【目次】
・研究交流ワークショップ「横断するポピュラーカルチャー」第1回2008/3/8のレポート
・記録映画『地下広場』上映会+講演会2008/3/9
・レクチャー「メディアのオルタナティヴ」2008/7/11
・ワークショップ/討議「文化における違法と表現の自由」2008/9/19
・公開研究会「芸術と社会(学)」2008/11/1
・共有の空間をつくる実験〜「ちっちゃい火」を囲む2008/11/28
・「ポピュラーカルチャーのなかのオウム真理教/事件と宗教研究」2009.2.17
・「日本の大衆文化と在日コリアン 〜芸能・大衆文学・スポーツ界を中心に」(コンフリクトの人文学セミナー第27回)2009.2.20
・研究交流ワークショップ「横断するポピュラーカルチャー」第2回2009/3/14
・GCOE「コンフリクトの人文学」クロスワークショップ『チェコ映像文化の夕べ』2009/6/29
(関連イベント)「オス!オラ、○○」「ワシが博士じゃ。」役割語解体分析 Scienthrough企画 6月のサイエンスカフェ2009/6/30
・日本学方法論の会 シンポジウム「いま、指紋押捺を再考する」2009/7/15
・「思想を我らに―大討論会」2009/8/6
・「芸術社会学研究会」公開研究2009/11/07
・「歌の人間学とコンフリクト〜コール&レスポンスから」コンフリクトの人文学セミナー(佐藤壮広氏)2009/12/05
・毛利嘉孝氏と考える文化と運動2009/12/12
・「共に考えることについて:研究機械の場所と運動」(コンフリクトの人文学セミナー)2009/12/19
・「琉球の身体とは何か〜踊ることは研究すること/研究することは踊ること」(コンフリクトの人文学セミナー)2010/1/15
・共有の空間をつくる実験「ちっちゃい火」を囲む2010/1/29
・渡辺順一氏(金光教羽曳野教会長・大阪希望館)セミナー2010/02/20
・研究交流ワークショップ「横断するポピュラーカルチャー」第3回2010/03/20
・展覧会 抵抗を縫う――チリのキルトにおける触覚の物語2010/10/12
・上野俊哉氏講演「ディアスポラと世界市民主義」(第59回コンフリクトの人文学セミナー)2010/12/03
・公開参加型ワークショップ“Rhythm Science”2010/12/04
・共有の空間をつくる実験〜「ちっちゃい火」を囲む2011/1/28
○2008年3月8日(土)に、大阪大学豊中キャンパスで行われたワークショップのレポートです。
G-COEワークショップ「横断するポピュラーカルチャー」報告
〜ポピュラーカルチャーとコンフリクト〜このワークショップの【開催趣旨】は以下の通りです。
「ポピュラーカルチャーとコンフリクト」をテーマにした研究ワークショップを、下記の要領で開催します。このワークショップでは、「ポピュラーカルチャーと学問」、そして「ポピュラーカルチャーと社会運動」をめぐるコンフリクトに焦点をあてます。
〈セッション1〉では、ポピュラーカルチャーが対象としてアカデミズムの場に登場し、研究が進んだ現在だからこそ見えてきた問題を明らかにしていきます。〈セッション2〉では、ポピュラーカルチャーが社会に与える影響を、社会運動の中に見られる文化表現を通して考えます。それらを踏まえて、〈セッション3〉では、「ポピュラーカルチャー研究」の新たな可能性を探ってゆきます。
報告者、コメンテーターだけでなく、参加者が一体となって議論(おしゃべり)を行います。
以下、【プログラム】に沿って、当日の様子をレポートします。
〈セッション1〉
「対象としてのポピュラーカルチャー:ポピュラーカルチャーと学問が出会うとき」
報告者・報告タイトル:
真鍋昌賢(大阪大学助教)「『客』はいかにして可視化できるのか−芸能の受容史・試論−」
田中東子(大学非常勤講師)「Girl meets the Political:ポピュラー文化の中に浸透するフェミニスト思想」
吉村和真(京都精華大学准教授)「『マンガの影響力』を問い直す―マンガリテラシーの習得過程―」
コメンテーター:冨山一郎(大阪大学准教授)
コーディネーター・司会:東園子(GCOEリサーチ・アシスタント)
<レポート>
ポピュラーカルチャーが学問の対象となるとき、一体どのようなコンフリクト(摩擦・葛藤)が生じるのか。そのことは学問の世界に何をもたらすのか。第1セッションはこのようなテーマについて、3名の方に研究活動上の経験も踏まえながら報告していただいた。
歴史学の中の大衆芸能史は、ポピュラーカルチャー研究の先駆け的な存在と言うことができるだろう。浪花節など語り芸の研究をされている真鍋昌賢氏は、「「客」はいかにして可視化できるのか ――芸能の受容史・試論」という題目で報告をされた。まず、芸能史においては文献史学的な手法にそぐわないため受容に関する研究が停滞しているが、「客」の存在に芸能成立の根拠を置く折口信夫の議論など、これまで観客論の必要性がたびたび主張されてきており、受容=テクストの意味生産の問題を問うことは文化の研究の重要な場であることを指摘された。次に、有名な講談師のニセモノの公演風景を描いた戦前のエッセーを取り上げながら、言説や史料が乏しく、独創性を欠き本物でないという、学問の領域では研究対象として低い価値しか与えられないようなニセモノの芸だからこそ見えてくる、当時の大衆芸能を取り巻く社会的状況や観客の姿があることを示された。
ポピュラーカルチャーと「政治」の関係は、社会運動を対象の一つとする当研究班にとってとりわけ重要な問題である。政治学という領域で女性のサッカーファンやコスプレをする女性たちの研究に取り組んでこられた田中東子氏は、「Girl meets the Political ――ポピュラー文化の中に浸透するフェミニスト思想」という報告をされた。田中氏は、ご自身がポピュラーカルチャー研究を行うまでの過程をたどることから話を始められた。大学入学当初からポピュラーカルチャーと女性の関係を政治学の問題として扱いたいという希望を持ちながら、90年代半ばの政治学には手を出しづらい雰囲気があったのが、日本でもカルチュラル・スタディーズや新世代のフェミニズム研究が広まるにつれ、女性とポピュラーカルチャーについて話すことへのためらいから解放されていったという。そして、ポピュラーカルチャーに注目する第三波フェミニズムの見識を紹介しながら、日本のポピュラーカルチャーの女性ファンの現状についてお話をされた。
ポピュラーカルチャー研究に携わる人が増え、学問の世界で認められてくるようになるにつれ、制度化など様々な問題がともなってくる。マンガが学問の対象となる過程に最前線で関わってこられた吉村和真氏は、「「マンガの影響力」を問い直す ――マンガリテラシーの習得過程」という報告をされた。まず、1990年に大学に入学されたご自身が目の当たりにされてきた、1990年代からのマンガ研究の急速な広がりの背景について説明された。マンガをめぐる議論は戦前から存在していたが、マンガの社会的な位置づけは現代に至るまでに大きく変わった。それは、マンガそのものではなく文化の範疇や文化を扱う手つきの変化でもある。その中で、現在どのような視点からマンガについて問うべきかをお話され、大学の中でマンガを論じることの制度的な敏感さを持ち続けることの重要性を説かれた。近年大学でマンガが論じられることが珍しくなくなった状況に危惧を覚えており、マンガを論じることへの問い直しはやめるべきではないと主張された。
コメンテーターの冨山一郎氏は、御三方の話がいずれも客・ファン・読者という受け手の集団を取り上げていることを指摘され、それらを政治的な集団の持つ性質と対比された。そして、そのような「無自覚」で「予想だにしない」集団が生まれてきた背景や意味を考えることは、研究者やその研究自体が不安定さを抱えながら対象と関係を生成する過程でもあるのではないかとコメントされた。
会場からは、興行そのものがニセモノと親和性があるのではないか、サブの中でメイン化するものをどうとらえればいいか、ニセモノに対する観客の寛容性はいつの時代までさかのぼれるのかという質問が出た。
御三方の報告は世代的な近しさもあるのか、冨山氏が明確にされたように共通性の多いもので、非常に興味深かった。このセッションを通して、ポピュラーカルチャーを研究することはこれまで学問が問うてこなかった問いを考えることであり、それは研究という行為そのものも新たな要素を抱え込むものではないかと感じた。これからのポピュラーカルチャー研究や当研究班の方向性に対する示唆に富んだ、実りの多い時間だった。
(東 園子)
〈セッション2〉
「関係としてのポピュラーカルチャー:社会運動と文化表現」
報告者・報告タイトル:
成定洋子(中京大学非常勤講師)「運動と労働の間で ――女性センターの場合」
鳥山淳(琉球大学非常勤講師)「沖縄の歴史経験を記録する場から、文化と労動を考える」
コメンテーター:藤井たけし(失業者/歴史問題研究所研究員)
コーディネーター・司会:上地美和(GCOEリサーチ・アシスタント)
<レポート>
第2セッションは、「関係としてのポピュラーカルチャー:社会運動と文化表現」をテーマに、2名の報告者と、1名のコメンテイターをお招きし、社会運動や文化表現が、ポピュラーカルチャーとどのような関係にあるのかについて、議論しました。
* * *
