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参考文献ピックアップ

懐徳堂に関する単行本のうち、比較的簡単に入手できるものを若干ご紹介します。

懐徳堂に関する入門書・概説書・専門書など

『懐徳堂の至宝 ―大阪の「美」と「学問」をたどる―』

湯浅邦弘著、大阪大学出版会、2016年、ISBN978-4-87259-523-9 本体2,000円

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重建懐徳堂の開学100年を記念した資料図録。
最近新発見の資料の大型写真をはじめ、修復をほどこしてより図柄が明瞭になった最新版を多く含む。カラー版36頁。

主要目次

  • 第一章 懐徳堂の至宝
  • 第二章 懐徳堂の誕生と草創期
  • 第三章 懐徳堂の「知」の展開
  • 第四章 よみがえる懐徳堂
  • 第五章 懐徳堂の史跡をたずねる

『増補改訂版 懐徳堂事典』

湯浅邦弘編著、大阪大学出版会、2016年、ISBN978-4-87259-570-3 本体3,000円

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大阪大学の源流といわれる懐徳堂に関する諸情報の解説。2001年に初版を刊行したが、その後、研究が進み、新発見もあるところから項目を増やした改訂版である。懐徳堂の歴史に沿って、内容別に全8章にわけて簡潔に解説している。全項目数562

主要目次

  • 第1章 懐徳堂の成立
    • 1 懐徳堂前史
    • 2 初期懐徳堂
  • 第2章 懐徳堂の経営と教育
    • 1 懐徳堂の経営
    • 2 懐徳堂の学則
  • 第3章 懐徳堂の学問
    • 1 学問の特色
    • 2 三宅石庵・中井甃庵・三宅春楼・五井蘭洲
    • 3 中井竹山
    • 4 中井履軒
    • 5 中井蕉園・中井碩果
  • 第4章 懐徳堂の周辺
    • 1 懐徳堂と政治
    • 2 懐徳堂と諸学
    • 3 懐徳堂の交友・門人
  • 第5章 懐徳堂の終焉と復興
    • 1 懐徳堂の終焉
    • 2 懐徳堂の復興
  • 第6章 懐徳堂文庫関係書誌情報
  • 第7章 懐徳堂の名言
  • 第8章 懐徳堂関係施設

『墨の道 印の宇宙  懐徳堂の美と学問』

湯浅邦弘著、大阪大学出版会、2008年、ISBN978-4-87259-242-9 本体1,700円

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懐徳堂に伝わる大量の印章。陽刻・陰刻、落款など印章の基礎知識を解説しながら、印文の意味をさぐる。
印章という小世界に見る懐徳堂の歴史。

主要目次

  • (一)大坂町人の学校
    • 1 貴賎や貧富を問わず同輩
    • 2 日本最高水準の高等教育
    • 3 二つの奇跡
  • (二)奈良 大坂 墨の道
    • 1 製墨の工程
    • 2 虎変と豹変-「礼楽刑政」墨と寛政の改革-
    • 3 荻生徂徠と懐徳堂-「吾先子」墨-
    • 4 懐徳堂と古梅園
  • (三)印象の中の小宇宙
    • 1 篆刻と印章の基礎知識
    • 2 懐徳堂譜
    • 3 風格と雄渾-中井竹山の印-
    • 4 造形の妙-中井履軒の印-
    • 5 歴史を刻む-蕉園・柚園・桐園らの印-
  • 懐徳堂印章ギャラリー

『江戸時代の親孝行』

湯浅邦弘編著、大阪大学出版会、2009年、ISBN978-4-87259-243-6 本体1,800円

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「家族」を見直す新鮮な手がかり
森鴎外が題材にした大坂の五孝子事件。浄瑠璃、落語、工芸など。
江戸文化の中の「孝」を紹介しながら、現代社会の葬送儀礼の行方を考える。

主要目次

  • まえがき(湯浅邦弘)
  • 一 江戸時代の親孝行
    • 1 森鴎外と五孝子事件(湯浅邦弘)
      • (1)かつらや事件
      • (2)「孝」とは何か
    • 2 孝子の顕彰 (佐野大介)
      • (1)孝子と貞婦
      • (2)中国の孝行譚
      • (3)顕彰運動の広がり
  • 二 江戸文化にみる親孝行(佐野大介)
    • 1 舞台芸術
      • (1)浄瑠璃
      • (2)能
      • (3)狂言
    • 2 落語
    • 3 工芸
  • 三 終わりなき「孝」
    • 1 祖先を祀る(湯浅邦弘)
      • (1)「祠堂」-祖先祭祀の空間
      • (2)懐徳堂の祭祀空間
    • 2 理想の葬礼(黒田秀教)
      • (1)仏葬
      • (2)神主に記す親の名前
  • 四 「孝」辞苑(池田光子)
  • 参考文献
  • 掲載図版一覧

