
東多田遺跡の発掘区
東多田遺跡は、能勢電鉄鼓ヶ滝駅から多田駅までの間の東側にひろがる遺跡です。この地点は、多田盆地の東部にあたり、比較的広い平野となっています。
遺跡がみつかったのは、1971、72年頃に行われた遺跡分布調査で、須恵器や土師器が散布していることから、中世の集落跡と考えました。その後、長く集落の実態はよくわかりませんでしたが、1984年に市教育委員会が行った第3次発掘調査で初めて中世の集落遺構を検出することができたのです。 みつかったのは、鎌倉・室町時代の土壙・溝・小穴などで、小穴は小規模な掘立柱建物の柱穴と推定されます。また、土壙は長方形で、内部には自然石が整然と並べられていました。土壙の横に溝が接して流れていることからみると、何らかの水利施設ではないかと考えられます。
集落の全体像は、まだよくわかりませんが、北側に近接する蓮源寺遺跡とともに、中世多田荘を構成する一集落として今後の調査が期待されます。
能勢電鉄鼓ヶ滝または多田駅下車東へ徒歩5分