第一報告者の鳥山淳氏は、「沖縄の歴史経験を記録する場から、文化と労働を考える」というテーマで、2007年4月の「集団自決」をめぐる教科書検定に対する沖縄での抗議を事例に、文化/研究/運動の関係について報告されました。沖縄で抗議が起こった背景には、『沖縄県史』(1971)をはじめとする歴史経験の記録が、沖縄戦に関しても体験者だけでなく、聞き手・読み手を巻き込んで行われてきたこと、そしてその「体験」が社会を動かすような土壌を形成してきたことが指摘されました。公的事業であり、文化/研究/運動であった「地域史」が「沖縄研究」の裾野を広げ、「体験」の共有を可能にしてきたのです。しかし他方で、それらの事業は「期限付き」であり、それを担う人々のほとんどは、不安定かつ低賃金で働くことを余儀なくされました。その上、調査・編集・発刊作業を担っているにも係らず単なる情報提供者となり、片手間で参加する委員(主に大学教員)が歴史を語るという関係になってしまっています。また、近年の財政危機によって、事業削減・事業打ち切りなどが起こり、「沖縄研究」は一時的なブームで終わってしまうのかという危惧すら生まれています。そこから労働の場で生起しているこのようなコンフリクトを、文化/研究/運動という観点からどう考えるべきかという問題提起がなされました。
* * *
第二報告者の成定洋子氏は、「運動と労働の間で――女性センターの場合」というテーマで、女性センターでの労働経験から、働く現場で起っているコンフリクトについて報告されました。センターは館長、県庁の出向職員、嘱託職員によって運営されており、嘱託職員が多数を占めています。そのような状況の下、職員の間で、日常的な労働(服装やお茶汲みやジェンダーの知識のあり方など)を通して、「非フェミニズム性」(行政に対して従順な労働者)/「フェミニズム性」(反権力的な労働者)を識別することで、インフォーマルなグループが出来あがってしまったそうです。嘱託職員はフェミニスト性を通そうとすれば管理者側から抑圧され、仕事を熱心にこなそうとすれば、結果的に従順な労働者になってしまうというジレンマに陥っており、これがインフォーマルなグループを形成していたのです。このようなジレンマの背景には、嘱託職員という不安定な位置づけと、講演会の開催などを通して、規格化されたアカデミズムに依拠するフェミニズムがありました。それゆえ、このジレンマを乗り越えるためには、アカデミズムの知識を個別の文脈において捉えなおすべきではないかと指摘されました。
* * *
以上の報告に対して、コメンテイター藤井たけし氏は、研究者として、あるいは女性センターの職員として、地域の人々とどのようにして関係を築いていくかについてコメントされました。藤井氏は韓国の事例を挙げ、手弁当で歴史を掘り起こしていく作業のなかで、'80代以降の民衆史の主語が「彼ら/彼女ら」ではなく、「私たち」となり、自分達のものとしての歴史を書くようになったとのことです。このような視点から、行政に頼らない研究のあり方を模索する必要性が指摘されました。いわば専門家として確固とした権威を有する行政やアカデミズムに関係する不安定な賃金労働者という微妙な立場から、現場に向き合って文化表現を行うときに直面するコンフリクトをどう問い直すべきかが問われたと考えます。
会場からのコメントでは、'80、'90年代、運動が仕事になるという疑問から、政策の中に運動の論理が入りきらない以上、これらを分けて考える必要性を指摘するものもありました。他にも多岐に及ぶコメントや質問がありました。GCOEに関してもしかりですが、研究と労働、労働と賃金、さらには生きがいまでも含めて、研究や運動、文化表現が、どのようにポピュラーカルチャーと関りえるのか、何がどのようにポピュラーカルチャーになりえるのか、ということを模索できたセッションだったように思います。
(上地 美和)
〈セッション3〉 15:00〜17:00
「全体討論」
問題提起:
久保田美生(GCOE特任助教)「大学と『その外部』のコラボレーションから何をつくるか」
金友子(きむ・うじゃ)(立命館大学国際言語文化研究所客員研究員)「立ち止まって考えること、歩きながら考えること」
討論者:金水敏(大阪大学教授)、伊藤公雄(京都大学教授)他、参加者全員
コーディネーター・司会:古川岳志(GCOE特任助教)
<レポート>
最後のセッションは、特定のテーマを設けない「全体討論」として参加者全体の意見交換を行った。このワークショップは、当プロジェクトの実質的な活動開始を告げるスタート企画であった。この最初の機会に、前のCOE(『インターフェイスの人文学』)において残された課題を確認し、「大学」という場所で「研究する」ことの意味について再検討する議論をしておきたい、と考え、このような場を設定した。第1部、第2部のレポートにもあるように、今日、「大学で研究すること」の自明性はゆらいでいる。近年では珍しいものではなくなったポピュラーカルチャーという研究テーマの設定は、「研究に値するものとは何か」という問いを常に呼び起こすし、また、「大学で研究すること」が研究対象に対して持つある種の権威性への反省も求められるものであろう。その一方で、今日、労働市場が流動化し、不安定な雇用関係で働くことを余儀なくされる人々が増加している中、大学という場所自体がまさにそのような不安定労働の場となっているという問題もある。研究者の多くが、非常勤・契約・任期付きなど、不安定な雇用関係のもとにおかれるようになり、「研究」実践の「労働」としての側面へも問題意識を持つ必要が出てきている。
他のセッションとは違い、ここでは、報告者ではなく「問題提起者」という形で、二人のスピーカーに発言していただいた。お二人とも、大学という場所に、マージナルな形で関わってこられた方である。企画者側からは、「普段考えていることを話して下さい」というような漠然とした依頼しかしていない。それぞれの関わり方から見えた問題点を共有することで、今日の、「大学/研究」が抱える課題を再考したいというねらいであった。
久保田美生さんは、「大学と『その外部』のコラボレーションから何をつくるか」というテーマで、前COEでのご自分の活動を通して感じられた課題、問題点について指摘された。
近年、多くの大学で「市民社会との連携」がうたわれている。「インターフェイスの人文学」と銘打たれた前COEでも、「社会連携型の新しい人文学を創出する」という目標が掲げられていた。その理念の実現を目指し文学研究科の中に作られたのがメディアラボという場所だった。久保田さんは、そこでメディアスタッフとして勤務し、COEの研究実践に関わってこられた。同時に、recipというNPOでメディア実践の活動にも従事してきた。今日、NPOは、連携すべき「外部」として「大学」が真っ先に念頭におく市民セクターとなってきている。連携はもちろん有意義なのだが、そこには注意すべき問題点もある、と久保田さんは指摘する。それは、大学の持つ「知の権威性」により、NPOが「下請け的」役割を担わされ、大学側からの「知」や「労力」の草刈り場になってしまう、という危険性があるということだ。コラボレーション(=協同作業)を掲げながら、「外部」を「大学」に取り込む結果になってしまっているのではないか。そのような問題は、たとえば、メディアラボでの研究活動の中にも見えた、と久保田さんは言う。前のCOEにおいて、「若手研究者集合」という研究プロジェクトがあり、そこでは、異分野研究者間の共同研究の可能性について議論を重ねてきた。専門分野の違いが生む「通じ合わなさ」そのものを問うプロジェクトであった。久保田さんは、そこで議論、討議空間の構築および記録に関わる実践で役割を果たした。しかし、いわゆるアカデミックな経歴を持たないスタッフは、「メンバー」として他の研究者に認識されにくかったという。具体例としては、一緒に関わった活動であるにもかかわらず「名前」が外され、その「業績」が「研究者」の仕事としてのみカウントされるというような。
久保田さんは、「大学」には、権威の自覚が必要だ、と指摘する。外部に開かれた、ということは、権威が無くなったということではなく、権威が発揮される機会が増えたということでもある。しかし、「大学」の権威に対して、「現場の知」という別の権威を持ち出してきても、この問題は解決しないだろう。これまでは、こんな公開講座が開かれました、こんなコラボレーションが生まれました、というように成功例ばかりが「成果」として宣伝されてきた。開かれることには、やはり意味があるのだから、これからは、「うまくいかなかったこと」についても、積極的にオープンにしていくことが求められるのではないか。それが繰り返されていく中でこそ、本当の意味のコラボレーション(=協同の知)という<新しい知の形>が見えてくるのではないか、と提案された。
続いて、きむ・うじゃさんは、「立ち止まって考えること、歩きながら考えること」というタイトルで、近年の大学の現状と、その矛盾について、また、大学以外の「考える場所」として自身もかかわりをもった韓国の「研究空間<スユ+ノモ>」についてお話された。
大学は、今、3分の1が非正規雇用者によって運営されている。大学が、外部とつながる、つなげる、というよりも、まさに大学こそが社会の縮図になってきているのだ。そこでは、就職のための資格取得のための教育がなされている。英文学を読むためではなく、TOEICで良い点を取るための英語教育、というように。大学が、単なる就職のための資格取得機関であってはならない、と考えている自分が、まさに、その大学に就職活動をしている、ということ。その矛盾に疑問を持つようになった、ときむさんは言う。
研究と労働。第二セッション以降、そしてこのセッションでのテーマにもなっているこの問題についての議論は、「いかにしてお金を引っ張るか」という方向に偏ってしまっているのではないか、ときむさんは指摘する。仕事を、そして、正当な賃金を求めることは、もちろん大事だが、発想の転換も必要なのではないか。たとえば、「より少なく使う、少ないお金で研究をしていく」というスタイルへの転換のように。きむさんが、そのような発想になったきっかけは、自身が体験した、韓国の「研究空間<スユ+ノモ>」での実践だったっという。
