教員&院生紹介Faculty & Graduate Student Profiles

演劇学教員

中尾薫

中尾 薫 教授 NAKAO Kaoru

1978年生。2001年、奈良女子大学文学部言語文化学科日本アジア言語文化学卒業、2008年、大阪大学大学院文学研究科(演劇学)博士後期課程修了。博士(文学)。2009年、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館助手。2011年、大阪大学大学院文学研究科専任講師、准教授を経て2024年10月より現職。

専門:演劇学・伝統演劇(能楽)
研究業績: https://researchmap.jp/read0106531


メッセージ: 伝統芸能を研究していると、 重層的な過去という地層の上に現在の事象があることを痛感します。そして、それぞれの環境やかかわった先人たちの創意工夫の異相性とともに、時代を経ても 変わらない核のようなものを発見・認識できたとき、そこには未来への指針が隠されているように思います。芸能という形態によって結実する人間の営みをひも とき、その意義を解明し伝えられるように、みなさんと一緒に修練していきたいと考えています。


伊藤寧美

伊藤 寧美 講師 ITO Nabi

1988年生。2014年、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了(学術)。2023年、バーミンガム大学大学院博士課程修了(PhD in Drama and Theatre Studies)。2024年4月より現職。

専門:演劇学・現代英国演劇
研究業績: https://researchmap.jp/nabiito




メッセージ: 英国を中心とした現代演劇の研究をしており、特に戯曲に関心を持っています。劇作家の書いた台詞や登場人物を、演出家の演出を経て俳優が演じるという上演の過程において、戯曲の言葉とはいったい誰の言葉なのかという問題を考えています。時に地域や時代も超えて様々なアーティストや観客が関わる演劇という表現において、どのように他者の言葉と向き合うべきか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

杉本亘

杉本 亘 助教 SUGIMOTO Wataru

1992年生。2018年、大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了(文学)。2024年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。2024年4月より現職。

専門:近代能楽史
研究業績: https://researchmap.jp/watarusugimoto89




メッセージ: 演劇のなかには、どうしても歴史の中に消えていってしまったものがあります。同様に、現存の演劇が将来もある保証はありません。能を古くから現在まで途切れなく継承された演劇であり、やはりそこには、残り続けてきた理由があるはずです。演劇に限らず、大切な文化をどう後世に残していくのか。能の歴史はそれを知る重要な手がかりだと考えています。

兼任教員

永田靖

永田 靖 特任教授 NAGATA Yasushi

本属:大阪大学中之島芸術センター
専門:演劇学/パフォーマンス・スタディーズ
研究業績:https://researchmap.jp/read0046568

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古後奈緒子

古後 奈緒子 准教授 KOGO Naoko

本属:人文学研究科 芸術学専攻アート・メディア論コース
専門:舞踊史・美学
研究業績:http://researchmap.jp/kogonaoko/

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横田洋

横田 洋 准教授 YOKOTA Hiroshi

本属:大阪大学総合学術博物館 研究・教育部資料情報研究系
専門:演劇学
研究業績:https://researchmap.jp/yokotahiroshi

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大学院生紹介(博士後期課程)

D3
温 彬 (WEN Bin)

研究テーマ:中国明時代初期の演劇教化思想(朱有燉を中心に)
論文
1.「成於楽と清明象天 : 荀子楽教思想における二つの側面」『演劇学論叢』23, 25-39, 2024-03-30
2.「朱有燉の「恋愛劇」の教化意味 : 戯曲「復落娼」「香嚢怨」「団円夢」を手掛かりに」『フィロカリア』 41, 29-42, 2024-03
3.「世阿弥「物まね」論における「心」の性格 : 中国伝統演劇論「曲学」との関連から」『演劇学論叢』20, 68-90, 2021-03
口頭発表
1. 「全徳―朱子学の視点からみた朱有燉の演劇教化観―」2023年度日本演劇学会全国大会、近畿大学、2023年6月23日
2. 「楽以成人と清明象天ー荀子楽教思想における二つの側面ー」民族芸術学会第167回研究例会 シンポジウム「教化・教養・教育―芸術の功能を考える―」、大阪大学、2023年2月11日
3.「中日伝統戯劇中的「狂者形象」——以『牡丹亭』与『松風』为中心」2019年獅城国際戯曲学術研討会、シンガポール国家図書館、2019年11月10日他