市民大学の誕生

竹田健二著、大阪大学出版会、2010年、ISBN978-4-87259-244-3 本体2,000円

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大阪の誇るべきもう一つの学校

明治の末、江戸時代の大坂の文教を支えた懐徳堂を顕彰する運動が盛り上がり、大正に入ると財団法人懐徳堂記念会が大阪の市民大学として積極的な活動を展開していった。

懐徳堂の学主の子孫である中井木菟麻呂とのかかわりに注目しながら、新資料に基づいて戦前の大阪の市民大学「重建懐徳堂」誕生の経緯を探る。

主要目次

  • はじめに
  • 一 大坂学問所‐懐徳堂の歴史
  • 二 懐徳堂の復興‐懐徳堂記念会と財団法人懐徳堂記念会
    1. 大阪人文会と懐徳堂の顕彰
    2. 懐徳堂記念会の発足
    3. 懐徳堂記念会の活動開始
    4. 懐徳堂記念祭
    5. 記念祭挙行後の記念会
    6. 財団法人懐徳堂記念会
    7. 重建懐徳堂の講義・講演
    8. 大正末から昭和初期の重建懐徳堂
    9. 戦後の財団法人懐徳堂記念会
  • 三 中井木菟麻呂と懐徳堂記念会
    1. 中井木菟麻呂
    2. 懐徳堂顕彰運動と木菟麻呂
    3. 大阪人文会による懐徳堂の懸賞運動と木菟麻呂
    4. 『秋露記』から明らかになった新事実‐『懐徳堂水哉館先哲遺事』
    5. 『秋露記』から明らかになった新事実‐『論語逢原』
    6. 『秋露記』から明らかになった新事実‐『懐徳堂紀年』
    7. 『秋露記』から明らかになった新事実‐履軒への贈位
    8. その後の木菟麻呂と記念会

漢学と洋学 伝統と新知識のはざまで

岸田知子著、大阪大学出版会、2010年、ISBN978-4-87259-245-0 本体1,700円

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懐徳堂・適塾の知のネットワーク !
漢文で学んだ知識人に、西洋学問はいかに受けいれられたか。

江戸後期の大坂に芽吹く洋学の土壌がに漢学があったこと、それが適塾をはじめとする幕末の蘭学の発展の一要因となることを、佐久間象山、中井履軒などの思想と学問を通して探る。

主要目次

  • この本を読むまえに
  • ■ 漢学ミニ知識
  • (一) 洋学受容と漢学
  • (二) 洋学者たちと漢学
    • 1 洋学者と漢文
    • 2 日本の医学‐蘭学以前
    • 3 漢学の足かせ‐華夷思想・「聖賢の学」との闘い
        杉田玄白『狂医之言』/大槻玄沢『蘭学階梯』の序文・跋文
  • (三)洋学がつなぐ大坂知的ネットワーク
    • 1 懐徳堂と適塾
    • 2 中井履軒と山片蟠桃‐洋学受容の立場から
  • (四)伝統と新知識のはざまで
    • 1 二つの五行論‐前野良沢と山片蟠桃
    • 2 漢学者と洋学‐広瀬旭荘の場合

『懐徳堂とその人々』

脇田修・岸田知子著、大阪大学出版会、1997年、ISBN4-87259-028-7、本体1,500円

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どちらかと言えば入門者むけの、平易な一冊。

主要目次

  • 1章 懐徳堂の創建
    • 創立前史
    • 創建
  • 2章 懐徳堂の人びと 懐徳堂の学問を育てた人びと
    • 三宅石庵
    • 中井甃庵
    • 五井蘭洲
    • 中井竹山
    • 中井履軒
  • 3章 町人学者 懐徳堂に学んだ人びと
    • 富永仲基
    • 山片蟠桃
    • 草間直方
  • 4章 懐徳堂の展開とその終焉
    • 世代の交代
    • 懐徳堂の終焉
  • 5章 近代での復興
    • 復興への希望と重建懐徳堂
    • 戦後の懐徳堂

『懐徳堂事典』

湯浅邦弘編著、大阪大学出版会、2001年、本体2,800円

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大阪大学創立70周年記念に作成された“バーチャル懐徳堂”の内容を、大幅に増補したもの。

個々の事項を体系だって配列し、“読む事典”という形式をとる。

『懐徳堂の歴史を読む』

湯浅邦弘・竹田健二著、大阪大学出版会、2005年、ISBN 9784872591903、本体1,000円

  • 懐徳堂の大事件(江戸時代;明治・大正・昭和前期)
  • よみがえる懐徳堂の編年史―『懐徳堂紀年』
  • 綴じ込み『懐徳堂紀年』
  • 今に生きる懐徳堂
  • 懐徳堂を知る(懐徳堂の著名人;懐徳堂の重要資料)
  • 懐徳堂問答集(江戸時代編;重建懐徳堂および平成の懐徳堂編)