きむさんは、2004年から2年間、韓国に留学し、<スユ+ノモ>での生活を体験された。<スユ+ノモ>は、およそ10年前にワンルームマンションの一室からスタートした、ソウル市にある民間の研究所である。さまざまなジャンルの研究者や、映画を作っている人などが集まる研究共同体として機能しているという。現在は、10室以上の場所に拡大していて、勉強部屋でもあり、また、カフェもあり、食事も30人分作られる、生活共同体でもある。この場所は、分業を拒否する、というコンセプトのもと特定の担当をおかないやり方で運営され、それによって、たとえば1食約200円で食事ができる、などお金を使わない生活をすることが可能になっているという。<スユ+ノモ>に来れば、たくさんの本も自由に読め、食事もでき、何かやってみたいことがあれば、共同でできる仲間もいる。もちろん、問題もあったという。人間関係のもつれで離れる人も出るなど。が、ここには、「失敗してみせようじゃないか」という一種のノリがあるのだという。
大学をめぐる事情も大変似ている、すぐ横の国に、このような場がある、ということは、自分たちの足元を考え直すきっかけになるのではないか、ときむさんは言う。自分は、何のために研究をしたいのだろうか。そのために、本当に必要なことは何なのだろう。そこから考えなおすことが必要なのではないか、と提言された。
お二人の話を受け、最初にコメントしたのは、金水敏さん。議論の流れ上、「大学側」の人として返答をする立場になり、そのような立場で意見を言うことの困難さについて、最初に話された。金水さんは、大学としても、やはり、「より良くしたい」と考えているのだと述べられた。大阪大学のコミュニケーションデザインセンターのセンター長として、外部とのコラボレーションの企画の責任者をされている。たとえば、久保田さんのお話にあったような、技術スタッフとの関係の難しさというのも自覚している。<スユ+ノモ>については、大学の原初の姿を見る思いがした、と話された。
続いて、伊藤公雄さんは、GCOEという文化政策には、「大学院生を食わせる」公共事業としての意図があると話された。戦後日本の大学の姿を振り返ると、70年代くらいまでの「自治」が強調される時代から、80年代以降、産学共同が叫ばれる時代へと変化した。それ以降、「市民に開かれないといけない」ということも強調されるようになったという。学生運動時代、バリケードの中は、まさに<スユ+ノモ>のような状態だった。こういう状況で、何か楽しいことはできないか、と模索しているところだ、と述べられた。研究者の役割には、「理論的なブレイク・スルーをなすこと」「調査者」「政策提言」などが考えられるが、もう一つ「コミュニケーター」という役割もあるのではないか。困難はありながらも、持続するコミュニケーションが、そのプロセス自体が大事なのではないか、と話された。
NPOrecipの理事でもあり、自身が、本GCOEで非正規雇用研究者の立場にある吉澤弥生さんは、お二人の批判を大学の中で「私たち」が受け止めることの大切さを指摘された。また、NPOについて。吉澤さんにとって、そこは、大学の外部にも研究ができる面白い場所があることを気づかせてくれる貴重な場であったが、一方で、久保田さんが指摘したような問題が起こりやすい場でもあると指摘された。NPOは、参加者の自発性に依拠して運営されているため、そこでの労働は、非常に搾取されやすいという問題があると述べられた。
その他、フロアーから数多くの意見が出た。堀江有里さんは、「大学か、外か、の2者択一ではなく、その間でこだわることが必要なのではないか。近年は、大学院生同士が競争をさせられ、他人の研究をリスペクトできないような関係になってしまっているのは、問題ではないか」と話された。また、第1部で報告された吉村さんは、「大学がポピュラーカルチャー化しているのでは」と指摘された。
きむさんによれば、このワークショップのまさに次の日に、立命館大学のGCOEでも、「博士の生き方」に関する討論会が企画されていたという。大学が、権威の場であること、その一方で、社会の縮図としてさまざまな社会問題の現場でもあること。「ポピュラー」な「カルチャー」を「大学」で考える、というとき、やはり、このような自己言及的な問題を避けて通ることはできないだろう。このセッション自体、何らかの「結論」や、いわゆる「成果」が出るようなものではなかったかもしれないが、このような研究の場自体が、全体のGCOEにおけるテーマである「コンフリクト」を孕んだ場であることを再確認する貴重な機会だったと思う。困難さを自覚しつつコミュニケーションを継続させていくことには、やはり意味があるのではないか。そのための場として、今後も「交流ワークショップ」を続けていきたい。
(古川岳志)
※注意:このページの情報は、イベントの公式報告ではありません。
○2008年3月9日(日)には、以下のようなイベントが開催されました。
記録映画『地下広場』上映会+講演会
記録映画『地下広場』(Underground Plaza)とは…
1969年2月から、新宿西口の地下広場に反戦を訴える「フォーク・ゲリラ」と呼ばれる若者たちが立ち始めた。そこに次第に市民や学生が加わり、いつしか「広場」は「通路」と名を変えた。やがて警官隊と群衆が激突し、街は市街戦の様相を帯びてくる。
(大内田圭哉監督/1970年製作/モノクロ/84min./16mm)
しかし、うたはまた、きわめて個人的な感情を喚起するものでもある。のどを震わせ肩を揺らしてうたうという行為の強烈なまでの身体性は、特定の集団の枠に収まりきらない多様な感情を引き起こす。サウンドデモなど、文化的側面を強調した運動のスタイルが広まりつつある今日、同じうたの下に集う、多様な身体、多様な感情こそを、今一度考えてみるべきではないだろうか。
今回、運動におけるうたの実践を記録した貴重な映画『地下広場』を上映する機会に恵まれた。うたが運動との関係性において何を生成しうるのか、考えてみたい。
日時:2008年3月9日(日)10:00〜16:00
当日のスケジュール
10:00〜 はじめに
10:10〜 上映開始
13:00〜 ゲスト、毛利嘉孝氏による講演
講演後、映画に関して自由にディスカッション
16:00 終了予定
場所:PLANET studyo plus one(大阪市北区中崎町2丁目3-12パイロットビル2F)
地下鉄谷町線中崎町駅2番出口より徒歩1分
ゲスト:毛利嘉孝氏(東京藝術大学准教授)
運動の現場において音楽などあらゆる文化表現がどのように表出し、また何を成しうるのか、文化研究の見地からお話いただきます。
主催:大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学」
担当 上地美和(当プロジェクト/リサーチ・アシスタント)、田中菜穂子(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程)
(当日の様子)
メディアのオルタナティヴ
フランコ・ベラルディ(ビフォ)/(イベントは終了しました。)
アウトノミア運動のスポークスマンとして知られたフランコ・ベラルディ。
イタリア初の自由ラジオ「アリーチェ」以来、ガタリとの協働を経て、最近のtelestreet.it やrekombinant.org に至るまで、つねに現代メディアと生活文化を刺激してきた実践的思想家の初来日。この夏、東京、北海道、大阪と移動したかれの眼は、現代日本にどのような絶望と希望を見いだすか?
日時 2008 年7 月11 日(金) レクチャー 18:00 - 19:30 交流会 19:30 - 21:00
場所 NPO法人 記録と表現とメディアのための組織 [remo]
チラシのダウンロード
住所:〒533-0033 大阪市東淀川区東中島4-4-4-1F
tel+fax: 06-6320-6443
アクセス:JR新大阪駅東出口より徒歩7分/地下鉄御堂筋線新大阪駅徒歩12分
(JR新大阪 東出口に向かってください。)
阪急崇禅寺駅より徒歩7分
*本企画は、「Alternative Media Gathering 08 芸術、研究、労働の不安定を希望に。希望を文化に。文化を生活に。生活を運動に!」および「C.G.I.F | G8対抗国際フォーラム」関連イベントのひとつです。
*主催: 大阪大学グローバルCOEプログラム「文化芸術の公共性と社会的コンフリクトの研究」、+「横断するポピュラー・カルチャー」,NPO法人 記録と表現とメディアのための組織 [remo]
*協力: 大阪市立大学都市研究プラザ
*お問い合せ:吉澤弥生(大阪大学GCOE特任研究員)yoshizawa AT hus.osaka-u.ac.jp (ATをアットマークに変換してください)
(参考リンク)
フランコ・ベラルディ(ビフォ)氏の邦訳論文「今日オートノミーとはなんであるか?/ネット文化、ニューメディアと社会的身体」はこちらで読めます。(English version)連続公開ワークショップ「文化における違法と表現の自由」の第一回を、以下の要領で開催します。テーマに関心をお持ちの方でしたら、どなたでも参加できます。(参加費無料・事前登録不要)
日時 2008年9月19日(金曜日)午後2時より
場所 大阪大学豊中キャンパス 待兼山会館二階会議室
第二部 映像 フランコ・べラルディ『Freedom+Media 自由のメディア』(制作 久保田美生)
主催 大阪大学GCOE「コンフリクトの人文学」RF「横断するポピュラーカルチャー」/大阪大学文学研究科「国際現代文化研究ハブ」
お問い合わせは次のアドレスまで。crossing-popularculture(@マーク)let.osaka-u.ac.jp(カッコの部分を@にしてください。)
第一部では、今回のワークショップの提案者でもある小倉利丸さんから問題提起をしていただき、その後、参加者全体で議論を行いたいと思います。議論の中で、今後のワークショップの具体的な内容も決定していきます。
以下に、小倉さんの書かれた「提案概要」の一部を掲載します。