馮 縁 (FENG Yuan)

研究テーマ:『宝塚少女歌劇における「中国」』
論文
1.「大正期宝塚少女歌劇における「中国」―久松一声の初期作品と「支那趣味」―」『近現代演劇研究』第10号、 2022年1月31日、 pp.42-57(査読有)。
2.「大正期宝塚少女歌劇における「中国」―久松一声の歌劇『邯鄲』を中心に―」『演劇学論叢』第21号、 2022年3月18日、pp.41-56(査読無)。
3.「日本寳塚少女歌劇團對於南曲《琵琶記》的改編研究」『戯劇学刊』、国立台北芸術大学戯劇学院、2023年7月、pp.51-69(査読有)。(※「宝塚少女歌劇における中国戯曲の翻案―歌劇『琵琶記』を中心に―」『待兼山論叢』第56号、大阪大学文学部、2023年1月、pp.49-71(査読無)により翻訳)
口頭発表
1.「大正期宝塚少女歌劇における『中国』―久松一声の初期作品と『支那趣味』―」近現代演劇研究会、大阪大学(オンライン開催)、2021年7月17日。
2.「宝塚少女歌劇における中国戯曲の翻案―歌劇『琵琶記』を中心に―」、近現代演劇研究会3・5月合同例会、大阪大学豊中キャンパス、2022年5月14日。
3.「1920年代宝塚少女歌劇における中国伝統演劇の受容―京劇の宝塚大劇場公演とその影響―」、日本演劇学会秋の集会、福岡女学院大学、2023年11月12日。


https://researchmap.jp/FengYuan

瀧尻 浩士 (TAKIJIRI Hiroshi)

研究テーマ:近現代喜劇(ニール・サイモンを中心に)
論文
1.「メタシアターとしての喜劇『サンシャイン・ボーイズ』」『フィロカリア』第40号、2023年3月、75-93頁
口頭発表
1.‘The Critical Point of Kamigata Comedy: How It Became a New Comedy in the TV Era,’ The 8th International Asian Theatre Studies Conference, Online., 8 November 2020.
2.‘The Relationship Between Characters and Place in Barefoot in the Park: Creating a New "Home" for Comedy’, The 11th International Asian Theatre Studies Conference, at Shanghai Theatre Academy, Shanghai, China., 4 November 2023.

https://researchmap.jp/hiroshi-takijiri

新井 静 (ARAI Shizuka)

研究テーマ:1960年から80年代の日本のアングラ演劇(唐十郎) 論文
1.「唐十郎解題「ガラス論」」『Arts and media』第9号、2019年、152-163頁
口頭発表
1.「肉/体――音楽により二重化される特権的肉体」日本ポピュラー音楽学会第32回年次大会 ワークショップ「身体のポリフォニー : 踊り手、演じ手、歌い手」、2020年12月27日
2.‘“Audience” in the Words of Juro Kara –Changes in Kara’s Theory of Audience in the Context of Changing Theatre Space,’ 9th international Asian Theatre Studies conference: Theatricality and Audience in Contemporary, Shanghai, China., 6 November 2021.
3.「ドラマツルギーとしての海外遠征 ― 唐十郎の 1970 年代前半戯曲作品をめぐって―」、2024年度 日本演劇学会 全国大会、2024年6月9日


https://researchmap.jp/shizukaArai

  

岡田 登貴 (OKADA Toki)