『見る科学の歴史―懐徳堂・中井履軒の目』

大阪大学総合学術博物館、大阪大学出版会、2006年、ISBN 9784872592078、本体1,000円

『大坂学問史の周辺』

梅溪昇著、思文閣出版、1991年、ISBN4-7842-0640-X、本体2,300円

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  • 大坂の学問史について
  • 近世大坂の学問
  • 含翠堂では何を勉強していたか
  • 河瀬菅雄とその墓碑について
  • 含翠堂・懐徳堂ゆかりの神光寺について
  • 含翠堂(土橋)文庫の由来と整理
  • 『平野含翠堂史料』あとがき
  • 含翠堂顕彰碑文
  • 含翠堂旧阯碑建立趣旨
  • 懐徳堂について―大阪大学の一源流
  • 懐徳堂における儒学と町人
  • 新出の新造学校観光院図について
  • 懐徳堂と西村時彦(天囚)
  • 西村天囚と「日間瑣事備忘」
  • 懐徳堂記念会
  • 「懐徳堂・友の会」の発足にさいして
  • 『懐徳堂文庫図書目録』序

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『中井竹山・中井履軒』(叢書・日本の思想家 24)

加地伸行ほか著、明徳出版社、1980年、ISBN4-89619-624-4、本体2,500円

『自由学問都市大坂―懐徳堂と日本的理性の誕生』

宮川康子著、講談社選書メチエ、2002年、ISBN4062582325、本体1,500円

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目次

  • はじめに―よみがえる近世大坂の「知」
  • 第1章 町人学問所懐徳堂
  • 第2章 江戸対大坂―知の権威への反抗
  • 第3章 富永仲基―夭逝の天才学者
  • 第4章 中井履軒と上田秋成―夢と虚構の世界
  • 第5章 心学と懐徳堂―2つの「かわしまものがたり」
  • 第6章 武士無用論―中井竹山の「草茅危言」
  • 第7章 近代的知の濫觴―懐徳堂の洋学
  • 第8章 理性と合理主義―山片蟠桃「夢の代」の世界
  • おわりに―懐徳堂から適塾へ=「自由学問都市」の終焉

『富永仲基と懐徳堂―思想史の前哨』

宮川康子著、ぺりかん社、1998年、本体2,600円

出版元による紹介ページへのリンク
  • 第1章 反徂徠としての富永仲基―「論語徴駁説」を中心に
  • 第2章 近世市井の歴史意識―『日本春秋』と『日本春秋書入鈔』
  • 第3章 譬喩の言語学―富永仲基「三物五類」の説
  • 第4章 あたりまえの誠の位相―「誠の道」と『中庸』の誠をめぐって

『懐徳堂朱子学の研究』

陶徳民著、大阪大学出版会、1994年、ISBN4-87259-002-3、本体6,500円

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かなり専門的な研究書。

  • 近世儒学史における懐徳堂朱子学の位置
  • 朱子哲学の研鑽
  • 天文・地理の探究
  • 経世策の考案
  • 徂徠学批判
  • 古代史観と神道批判
  • 無鬼論
  • 懐徳堂朱子学の諸特性
  • 懐徳堂をめぐる研究史

『図録・懐徳堂―浪華の学問所』

懐徳堂友の会・記念会編・発行、大阪大学出版会発売、1994年、ISBN4-906482-00-7、本体2,000円

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『懐徳堂考』

西村天囚著、懐徳堂・友の会、1984年

明治末期に出版された同名の書を復刻したもの。享保より明治に至る懐徳堂の歴史を俯瞰している。

専門的な記載が多く、初心者には不向きであるが、懐徳堂について研究するためには必ず参照せねばならない基本書である。

講演集

『鎖国してはならない』

大江健三郎、講談社、2001年、本体1,700円、ISBN4062107791

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ノーベル賞作家・大江健三郎の講演集。「懐徳堂から東海村まで」を含む。

歴史小説・戯曲など

『大坂町人学者たちからの伝言』

柳田昭、澪標、2000年、本体1,600円、ISBN4-944164-49-1

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『関西文学』に連載された作品などを収めた連作小説。

「中井竹山と履軒」「山片蟠桃」「緒方洪庵」などを含む。

『富永仲基異聞―消えた版木』

加藤周一、かもがわ出版、1998年、本体2,200円、ISBN4876993750

『懐徳堂文庫復刻叢書』シリーズ

大阪大学懐徳堂文庫が所蔵する懐徳堂の名著を写真版で復刻刊行したシリーズ。

懐徳堂関係資料の中でもとりわけ貴重な名著について、各々の全文を掲載し、詳細な解題を付す。

  • 中井竹山『非徴』
  • 五井蘭州『非物篇』
  • 中井履軒『華胥国物語』
  • 中井履軒『史記雕題』(上・中・下)
  • 中井履軒『中庸雕題』
  • 中井履軒『詩雕題』
  • 中井履軒『論語雕題』
  • 中井履軒『周易雕題』
  • 中井履軒『荘子雕題』
  • 中井履軒『孟子雕題』

『懐徳堂文庫復刻叢書』シリーズ各冊の詳細については、財団法人懐徳堂記念会のページを参照のこと。