ワークショップ「文化における違法と表現の自由」の提案概要
小倉利丸(富山大学)
文化における違法性、あるいは文化的な表現行為の犯罪化は、サブカルチャーやカウンターカルチャーの分野では常に主要なテーマとなってきた。今回の研究会では、なかでも法的な取締り対象となっている以下の文化表現(ライフスタイル)をとりあげて、文化表現の違法性、犯罪化を批判する理論的思想的な観点の模索を試みたい。
1. とりあげてみたいテーマ
(1)著作権
音楽、映画、テレビドラマ、コンピュータソフトの無許可による複製の歴史は長く、それ自体は新しい現象ではない。しかし、以下のような新しい状況が生まれてきた。
・DJ文化の定着。音源のサンプリングや「引用」が新しい文化的な表現の地位を確立した。
・インターネットの普及にともなうネットを利用したデータ共有の普及。
・国境を越えた著作物の非正規流通。移民文化。先進国の映画、ドラマの第三世界への伝播。
・他方で、多国籍企業や先進国は、第三世界の種子や自然資源に知的所有権や生命特許を設定したり、医薬品に特許を設定するなどを通じて、知識の囲い込みと独占を進めてきた。こうした知識の囲い込みを支える国際的な枠組みとしてWTOや世界知的所有権機関WIPOが機能してきた。
(2)ドラッグ
ドラッグカルチャの歴史も古い。最近は、レイブパーティが普及しマリファナの自家栽培が拡がってきた。やくざなどの犯罪組織による売買とは別に、若者文化のなかでの受容がひろがっているように見える。レイブパーティやクラブカルチャーは(1)のDJ文化とも密接に関わる。警察の取締りは強化されており、今年にはいって、8月には群馬県水上のレイブパーティで14名が逮捕されている。レイブパーティなどに関わる若者たちは、中小のレイブパーティが狙い撃ちにされているのではないかという不安が聞かれる。政府はこの間さらに取締り強化の方針を打ち出しており、違法の範囲を拡大する法改正の可能性がでてきている。
(3)ストリートグラフィティ
グラフィティ文化はニューヨークなどの地下鉄車両への「落書き」など、80年代から続く。日本の場合も鉄道、商店街などのストリートが舞台になっている。グラフィティは、世界的に見れば、その一部に非常に強力な社会的なメッセージや制度への批判を含むものが登場し、Banksyなど国際的に有名な(誰であるかはわかっていない)アーティストも登場し、high artとの接点も見出せるようになっている。しかし、日本の場合、グラフィティについては、新幹線への「落書き」が最近報じられたが、実際のグラフィティの実態はむしろマスメディアでは報道されないことのほうが多い。グラフィティへの取締りは、(2)のドラッグとともに繁華街の監視カメラ設置と重罰化(特に巨額の損害賠償請求)などによって強化されてきている。
2. 上記テーマをとりあげる意義
上記の事例は、現代のカウンターカルチャのなかに少なからぬ影響を持つ一方で、社会運動などの運動の文化とも一線を画しているという点では、非政治的な性格を持つものが大半である。しかし、当事者の意識や関心とは別に、既存の支配的な秩序やライフスタイルへの文化的な抵抗という側面を持つために犯罪化されるともいえる。すなわちグラフィティや著作権は、私有財産保護を優先させる法制度によって、表現が規制される典型であり、ドラッグは、身体の自己決定への権力の介入の典型であるともいえる。しかし、それだけならば、とくに文化的に新しい自体とはいえない。とくに1960年代以降のカウンターカルチャーからの継承として解釈できる側面は多く見出せる。しかし他方で、ヒップホップ文化(DJ文化)やインターネットを通じた国境を越えた共時的な現象であり、他方で情報化社会のなかでの監視社会化、知識の商品化という支配的な制度の変容がもたらしたこれらの文化の新たな側面を無視すべきではないだろう。
3. 研究会の進め方
この研究会では、たとえば、次のような論点を議論してみたい。違法とされ犯罪化されているのはなぜか。違法・犯罪化に対する非犯罪化の根拠は何か。これらの文化的な表現やライフスタイルに支配的な社会制度や文化に対する「対抗」的な価値を見出せるとすれば、それは何か。これらの文化の担い手に対して批判的な文化研究者はどのような「支援」をなしうるかなどを議論することを通じて、文化への権力の介入と支配への新しい批判のパラダイムや文化表現の非犯罪化のための理論構築を模索してみたい。
第二部では、『Freedom+Media 自由のメディア』という番組を観て、討論を行います。この番組は、7月11日に行われた『大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学」レクチャー/メディアのオルタナティヴ/フランコ・ベラルディ(ビフォ)』に関するものです。(制作・久保田美生 GCOE特任助教)
『Freedom+Media 自由のメディア』
【番組概要】
アウトノミア運動のスポークスマンとして知られ、つねに現代メディアを刺激してきた実践的思想家フランコ・ベラルディ(ビフォ)氏の初来日に際し、大阪で開催されたレクチャー「メディアのオルタナティブ」の模様とインタビューを収録。
放送期間:2008年9月1日〜15日
番組枠 :『コネクタテレビ』(番組:14min30sec)
放送局 :ジェイコムウエスト(大阪セントラル局)*ケーブルTV無料チャンネル
エリア :大阪市旭区、城東区、鶴見区、都島区、東成区、東淀川区、淀川区、中央区、北区(一部)
放映日時:
月曜日: 11時30分〜
火曜日: 11時45分〜
水曜日: 11時30分〜
木曜日: 19時00分〜
金曜日: 12時45分〜
土曜日: 21時00分〜
日曜日: 12時45分〜、20時45分〜
【コネクタテレビ情報】
コネクタテレビblog:http://blog.zaq.ne.jp/connectortv/
NPO 地域文化に関する情報とプロジェクト(NPO recip):http://www.recip.jp/
【コネクタテレビとは】
様々な分野でアートや文化の現場に関わる人々の活動を多角的にとりあげ、文化や芸術へコネクト(接続)する機会を紹介していこうと2004年10月よりスタートしました。「アート・文化に興味のある人が自分でつくるテレビ番組」として毎月開催している公開会議に様々な方たちが番組企画を持ち寄り、プロ・アマ問わず番組を作っています。ご興味のある方は公開会議に是非一度足をお運びください。メールでの事前参加希望やご質問を受け付けています。
メール:ctv@recip.jp *アットマークを小文字に変換してください
【ライブラリー】
これまで放送してきた「コネクタテレビ」の番組を下記の場所にて全て閲覧いただけます。
詳しくは、該当場所スタッフまでお問い合せください。
場所:築港ARC(アートリソースセンターby Outenin):http://www.webarc.jp/
住所:大阪市港区築港2-8-24 pia NPO 308 Tel/Fax:06-4308-5517
開設時間:12〜20時 毎週火〜土 (年末年始、夏期休暇除く)
*閲覧時間:築港ARCの開設時間に準じます
*貸し出しは行っておりません
また、「コネクタテレビ」関連事業として実施されたワークショップ(Linkage Project)から生まれた作品をlog-osaka webmagazineで観ることができます。
http://www.log-osaka.jp/main.html
「芸術のための芸術」とは異なる、さまざまなかたちで社会と関係を結びつつある現代の芸術。創造の現場では、紛争、社会問題、政策や運動との関わりの中で種々のコンフリクトが生じています。この日は、そうした現場と大学(学問)とを往還しながら考察を続けている方々とともに、これからの芸術と社会の関係について話し合います。
日時 2008年11月1日(土)14:00〜18:00
場所 大阪大学文学部(豊中キャンパス)B13教室(文学研究科美学棟一階)≪中庭会議室から変更になっています。ご注意ください。≫
★報告1(14:00-14:55) 石松紀子(九州大学大学院生/福岡アジア美術館コーディネーター)
「80年代イギリスの展覧会にみるアフロ・アジア系アート」
★報告2(14:55-15:50) 福井令恵(九州大学大学院生/立命館アジア太平洋大学非常勤講師)
「北アイルランドの壁画と紛争経験 ―壁画のある場から考える」
★報告3(16:05-17:00) 毛利嘉孝(東京藝術大学准教授)
「第三次世界大戦下の芸術 ―北九州国際ビエンナーレを手がかりに批判的な芸術形式を考える」
★全体ディスカッション(17:00-18:00)
コメンテーター:水嶋一憲(大阪産業大学教授)
進行:吉澤弥生(大阪大学グローバルCOE特任研究員)
主催:大阪大学グローバルCOEプログラム「文化芸術の公共性と社会的コンフリクトの研究」+「横断するポピュラー・カルチャー」(コンフリクトの人文学国際研究教育拠点)
お問い合せ:吉澤弥生(yoshizawaアットマークhus.osaka-u.ac.jp)
参加型公開研究イベントを開催します。(2008.11.28 終了しました)
「ちっちゃい火」を囲む
http://chibihi.blogspot.com/
わたしたちが暮らしている学校という場所は、ふだんはその活動が専門や所属、身分などによって分かれています。
この公開研究イベントでは、「日常の垣根を越えた出会いから新たに社会を発見する」というテーマで、美術家・小山田徹さんの作品『ちっちゃい火』を囲みながら、おしゃべりや珈琲を楽しみたいと考えています。
キャンパス内の公園で、異なる立場のひとが居合わせ、火を囲んで同じ時間を共有する―そのとき、新しく描き直された日常や社会が、あしもとにやってきているかもしれません。
そんなこころみの時間をご一緒しませんか?