研究テーマ:下間少進研究:戦国最末期から江戸最初期を生きた本願寺坊官にして能役者下間少進仲之(1551-1616)の事蹟を通して、変革期の能を考える。
論文
1.「下間少進仲之の家系再考 下間丹後光頼との姻戚関係をめぐって」『演劇学論叢』21、2022年3月、(pp.19-40)
2.「天満定専坊蔵『三番定専坊蔵世系』」『藝能史研究』239、2022年10月、(pp.28-42)資料紹介(査読付)
3.「『童舞抄』執筆の契機 下間少進と豊臣秀次の関係をめぐって」『民族藝術学会誌 arts/』40、2024年3月、(pp.99-110)(査読付)
口頭発表
1.「下間少進能伝書・能型付相伝の諸相 -「余情」をキイワードとして-」能楽学会第19回大会、リモート開催、2021年3月13日
2.「下間少進――本願寺坊官にして能役者 「素人」「玄人」の境を超えて」EACJS_東アジア日本研究者協議会 第六回国際学術大会_次世代パネル「越境・変容する日本演劇を辿る――中世から現代にかけて」パネル内報告、リモート開催、2022年11月5日
3.「下間少進仲之の邸宅と能《頼政》」第60回藝能史研究會大会、 龍谷大学大宮学舎、2023年6月11日

湯 書華 (TANG Shuhua)

研究テーマ:「序破急」研究
論文
1.「江戸期における中国戯曲の翻訳:嵐翠子『填詞胡蝶夢』について」『日本中国学会報』第74集、日本中国学会、2022年10月
2.「『春の深山路』における飛鳥井雅有と東宮:蹴鞠の側面から考える」『演劇学論叢』第23集、大阪大学人文学研究科演劇学研究室、2024年3月
口頭発表
1.「江戸期における中国戯曲の翻訳ー嵐翠子『填詞胡蝶夢』について」日本中国学会第74回大会、愛知大学(オンライン開催)、2021年10月9日
2.「飛鳥井雅有の紀行と蹴鞠:東宮への思いをめぐって」国際研究集会「〈紀行〉研究の新展開」、オンライン開催、2023年2月22日
3.「十三世紀蹴鞠書における「序破急」:その形成過程と意味」芸能史研究会例会、オンライン開催、2023年3月10日

井上美佳 (INOUE Mika)

研究テーマ:ダルクローズの考案したリトミックの日本受容期 ~日本人の身体性~
論文
1.「リトミックにおける即興演奏」についての一考察、岩国短期大学紀要第52号、単著、2024年3月、pp.13-22
2.「デルサルト表情システムの日本における受容ー2代目市川左団次と白井規矩郎の受容の軌跡からー」岩国短期大学紀要第51号、単著、2023年3月、pp.11-21
3.「ダルクローズリトミック理論の変遷」、岩国短期大学紀要第50号、単著、2022年3月、pp.1-13
ポスター発表
1.「音楽授業におけるインタラクティブ・ティーチングの実践 ~大学生を対象とした「初心者のための鍵盤楽器奏法」を事例として~」、日本音楽教育学会第50回東京大会、東京芸術大学、単著、令和元年10月19日
口頭発表
1.「保育者養成校における学生の自己評価委に関する研究‐学習成果の評価方法に着目して-」、日本保育学会第74回大会、共同研究、令和3年5月15日
その他
1.令和5年度 一般社団法人全国保育士要請協議会ブロック研究助成採択「文化的に多様な子どもを包摂する多文化共生保育実現のための保育者養成校のカリキュラム構築に関する研究」報告書、共著、2024年3月
2.令和4年度 中四国保育士養成協議会教職員研究費助成採択「保育者養成校教員の専門性を活かしたモデルカリキュラムの開発ー教育・保育の5領域を往還する授業展開に着目してー」報告、共著、2023年4月

D2
メンドス・ピント・フェリペ (MENDES PINTO Felipe)

