学書を資料として、デカルトによる機械論提唱以降の人体の理解を考察します。西洋では16世紀に解剖学が興隆し、人体に関する理解が急速に進みました。またデカルト以後の17世紀後半の医学書では、人が知覚し、感覚し、運動するとき、あるいは病気になり死に至るとき、人体内部で何が起きているのかが機械論の影響下で説明されるようになりました。「人は人をどのように理解してきたのか」。哲学と医学両分野にまたがる諸課題の解明に向けて、実際の解剖経験をもとにテキストを読み解きます。
オフィス・アワー:木曜日13:30-15:00

現代思想文化学

望月 太郎(もちづき たろう)教授

【専門】

フランスを中心とした近代哲学史、現代思想文化。

【メッセージ】

新自由主義のグローバリゼーションに対抗する「もうひとつの世界」を構想し、行動する人びとのためのオルターグローバリゼーションの思想の研究を中心に講義・演習と研究指導を行います。現代の課題として解決すべき問題は、根本的には3つしかありません。それらは、平和、貧困、環境です。地球上から戦争をなくすこと、経済的不平等を緩和し貧困を根絶すること、そして人類を含む生命体が存続可能な環境を守ること、これらの問題に解決策を提供しえないような哲学は、単なる知的な遊びにすぎない、無意味なものであると考えるにいたりました。大学から外へ出て、市民運動とのかかわりのなかで、いま思想とは何かを体験的に考えることをめざしています。思想をもって生きることが困難な時代ですが、みなさん、希望をもっていっしょに行動しましょう。
オフィス・アワー:春夏学期/水曜日13:00-14:30、秋冬学期/水曜日10:30-12:00

中村 征樹(なかむら まさき)准教授(兼任)

【専門】

これまで、科学技術と社会をめぐる問題について、科学技術と社会とのコミュニケーション、科学技術への市民参加、科学技術倫理、ユニバーサルデザインなどに着目して考えてきました。また、科学と公共性や科学的知と権力をめぐる問題、技術的知識・技能知のありかたなどについても、思想史的・歴史的なアプローチを援用しながら研究してきました。今後、これまでの研究を引き継ぎながら、市民社会・地域コミュニティに根ざした科学技術や学問のありかた、そして、そのような知を生産する大学・高等教育機関のありかたについても検討していきたいと考えています。

【メッセージ】

現代社会について考えるにあたって、科学技術をめぐる問題を無視することはできません。たとえば先端医療や生命科学における研究の進展は、「生きること」や「人であること」の理解にも大きく影響を与えるようになっています。また、社会的に論議を呼ぶ問題では、科学者や技術者といった専門家だけではなく、市民を含めたさまざまな関係者が、それぞれの立場・観点から、一緒になって問題を考えていくことが必要になってきています。 科学技術と社会の界面で発生している諸問題や、科学技術への市民参加、科学技術をめぐる公共討論のあり方など、科学技術をめぐるさまざまな課題について、あるいはより広く、現代社会における「知」をめぐる問題について、みなさんと一緒に考えたいと思います。そのような場面でこそ、哲学・思想の真価が問われてくるのだと思います。既存のディシプリンンにとらわれず、柔軟な思考、大胆なアプローチのできる人を求めています。
オフィス・アワー(全学教育推進機構 総合棟5階 501号室):春夏学期/火曜日14:40-16:10、秋冬学期/火曜日16:20-17:50

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