日時:2008年11月28日(金)
一部:13:30〜15:30
大阪大学豊中キャンパス 21世紀懐徳堂(イ号館2F)
二部:15:45〜夜時刻未定
大阪大学豊中キャンパス浪高庭園〈図書館正門前〉(屋外)
※事前申し込み不要/参加無料
学内学外問わず、みなさまご自由にご参加ください
ACCESS
大阪大学豊中キャンパス(web・チラシに詳細な地図あり)
阪急電車宝塚線・石橋駅(急行停車)下車東へ徒歩約15 分
大阪モノレール柴原駅下車徒歩約10 分
http://www.osaka-u.ac.jp/jp/annai/about/map/toyonaka.html
■■■■■■詳細プログラム■■■■■■■■■■■■■■
■■一部: 13:30 -15:30
美術家・小山田徹さんに「共有空間」の活動を聞く
場所:大阪大学豊中キャンパス21 世紀懐徳堂多目的スタジオ〈イ号館2F〉
小山田徹 こやまだ・とおる
美術家 風景収集狂者
84 年、友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。
ダムタイプの活動と平行して90 年から、さまざまな共有空間の開発を始め、コミュニティセンター「アートスケープ」「ウィークエンドカフェ」などの企画をおこなうほか、コミュニティカフェである「Bazaar Cafe」の立ち上げに参加。
現在はそれらの活動を通じて集まったさまざまな分野の友人たちと造作施工集団を作り、共有空間の開発を行っている。
■■二部: 15:45 - 夜まで(時間未定)
ちっちゃい火を囲む:共有空間の実験
場所:大阪大学豊中キャンパス浪高庭園〈図書館正門前〉
※途中参加/出入り自由
※大雨の場合中止または会場変更の可能性あり。変更中止の場合はイ号館入口に掲示予定。
キャンパス内の公園に、小山田徹さんの作品「ちっちゃい火」を参加者とともに設置。焙煎家・大宅稔さんの屋台カフェも設営からたちあい、暖をとりながら珈琲を味わいつつ、みなでゆっくりと過ごす時間をつくる−共有空間の実験
大宅稔 おおや・みのる
珈琲焙煎家
京都美山町にてオオヤコーヒー焙煎所を営む。生産、サービス、流通、食、人とのかかわり合いなど、喫茶全般から社会のあり方を考えている。自身で焙煎した豆の直接配達や、移動式の屋台カフェなど様々な活動を行っている。
※共有空間実験の時間帯は大変寒いことが予想されますので、防寒対策をお願いします。
※設置や作業など、参加されたみなさんと一緒に共有空間の場をつくりたいと考えています。
※食べたいもの、ふるまいたいもの、etc..もしあればご自由に企ててご参加いただくのも大歓迎です。
※いずれの時間帯も、学内外とわずどなたでもご自由にご参加ください。お待ちしております。
主 催:「ちっちゃい火」実行メンバー
大阪大学グローバルCOE プログラム「横断するポピュラー・カルチャー」(コンフリクトの人文学国際研究教育拠点)
共 催:大阪大学文学研究科メディアラボ
問合せ:久保田みお medialab(AT)let.osaka-u.ac.jp
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○チラシ(PDF)をこちらからダウンロードしていただけます。
表1枚タイプ:A4片面1枚で出力できます、少し小さい文字になります。(元サイズA3)
http://www.let.osaka-u.ac.jp/medialab/yokopo/chibihi1128_A3.pdf
裏表2枚タイプ:A4片面2枚、両面1枚で出力できます。(元サイズB4)
http://www.let.osaka-u.ac.jp/medialab/yokopo/chibihi1128_B4.pdf
*50部以上で広報にご協力くださる方は、原稿サイズをプリンタ印刷したものをなるべく送付させていただきますので、お手数ですが問い合せ先までメールにてご連絡をお願いいたします。
研究ワークショップ「ポピュラーカルチャーのなかのオウム真理教/事件と宗教研究」
■講師:川村 邦光(大阪大学大学院文学研究科教授)
■コメンテータ:渡邊 太(大阪大学大学大学院人間科学研究科助教)
■日時:2009年 2月17日(火) 14:00〜17:00
■会場: 大阪大学21世紀懐徳堂多目的スタジオ(豊中キャンパス・イ号館2階)
(会場へのアクセス)
参加自由・無料です。
イベントのチラシはこちらからダウンロードできます。(PDF)
■概要
ヨーガ。瞑想。ノストラダムス。スプーン曲げ。ピラミッドパワー。1970〜80年代に青年層を中心として多くの人びとを惹きつけていた、ポピュラーカルチャーたる「精神世界」の潮流のなかから、オウム真理教が現れ、やがて多くの人を傷つけた。地下鉄サリン事件から14年、オウムについてはすでにおびただしい言葉が積み重ねられ、もはや語るべきことは残されていないのだろうか。あるいは語りつづけることが必要なのだとして、それはどのようにしてなのか。坂本堤弁護士一家殺害事件など多くの事件に関与した元最高幹部・早川紀代秀被告との共著『私にとってオウムとは何だったのか』(ポプラ社、2005年)を刊行した宗教学者・川村邦光に聞く。
■講師の紹介
大阪大学大学院文学研究科教授。福島県生まれ。専攻は近代文化史。著書に、『幻視する近代空間』(青弓社、1990年)、『巫女の民俗学』(青弓社、1991年)、『民俗空間の近代』(情況出版、1996年)、『地獄めぐり』(筑摩書房、2000年)、『聖戦のイコノグラフィ』(2007年)、編著に『戦死者のゆくえ』(青弓社、2003年)ほか多数。
■お問い合わせ先
E-mail: crossing-popularculture(アットマーク)let.osaka-u.ac.jp(担当・古川岳志 人間科学研究科特任助教)
■主催
「横断するポピュラーカルチャー」研究プロジェクト(研究代表・冨山一郎)
大阪大学大学院文学研究科国際現代文化研究ハブ
大阪大学グローバル COEプログラム
「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」
「コンフリクトの人文学」セミナー第27回
/「横断するポピュラーカルチャー」研究ワークショップ
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「日本の大衆文化と在日コリアン 〜芸能・大衆文学・スポーツ界を中心に」
■講師:朴 一(パク イル)大阪市立大学経済学研究科教授
■日時:2009年 2月 20日(金) 16:20〜18:20
■会場: 大阪大学21世紀懐徳堂多目的スタジオ(豊中キャンパス・イ号館2階)
(会場へのアクセス)
どなた様もご自由にご参加ください。参加は、無料です。
イベントのチラシはこちらからダウンロードできます。(PDF)
■講師より
「日本の芸能・文学・スポーツ界で活躍する在日コリアンは少なくない。カミングアウトしている有名人だけでも、都はるみ、和田アキ子、岩城晃一、松坂慶子、柳美里、つかこうへい、伊集院静、梁石日、張本勲、森本稀哲、洪昌守、秋山成勲など、各界を代表する在日コリアンがいる。彼らは、芸能、文学、スポーツの世界ですばらしい実績を残し、日本のサブカルチャーの発展に大きな貢献をしてきた。しかし、その反面、彼らの多くが日本名を名乗り出自を隠して活躍しているため、在日コリアンとしての脚光をあびることは少ない。日本社会の何かが在日コリアンの存在を見えなくしているのである。この講演では、日本の大衆芸能における在日コリアンの生き様に姿をあてることで、彼らの葛藤をえぐりだしてみたい。」
■講師の紹介
大阪市立大学大学院経済学研究科教授(商学博士)。兵庫県生まれの在日韓国人3世。専門の研究活動(韓国・北朝鮮の政治経済分析、日韓・日朝関係論)の傍ら、テレビ番組のコメンテーターとしても数多く出演。著書に、『「在日コリアン」ってなんでんねん?』講談社2005年、『朝鮮半島を見る眼―「親日と反日」「親米と反米」の構図』藤原書店 2005年、『韓国NIES化の苦悩―経済開発と民主化のジレンマ』同文舘出版 2002年、『"在日"という生き方―差異と平等のジレンマ』講談社 1999年など多数。
■お問い合わせ先:大阪大学人間科学研究科 グローバルCOE 事務局
e-mail:gcoejimu@hus.osaka-u.ac.jp 電話:06-6879-4046
■主催:大阪大学グローバル COEプログラム「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」
■共催:「横断するポピュラーカルチャー」研究プロジェクト
大阪大学文学研究科国際現代文化研究ハブ
※本セミナーの世話人は、古川岳志(GCOE特任助教)です。
■日時:2009年 3月14日(土)10:00〜17:00
■会場 大阪大学豊中キャンパス B13教室(文学部美学棟1F)※1
参加無料です。どなたでもご自由にご参加ください。(ただし参加予定の方にお願いがあります。※2をご覧ください)
(チラシはこちらでダウンロードできます。)
【プログラム】
・主催者趣旨説明 10:00-10:10
[セッション@研究発表と討論/感性のポピュラーカルチャー]
・渡邊太(大阪大学)「横断するポピュラー・カルト――スピリチュアル理性批判」(10:10-30)
・沈正明(大阪大学大学院文学研究科)「愉快な1930年代の表象」(10:30-50)
・コメント/討論(10:50-11:30)
[セッションA研究発表と討論/サブカルチャーとしての「ゴスロリ」]
・水野麗(秋田工業高等専門学校)「消費社会の中のゴシックロリィタ」(11:40-12:00)
・まえがわ まさな(台湾・致遠管理学院)「ゴスロリはどこにいる――現代文化流行の虚像と実像・台湾との比較を通して」(12:00-12:20)
・コメント/討論(12:20-13:00)
[セッションB研究発表と討論/ローカルな文化⇔グローバルな文化]
・石山祥子(大阪大学大学院文学研究科)「〈農民芸術〉としての黒川能――民俗芸能をめぐる思想と運動―」(14:00-14:20)
・藤田智博(大阪大学大学院人間科学研究科)「グローバル化の文化的論理――トランスナショナルなファンダムはいかにして成立したのか?――」(14:20-14:40)
・コメント/討論(14:40-15:20)
[セッションC全体討論]
・会場全員での討論(15:30-16:40)
・まとめと挨拶 冨山一郎(大阪大学)(16:40-17:00)
[交流会](17:00-)
コメンテーター 辻大介、金水敏(それぞれ大阪大学)、伊藤公雄(京都大学)、山中千恵(仁愛大学)ほか
司会 古川岳志(大阪大学)、上地美和、東園子(それぞれ大阪大学大学院)
※1 会場が外部の方には分かりにくい場所になっています。ご注意ください。
大阪大学の豊中キャンパス内の、文学研究科の校舎の一つ「美学棟」の一階が会場です。
「豊中キャンパスマップ」へのリンク
上記の豊中キャンパスの構内図で、「4」と「38」の間にある建物です。当日は、会場案内を学内に掲示する予定です。
≪コチラのgoogleマップも参照ください。≫
大きな地図で見る
※2 参加予定の皆さんへ:「ディスカッションペーパーを事前に読んできてください」
本ワークショップでは、発表者に対して事前に「ディスカッションペーパー」の提出をお願いしてあります。これは、発表者からの報告を、参加者は一方的に聞くだけで終わり、ということになってしまわないよう、できるだけ討論の時間を充実させるための工夫です。当日の発表は、参加者が既にディスカッションペーパーを読んできているものとして行っていただきます。
ディスカッションペーパーを読みたい方は、以下のアドレスまでメールでご連絡ください。ダウンロードできるアドレスをお伝えします。
crossing-popularculture(アットマーク)let.osaka-u.ac.jp(担当 古川岳志)
【主催】 大阪大学グロバールCOEプログラム「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」内「横断するポピュラーカルチャー」研究プロジェクト(代表 冨山一郎)/大阪大学大学院文学研究科国際現代文化研究ハブ