研究テーマ:現代新作能における演劇翻訳論と文化記号論 -日本と海外の実験的な異文化対話-
修士論文
1.サンパウロ大学文学研究科:『大竹富江とハロルド・デ・カンポスにおける幽玄の美的な翻訳』、ポルトガル語タイトル:『Entre o Nascer e o Pôr do Sol: Yūgen (幽⽞) e Transcriações Estéticas em Tomie Ohtake e Haroldo de Campos』、令和4年4月20日
論文
1.「『松風』における夢幻能・死・喪」、サンパウロ大学出版『日本文化と破局』令和5年11月10日
口頭発表
1.「日本の現代新作能における異文化対話 ー演劇翻訳と翻案ー」、英語タイトル:「Intercultural dialogues in Japanese contemporary new-made Nō theatre (Shinsaku-nō): theatrical translation and adaptation」第11回アジア国際演劇学会、上海戯劇学院、令和5年11月5日

曹瑾儀 (CAO Jinyi)

研究テーマ:日中古典演劇芸人身分
口頭発表
1.「中国唐代の太常寺における楽人の身分をめぐって」大阪大学人文学研究科第九回若手研究者フォーラム、2024年3月5日

D1
細川久美子 (HOSOKAWA Kumiko)

研究テーマ:近松門左衛門を中心とした浄瑠璃作品研究、人形浄瑠璃かしらの造型研究
論文
1.「『曾根崎心中』道行再考ー『八帖花伝書』「哀傷」の内容と謡曲〈三井寺〉の詞章に基づくー」『演劇学論集 日本演劇学会紀要』70、日本演劇学会、2020年6月、(pp.109-127)
2.「『娥歌かるた』考ー絵島事件の当て込みと首桶を用いた首実検の趣向をめぐってー」『演劇学論集 日本演劇学会紀要』73、日本演劇学会、2021年12月、(pp.39-56)
3.「人形浄瑠璃の「敵役かしら」についてー地方に遺存する古形かしらの造型分類による考察ー」『藝能史研究』199、藝能史研究会、2012年10月、(pp.1-23)

口頭発表
1.「佐川藤太作『〈弘法/大師〉いろは物語』考ー先行作改変の背景と正本奥書識語に記された「新いろは物語」についてー」演劇研究会、龍谷大学大宮キャンパス、2023年9月2日

馬超 (MA Chao)

研究テーマ:謡曲における唐物


大学院生紹介(博士前期課程)

M2
朝原広基 (ASAHARA Hiroki)

研究テーマ:能楽の地域性、または能楽と地域性
口頭発表
1.「昭和13年の新作能《正高》の背景―時局性と地域性―」、第9回若手研究者フォーラム、大阪大学、2024年3月5日
2.「岸和田の能楽師・杉江櫻國について―先進性と地域性―」、藝能史研究會8月例会、オンライン開催、2023年8月10日

康昂森 (KOU Koushin)

研究テーマ:日中の伝統演劇の楊貴妃像の比較研究

菅本歩 (SUGAMOTO Ayumu)

研究テーマ:『ジュリアス・シーザー』の翻案作品にみられる再構築としての翻訳

高木帆乃花 (TAKAGI Honoka)

研究テーマ:「毛抜」研究 二代目市川團十郎の初演と二代目市川左団次による復活上演
卒業論文「『雷神不動北山櫻』研究 ―不動明王との関わりを中心に―」

藤枝優希 (FUJIEDA Yuki)

研究テーマ:蜷川幸雄演出『王女メディア』上演研究

M1
伊藤晃 (ITO Hikari)

研究テーマ:映写を用いた村山知義による演劇作品

木村美咲 (KIMURA Misaki)

研究テーマ:ミュージカルにおける舞踏の表象、特にDream Balletについて

薛静宜 (SETSU Seigi)

研究テーマ:越境する「いのち」のトポロジー謡曲『松虫』の作品様式をめぐって


大阪大学人文学研究科芸術学専攻
演劇学研究室

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