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懐徳堂とは

◆懐徳堂の誕生

懐徳堂は、享保9年(1724)、大坂町人によって創設された学問所です。江戸時代の後半約140年にわたって大坂学術の発展と商道徳の育成に貢献しました。一時は、江戸の昌平坂学問所と並ぶ隆盛を誇ったと伝えられています。

中井竹山(なかいちくざん)・履軒(りけん)兄弟をはじめ、富永仲基(とみながなかもと)・山片蟠桃(やまがたばんとう)などのすぐれた学者を輩出しました。大阪大学はこの懐徳堂を源流とする総合大学です。

中井竹山肖像画

中井竹山肖像画

中井履軒肖像画

中井履軒肖像画

山片蟠桃像

山片蟠桃像

◆精神を受け継ぐ阪大文学部

明治2年(1869)に一旦閉校した懐徳堂は、大正5年(1916)に再建されます。懐徳堂の復興と顕彰を進めたのは、財団法人懐徳堂記念会です。

再建された懐徳堂は、昭和20年(1945)の大阪大空襲によって焼失するまで、大阪の市民大学・文科大学として多くの市民に親しまれました。

幸いに戦災を免れた3万6千点の資料は、昭和24年(1949)、文学部の設立を機に、記念会から大阪大学に寄贈されました。

重建懐徳堂

重建懐徳堂

重建懐徳堂玄関前、関係者の集合写真

重建懐徳堂玄関前、関係者の集合写真

◆社会に開かれた〈知〉と〈徳〉

『懐徳堂文庫図書目録』

『懐徳堂文庫図書目録』

文学部では、昭和51年に『懐徳堂文庫図書目録』を文学部創立25周年事業として刊行しました。また、記念会と協力して春秋記念講座・古典講座などの市民講座を開講しています。そこに一貫するのは、懐徳堂創立以来の開かれた精神、自由・独創を重んずる気風です。

◆平成の懐徳堂

懐徳堂文庫電子図書目録

WEB懐徳堂

21世紀を迎え、懐徳堂は新たな展開をとげようとしています。文庫資料の総合調査、電子情報化事業、アーカイブ講座など、新たな試みは内外で注目を集めています。これに関連して公開されたのが、懐徳堂研究の総合サイト「WEB懐徳堂http://kaitokudo.jp/」です。

◆懐徳堂の復元模型

平成11年度から始まった懐徳堂文庫資料の総合調査の過程で、重建懐徳堂(大正5年に再建された懐徳堂)の設計図が発見されました。 これにもとづいて平成17年(2005)10月に制作されたのが、懐徳堂復元模型(50分の1サイズ)です。この模型によって、大阪の持つ文化力と、学問に寄せた当時の人々の熱き思いを実感していただければ幸いです。

懐徳堂の復元模型

懐徳堂の復元模型