当日のプログラムに関して、若干の変更があるかもしれません。その際は、本サイトでお知らせいたします。ご確認ください。また、昨年3月に行われた第1回研究交流ワークショップのレポートも「ワークショップ・イベントなどの報告」ページに掲載されています。一読をお願いいたします。
【問い合わせ先】crossing-popularculture(アットマーク)let.osaka-u.ac.jp(担当 古川岳志)
グローバルCOEプログラムに関してはコチラをご参照ください。
『チェコ映像文化の夕べ』のお知らせ(09.06.29)(終了しました)
アニメーション映像作家ヤン・シュヴァンクマイエルと、彼を敬愛するブラザーズ・クエイの作品は、その独特な世界観から多方面に影響を与えてきました。コンピュータを用いず膨大な時間を費やす緻密な手仕事から表現される作品は、非日常を描きながらも何故かリアルな印象を受けます。
彼らの作品を通して、リアルとは、また表現とは何かなどについて考えたいと思います。
初めてご覧になる方はもちろん、今までご覧になられた方も、ご参加をお待ちしています。
場所: 21世紀懐徳堂多目的スタジオ(豊中キャンパス イ号館)
内容: 映像作品鑑賞と感想懇談会
参加: 予約不要/無料
【作品プログラム】
『レオシュ・ヤナーチェク』ブラザーズ・クエイ 1983年/27分
『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』ヤン・シュヴァンクマイエル 1964年/12分
『ジャバウォッキー』ヤン・シュヴァンクマイエル 1971年/13分
『対話の可能性』ヤン・シュヴァンクマイエル 1982年/ 12分
『フード』ヤン・シュヴァンクマイエル 1992年/ 全編17分のうち一部
『ヤン・シュヴァンクマイエルインタビュー』2001年/ 時間があれば一部閲覧
注:順序や内容は変更になる場合があります、ご了承ください。
【作家紹介】
■ブラザース・クエイ■(wikipedia)(インタビュー[英文])
アメリカ生まれの双子の映像作家。79年から人形アニメーションを作りはじめ、ブルーノ・シュルツの「大鰐通り」を原作とした『ストリート・オブ・クロコダイル』(86)で脚光を浴び、現在では実写の映画作品も手がけている。
■ヤン・シュヴァンクマイエル■(公式サイト)(wikipedia)
1934年プラハ生まれ。チェコアニメーション界の巨匠。その表現手段は狭い意味での"アニメ"を大きく逸脱している。1970年、チェコのシュルレアリストグループに加わって以来、映画・版画・彫刻など、多岐に渡って活躍。皮肉や風刺のこもった作風により、スターリニズム下では製作禁止を命ぜられたり、投獄・亡命を経験するが、そうした状況下でも彼は作品を作り続け、世界中の人々に影響を与えている。
ヤン・シュヴァンクマイエルの言葉より――
「何よりもまず、シュルレアリスムは芸術ではありません。ある一定の精神的指向であって、錬金術や精神分析と同じように、魂の深みへの旅なのです。けれども、それは個人の旅ではなく集団的な冒険なのです。」「シュルレアリスムの主要な目標は、依然として世界を変えること(マルクス)と、生を変えること(ランボー)。」
主催:「ヨーロッパ/非ヨーロッパ東欧の現代文学」(GCOE特任研究員 奥 彩子)
「横断するポピュラー・カルチャー」(GCOE特任助教 久保田 美生)
「音楽の生産・流通・消費におけるコンフリクト」(GCOE事業推進担当者・文学研究科准教授 伊東 信宏)
(大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」)
共催: 大阪大学文学研究科メディアラボ、大阪大学ディスプレイ・プロジェクト
問い合せ: 久保田( medialabアットマークlet.osaka-u.ac.jp )
Scienthrough企画 6月のサイエンスカフェ(09.06.30)のお知らせ
場所:大阪大学21世紀懐徳堂多目的スタジオ
参加費:無料
事前申し込み:不要
共催:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
協力:大阪大学21世紀懐徳堂
「いま、指紋押捺を再考する」開催のお知らせ(09.07.15)(終了しました)
本シンポジウムでは、さまざまな立場や観点からのパネリストの報告と討論を通じて、指紋という窓から、日本をめぐる歴史・社会・文化に関する諸論点が見えてくるような方向をめざしたいと思います。日本学研究室の関係者はもとより、国際現代文化研究ハブに集う文学研究科、人間科学研究科、また他大学の研究者、院生、学生、さらに現代社会に関心をもつ一般の方々のご参加を呼びかけます。チラシはこちら
場所: 21世紀懐徳堂 多目的スタジオ(大阪大学豊中キャンパス内 イ号館)
パネラー:
○杉原達(大阪大学大学院文学研究科教授) 問題提起 (兼 司会)
○李東石(在日高麗労働者連盟)「私にとっての指紋押捺」
○板垣竜太(同志社大学社会学部准教授)「お前は誰だ!識別の政治と身体」
○鄭祐宗(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)「「外国人登録法」への思考――制裁の論理とその矛盾」
○アンジェロ・イシ(武蔵大学社会学部准教授)「在日ブラジル人からみた指紋押捺」
国際現代文化研究ハブ
共催 大阪大学大学院文学研究科
協力 「横断するポピュラー・カルチャー」研究プロジェクト(大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学」)
問い合わせ先:日本学助教室
真鍋昌賢 : mmanabeアットマークlet.osaka-u.ac.jp
氾濫するぺライ解説と、重さを気取った懐古趣味の蔓延。
「吐き気がするほど、ロマンチックだぜ」(スターリン)。
「包帯のような嘘を見破ることで、学者は世間を見たような気になる」(中島みゆき)。
大杉栄、戸坂潤、宇野弘蔵、マルクス、柄谷行人、中上健次、白石かずこ、浅田彰、ビル・ヘイバー、マイケル・ジャクソン、そして清志郎!
三日間全速力で疾走したカツヒコ・マリアーノ・エンドウとともに、「今ーここ」について思考する。
大討論会のはじまり、はじまり・・・
主催 「大討論会」実行委
報告者
毛利嘉孝 (東京藝術大学准教授)
小泉元宏(東京藝術大学大学院)
吉澤弥生(大阪大学GCOE 特任研究員/ NPO 法人recip 代表理事)
詳細はリンク先のチラシをご覧ください。
共催:福岡アジア美術館、大阪大学GCOE「コンフリクトの人文学」
「コンフリクトの人文学」セミナー第37 回 /(兼)「横断するポピュラーカルチャー」研究ワークショップ
(09.12.05)終了しました。
歌とか、音を、“聴く”ことの力とは何か。
コール&レスポンス、そこからきこえてくるのは何か。
本ワークショップでは、ユタの語りを聴き、大学の教室では「非常勤ブルース」を弾き語る宗教人類学者・佐藤壮広氏を迎え、歌うこと、聴くこと、そして「痛み」を感受することについて、エッグシェーカーとブルースを通して考えてみたい。
立教大学、江戸川大学、大正大学、恵泉女学院大学など、非常勤講師。宗教人類学者として、沖縄の精神文化、宗教と表現文化の可能性について研究しながら、[学芸家・コールさとう]としての活動も展開中。
→(佐藤さんの活動に関する朝日新聞の記事へのリンク)
→佐藤さんの活動については、御本人のホームページも御参照ください。
■こちらにチラシがあります。参照ください。
開放系討議空間「毛利嘉孝と考える 文化と運動」開催のお知らせ(09.12.12)終了しました。
場所:大阪大学豊中キャンパス 待兼山会館2階、会議室
参加自由、無料です。
(毛利嘉孝『ストリートの思想〜転換期としての1990年代』2009、NHK出版)。
そうなのだ。私たちの可能性は説教くさく論壇で啓蒙されるものでもなければ、専門家に教えられることでもなく、そこかしこに散らばり、また溢れる。そしてその散乱し溢れ続ける「文化は政治に従属しない。文化は手段ではなく、むしろ目的である」(同)。そのとき浮かびあがる運動とは、どのような力なのか。文化を研究することは、文化を目的として生成する運動の中にあって、何を担うのか。
毛利嘉孝さんの著書『ストリートの思想〜転換期としての1990年代』を中心に読んで、複数の人が発言を準備します。
■発言予定
栗山新也さん(芸能社会史研究者)
藤田智博さん(社会学者)
にわとりさん(うたうたい ときどき笛吹き)
・・・・・・・・(その他続々結集中)
■応答 毛利嘉孝さん(東京芸術大学准教授)
■司会 冨山一郎さん(大阪大学教授)
■こちらにチラシがあります。参照ください。
「共に考えることについて:研究機械の場所と運動」開催のお知らせ(09.12.19)終了しました。
場所:大阪大学豊中キャンパス 大学教育実践センター 開放型セミナー室
スチューデントコモンズ (教育研究棟T〔旧:自然科学棟〕1階)
※会場は、大阪大学公式HP内地図の41番です。
参加自由、無料です。
李珍景(いじんぎょん:研究空間〈スユ+ノモ〉)
金友子(きむうぢゃ:研究空間〈スユ+ノモ〉)
小野俊彦(おのとしひこ:フリーターユニオン福岡)
前田年昭(まえだとしあき:『悍【HAN】』編集人)
「近代社会が作り出した、決められた分野や領域を横切り(乗り越えろ!)、多様な理論的および歴史的要素が出会い接続する場へと研究活動を変換させること。すなわち、生と分離した知識ではなく生と緊密に結びついた知識を生産すること、あるいは生の一部として知識を生産し、実践の一部として理論を生産すること。知識や意識を変えるのではなく身体的な習俗と無意識それ自体を変える活動を通じて「工夫―勉強」すること。差異と異質性をとり除いて確固たる統一性をつくるのではなく、差異と異質性が出会いながら絶えず新しいものが生成され変形される生成の場へと作りかえること。」
(李珍景「マルクス主義とコミューン主義」)
研究するという行為は、大学アカデミズムの排他的独占所有ではない。
前田年昭さんが編集人を務める『悍』は、在野の批判精神の復興を目的として創刊された雑誌である。世界の状況を構造的に分析し批判し変革への戦略をつくることに寄与するメディアを制作すること。また、フリーターユニオン福岡の小野俊彦さんは大学院から飛び出してユニオンの活動を開始し、表現のチャンネルを変えて研究という行為をつづけている。
さしあたり大学という場でわたしたちは「横断するポピュラーカルチャー」というプロジェクトとして、ポピュラリティ、ポピュラーカルチャーにおける研究と運動、大学の身分制度、学内と学外の権威化された分業体制をめぐって集合的に考えるための方法を模索してきた。大学で研究するというと、ひどく狭い意味に聞こえてしまうが、そうではなく、誰もがおこなう日々のちょっとした工夫や思考や会話もまた日常の生と結びついた研究であるととらえる。大学教員たちが「雑務」と呼ぶ仕事のなかに、研究という行為は含まれていないはずがない。おいしい料理をつくることも研究。デモで隊列を乱す戦術を考えることも研究。そのための関係性、場所・空間の配置、経済のしくみ、コミュニケーションのスタイルはどれくらい多様でありうるだろうか。あらためて、ともに考えること、ともに研究することについて考えてみたい。
■司会
渡邊太(わたなべふとし:人間科学研究科助教)
■お問い合わせ先:「横断するポピュラーカルチャー」研究プロジェクト(crossing-popularculture(@マーク)let.osaka-u.ac.jp)古川まで。
⇒こちらにチラシがあります。参照ください。
より大きな地図で スチューデントコモンズの場所 を表示
琉球の身体とは何か〜踊ることは研究すること/研究することは踊ること〜〔踊りと講演〕
開催のお知らせ(2010.01.15)終了しました。
場所:大阪大学豊中キャンパスイ号館 21世紀懐徳堂多目的スタジオ
参加自由、無料です。
■講師:小橋川ひとみ(琉球舞踊家・民族舞踊学者)
■プログラム
第一部 舞踊
出演:小橋川ひとみ 解説:栗山新也(文学研究科博士課程)
一、かぎやで風(かじゃでぃふう)
二、花風(はなふう)
三、綛掛(かしかき) (復元)
第二部 講演とディスカッション
時間の彼方に消え去ってしまう舞踊の技法や身体の復元は、いかにして可能だろうか?
実践と研究行為とのかさなり、すなわち自らが舞踊の伝承者であり、同時にそれを研究対象として取り上げることから、どのような可能性がひらかれるだろうか?
本ワークショップは、沖縄本島に伝承される村踊りの研究から「御冠船(うかんしん)踊り」(首里王府時代の宮廷芸能)の復元を試みた小橋川ひとみさんを迎え、琉球舞踊の実演と講演から舞踊研究のあらたな視座にせまります。
■講師の紹介
玉城流いずみ会教師として舞台に立ちながら、琉球舞踊の身体技法の研究で活躍中。沖縄県立芸術大学大学院(舞台芸術専修)を修了後、10年近くにわたって沖縄本島各地の村踊りを取材し、2009年7月沖縄県立芸術大学にて復元された御冠船踊り「綛掛」の考証を担当した。創作舞踊に「をなりの思い」「遊でぃウミハマラ」などがある。
開催のお知らせ(2010.01.29)終了しました。
場所 大阪大学豊中キャンパスアクセス
(一部と二部で会場が異なります)
【一部】 13:00-15:40 『 S/N 』上映+トーク@大阪大学21世紀懐徳堂多目的スタジオ
【二部】 15:45-夜 ちっちゃい火を囲む―共有空間の実験―@浪高庭園(大阪大学付属総合図書館 正面玄関前)写真
いずれも参加無料。事前登録不要。

→○A3版(正規サイズ/両面変形)はこちらです。
30部以上 で広報にご協力くださる方はプリントアウトしたものをなるべく送付させていただきます、ご連絡をお願いします。
わたしたちが暮らしている学校という場所は、ふだんはその活動が専門や所属、身分などによって分かれています。この公開研究イベントでは、「日常の垣根を越えた出会いから新たに社会を発見する」というテーマで、美術家・小山田徹さんの作品『ちっちゃい火』を囲みながら、おしゃべりやお茶を楽しみたいと考えています。キャンパス内の公園で、異なる立場のひとが居合わせ、火を囲んで同じ時間を共有する―そのとき、新しく描き直された日常や社会が、あしもとにやってきているかもしれません。そんなこころみの時間をご一緒しませんか?
詳細プログラム「ちっちゃい火」の制作者である、美術家・小山田徹さんと、本イベント共同企画者のブブ・ド・ラ・マドレーヌさんと一緒に、お二人が参加されていた「ダムタイプ」によるパフォーマンス作品『S/N』の 1995年上演時記録映像を鑑賞します。その後、キャンパス内の公園に移動し、「ちっちゃい火」を参加者とともに設置して囲みます。暖をとりながらお茶や食べものを味わいつつ、さまざまな人たちで過ごす時間をつくる ―共有の空間をつくる実験
一部 | 場所:21世紀懐徳堂多目的スタジオ(イ号館2F) | ※『S/N』上映中は途中入室できません。途中退出は可能です。 |
---|---|---|
13:00- | パフォーマンス『 S/N 』 記録映像上映 | (ダムタイプ dumb type/1995年上演) |
15:00- | 座談会 | 小山田徹さん、ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんを交えて |
二部 | 場所:浪高庭園 〈図書館正面玄関〉前 | 途中参加/出入り自由/持寄大歓迎/カンパ箱設置/my食器歓迎 |
15:45-夜まで | ちっちゃい火を囲む ―共有空間の実験 | キャンパス内の公園で、さまざまな立場のひとたちで設置や作業を行い、共有の場をつくりたいと考えています。『ちっちゃい火』で簡単な調理ができます。焼きたいもの、ふるまいたいものを企てて、ご参加いただくのも大歓迎です。 ※共有空間実験の時間帯は大変寒いことが予想されますので、防寒対策をお願いします。 ※大雨の場合中止または場所変更の可能性あり。その際は浪高庭園内の藤棚に掲示予定。 |
『S/N』とは
1984年に生まれたアーティストグループ「ダムタイプ」は、1992年にインスタレーションやパフォーマンスから成る「S/Nプロジェクト」を開始。その直後にダムタイプ創設メンバーである古橋悌二が自らがゲイであることとエイズを発症していることを友人たちに伝えたことを契機とし、「S/Nプロジェクト」は「《S/N》のためのセミナー・ショー」という実験的作品を経ながらパフォーマンス『S/N』へと発展していきました。
パフォーマンス『S/N』は、1996年までに16ヶ国21都市で上演された後、その上演記録映像が大学や市民講座など様々な場所で今も上映されています。上演当時は、セクシュアリティやエイズに対する表現がラジカル(過激・急進的)であると評されましたが、最後の上演から15年経とうとしている現在、このパフォーマンスに込められた人間と社会に対するメッセージは、新たな観客によってより深く受け入れられつつあるように思えます。
小山田徹 こやまだ とおる 美術家/風景収集狂者
1984年、友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。ダムタイプの活動と平行して90 年から、さまざまな共有空間の開発を始め、コミュニティセンター「アートスケープ」「ウィークエンドカフェ」などの企画を行うほか、コミュニティカフェである「Bazaar Cafe」の立ち上げに参加。現在はそれらの活動を通じて集まったさまざまな分野の友人たちと造作施工集団を作り、共有空間の開発を行っている。
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ 現代美術作家/dista支援部コーディネーター
ダムタイプのパフォーマンス「S/N」に出演。その後、ソロまたは国内外のアーティストと共同で映像、パフォーマンス、文章などの製作と発表を行う。同時にHIV/エイズやセックスワークに関する厚生労働省の研究事業等にも携わり、現在は大阪堂山にあるHIV/エイズや性的健康についての情報ステーション「dista」で支援部コーディネーターを務める。2008年より、「表現の基礎講座」と題する「私塾」の開催を社会学や文化人類学の専門家らと共に試みている。
主 催:「ちっちゃい火」実行メンバー
大阪大学グローバルCOEプログラム「横断するポピュラー・カルチャー」(コンフリクトの人文学国際研究教育拠点)
共 催:大阪大学文学研究科メディアラボ
問合せ:久保田みお medialab(アットマーク)let.osaka-u.ac.jp
講師:渡辺順一氏
(金光教羽曳野教会長/soul in 釜ヶ崎/大阪希望館事務局次長)
第44回「コンフリクトの人文学」セミナー(2010.2.20)終了しました。
13:30〜16:20
第一部:金光教・soul in 釜ヶ崎・大阪希望館
16:30〜18:00
第二部:テクストと実践をめぐって〜教祖と戦争責任〜
2003年から活動をつづける「soul in 釜ヶ崎−野宿者問題を考える宗教者連絡会(ソルカマ)」は、その重要な事例といえるだろう。この運動体は、会規約もなく、教団を越えた、出入り自由な宗教者のネットワークとして機能している。積極的にかかわってきた金光教教師・渡辺順一氏によれば、現代の「格差社会」の問題は、経済的な領域にのみかかわるものでもなければ、失業や不安定就業、「貧困」へと追いやられている人びとにのみかかわるものでもない。多くの人びとは「居場所」であるかのように仮構された市民社会内部の様々な場所で、淋しさや弱さを抱えながら、孤独に倒れるまで戦いつづけることを強いられている。そして、野宿者たちを自らの生活圏から排除し、仮の「居場所」にしがみつく。人びとの「魂」は休息の場を求めてさまよっている。ソルカマ流にいえば、この国は今「貧魂社会ニッポン」なのだ(soul in 釜ヶ崎編『貧魂社会ニッポンへ―釜ヶ崎からの発信』アットワークス、2008年、参照)。
渡辺氏は、“神から選ばれた者”としての宗教者・信仰者が、凹んだ場所にいる人びとをのぞきこみ、手を差し伸べようとする従来の宗教集団による「救貧」の思想にも厳しい目を向けている。自教団の教祖に関わるテクストを読みなおす作業を通じて、彼は凹地(くぼち)をのぞきこむのではなく、凹地に視点を移し、そこから人間が生きる世界全体をみつめなおすことを志向する。そこにおいては、「宗教」の内側に身を置く渡辺氏自身が厳しく問い直されることにもなるのだろう。
こうして渡辺氏らの目指す社会運動は、「宗教」から逸脱していくのだが、それでは教義や信仰などほっぽりだして、世俗的な社会運動にまい進すればよいのだろうか?おそらく(少なくとも今の)渡辺氏の答えは、否であるだろう。自教団の植民地布教、戦争協力の問題などを問い続けてきた金光教学者としての渡辺氏は、「宗教」を越えるそのときにも、教祖にかかわるテクストを手放さない。それはむしろ、ソルカマでの超「宗教」的な実践のあり方を示す大切な指針として読みなおされているようだ。もしかするとこのあたりに、宗教伝統と呼ばれるものの新たな可能性が開かれているのかもしれない(あるいは開かれていないかもしれない)。
本セミナーでは、渡辺順一氏を講師に迎え、彼の金光教教師としての宗教活動・教学研究者としての実践・ソルカマでの活動をめぐって、この三者がいかに連関しながら作動している(しうる)のかを考えてみたい。さらに、大阪労働者福祉協議会や宗教団体、連合大阪などが呼びかけて昨年設立され、渡辺氏が事務局次長を務める大阪希望館についてもお話を伺うつもりである。大阪希望館は、仕事と住まいを失った人にとりあえず緊急に「住まい」と「食」を提供し、再出発の方向と方法を一緒に考えられる時間と場所として位置づけられている。こうした試みの意義と展望について考える機会にもなれば幸いである。
(司会・企画 永岡崇 文学研究科博士後期課程)
※参考リンク
soul in 釜ヶ崎
http://www.atworx.co.jp/works/pub/47.html
大阪希望館
http://www.osaka-lsc.jp/kiboukan/
(2010.3.20)終了しました。
以下の要領で研究交流ワークショップを開催します。このワークショップは、広い意味でのポピュラーカルチャー(民衆文化、民俗文化、社会運動と表現など)に関する研究や実践活動を行っている方々に参加を呼びかけ、発表・討論・交流の機会を設けるために開催します。研究領域や立場の違いを越えて、幅広く議論ができるようなワークショップにしたいと考えております。皆様、ぜひ、ご参加ください。
場所:大阪大学豊中キャンパス 大学教育実践センター 開放型セミナー室
スチューデントコモンズ (教育研究棟T〔旧:自然科学棟〕1階)(会場変更しました!ご注意ください!)
※会場は、大阪大学公式HP内地図の41番です。下のgoogleマップも参考にしてください。
参加自由、無料です。(ただし参加予定の方にお願いがあります。下の【※お願い】をご覧ください)

当日のスケジュールは、以下の通りです。
10:30- | 趣旨説明 | |
セッション1 | ||
---|---|---|
10:40-11:15 | 鎌倉祥太郎(大阪大学大学院文学研究科博士前課程) | 津村喬における「日常性」批判の射程 |
11:15-11:50 | 日高由貴(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程) | 『感情』は『商品』になりうるのかーA.R.ホックシールドにおける「感情労働」概念の再検討の試み |
11:50-12:25 | 松葉志穂(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程) | 妄想乙女と萌え男子―男性身体の「キャラ化」、そして「腐女子」とは |
セッション2 | (12:25-13:30 お昼休み) | |
13:30-14:05 | 秦美香子(神戸大学大学院博士後期課程) | ジェンダーをずらす表現のコード化と解読―『オトメン』の事例から |
14:05-14:40 | 増田のぞみ(花園大学文学部講師) | 「少女」向けテレビアニメにおけるヒロイン像の分析―「プリキュア」シリーズの事例より |
セッション3 | (15分 休憩) | |
14:55-15:30 | 竹原明理(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程) | 美と不気味の狭間で―衣装展示用としての生人形をめぐって― |
15:30-16:05 | 柿田 肇(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程) | 「宝塚」 とは誰のものか? ――ファン、当局者、そして今、記述する私について 1930年代後半の動向を起点に |
セッション4 | (15分 休憩) | |
16:20-18:00 | 冨山一郎 (司会) | 全体討論/討議マップを使って |
【※お願い】
参加予定の皆さんへ:「ディスカッションペーパーを事前に読んできてください」
本ワークショップでは、発表者に対して事前に「ディスカッションペーパー」の提出をお願いしてあります。これは、発表者からの報告を、参加者は一方的に聞くだけで終わり、ということになってしまわないよう、できるだけ討論の時間を充実させるための工夫です。当日の発表は、参加者が既にディスカッションペーパーを読んできているものとして行っていただきます。
ディスカッションペーパーを読みたい方は、以下のアドレスまでメールでご連絡ください。ダウンロードできるアドレスをお伝えします。
crossing-popularculture(アットマーク)let.osaka-u.ac.jp(担当 古川岳志)
■主催:大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」
RF「横断するポピュラーカルチャー」[研究代表 冨山一郎(大阪大学文学研究科)]+大阪大学文学研究科国際現代文化研究ハブ
■会場案内図
下の地図で、目印のある場所です。豊中キャンパスの教育実践センターが管理する片面ガラス張りのセミナー室です。
より大きな地図で スチューデントコモンズの場所 を表示
2010/12/3(金)
17:00-場所 大阪大学豊中キャンパス
文系研究総合棟4階 L6教室
(1)ディアスポラの定義を裏側から試みること
(2)ボヤーリン兄弟の仕事の特異性、位置づけの難しさ
(3)啓蒙思想、自然法理論にディアスポラを読みこむ
(4)世界市民主義(コスモポリタニズム)とディアスポラ
(5)日本の戦後思想のなかの「離脱」とディアスポラ
(6)ディアスポラと「存在論的」故郷喪失
講師紹介
1962 年生まれ。和光大学表現学部教授。専門は文化研究、メディア論、社会思想史など。
著書に『アーバン・トライバル・スタディーズ』(月曜社)、『ディアスポラの思考』(筑摩書房)、『人工自然論』(勁草書房)、『シチュアシオン』(作品社)、『紅のメタルスーツ』(紀伊国屋書店)、訳書にポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック』(共訳、月曜社)、ポール・D.ミラー『リズム・サイエンス』(共訳、青土社)などがある。
近年、冬季はカナダ、モントリオールのマッギル大学東アジア学科で客員教授を務める。
会場はこちら。
より大きな地図で 文系研究総合棟 を表示
お問い合わせ先 大阪大学大学院人間科学研究科グローバルCOE 事務局
e-mail: royterek@hus.osaka-u.ac.jp(赤尾)
共催「コンフリクトの人文学」研究プロジェクト「シオニズムの考古学」「横断するポピュラーカルチャー」
本イベントでは、ポール・D・ミラー氏の著書『リズム・サイエンス』の訳者(今西玲子と共訳)のひとりである上野俊哉氏を迎え、DJ/TJを交えた『リズム・サイエンス』についての講演(第一部)からDJ/TJの横断性について検討する。さらにDJイベント(第二部)をとおしてクラブ文化における人々の集まりの可能性について探ってみたい。
DJ SPOOKYことポール・D・ミラー氏が述べているように、複数の文章をつなぎあわせながら書くことと、複数の音源をつなぎあわせながらDJすることはとてもよく似ている。
「そういう意味で、DJならぬTJ(Text Jockey , TheoreticalJockey)という概念を思いついた」(上野俊哉)。DJすることと書くこととの重大な接点を見いだした上野俊哉氏は、複数の文章をつなぎあわせながら書くことをDJになぞらえてTJと呼び、DJ/TJの横断性に注目している。
さまざまなリズムやテクストの境界を横断するDJ/TJの実践をとおして、私たちはどのような〈共(コモン)〉を開くことができるだろうか?
会場 カフェ・コモンズ 高槻市富田町1-13-1 WESTビル5F http://cafe-commons.com/
JR京都線摂津富田駅、南出口より徒歩3分。阪急京都線富田駅、北出口より徒歩2分。
タイムテーブル(予定)
第一部(15:00〜18:00)上野俊哉氏講演とディスカッション
第二部(18:30〜22:00)DJイベント
参加費は無料です。事前申し込み不要でどなたでもご自由に参加いただけます。(飲食実費・持ち込み歓迎)
Toshiya the tribal a.k.a 上野俊哉(うえのとしや)
和光大学教授。社会思想史、文化研究、メディア論。著書『アーバン・トライバル・スタディーズ―パーティ、クラブ文化の社会学』(月曜社)、『ディアスポラの思考』(筑摩書房)ほか多数。訳書にポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック―近代性と二重意識』(月曜社)など。
企画:太田健二(大阪大学招聘研究員)・栗山新也(大阪大学文学研究科大学院)
主催:大阪大学GCOEプログラム「コンフリクトの人文学」・リサーチフォーカス「横断するポピュラーカルチャー」研究プロジェクト
問合せ先 crossing-popularculture@let.osaka-u.ac.jp
本イベントは、前日2010年12月3日に開催される「コンフリクトの人文学セミナー」(第59回講師・上野俊哉氏)との連携企画です。
開催のお知らせ
場所:大阪大学豊中キャンパス浪高庭園<図書館正門前>
持ち寄り/カンパ制/my食器歓迎/出入自由
*カンパ箱を設置しています。
学内外問わずどなたでも、自由にご参加ください。
異なる立場のひとが居合わせ、火を囲んで同じ時間を共有する。そのための場をしつらえ、暖をとり、お茶や食べ物を味わいながらゆっくりと過ごす時間――共有空間の実験
当日は薪割りや焚き火の支度からはじめ、その後、美術家小山田徹さんの作品「ちっちゃい火」を囲みながら過ごします。直火で簡単な調理ができますので、焼きたいもの、ふるまいたいものを持ってくるなど、それぞれ企ててのご参加大歓迎です。どなたでも、いつでもお好きなタイミングでお越しください。
最新の情報は、こちらのブログ(http://chibihi.blogspot.com)をご覧ください。時間、12:00〜16:00
場所、大阪大学豊中キャンパス浪高庭園<図書館正門前>
薪を割ったり、看板を作ったりしながら、当日の過ごし方をみなで考える予定です。メンバーを固定せずに準備作業をしますので、関心のある方は気軽に来てください。
*これ以外の日も随時準備作業をしていますので、いつでもお問い合わせください。

→○チラシ(B4変形型)をこちらからダウンロードしていただけます
《ゲスト PROFILE》
小山田徹 こやまだ とおる 美術家/風景収集狂者
84年、友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。ダムタイプの活動と平行して90年から、さまざまな共有空間の開発を始め、コミュニティセンター「アートスケープ」「ウィークエンドカフェ」などの企画を行うほか、コミュニティカフェである「Bazaar Cafe」の立ち上げに参加。現在はそれらの活動を通じて、さまざまな共有空間の開発を行なっている。
主 催 「ちっちゃい火」実行メンバー
大阪大学グローバルCOEプログラム(コンフリクトの人文学国際研究教育拠点)「横断するポピュラー・カルチャー」
共 催 大阪大学文学研究科メディアラボ
問合せ 久保田 medialab(at)let.osaka-u.ac.jp