大阪大学考古学研究室

教員紹介

福永伸哉(ふくなが しんや)

大阪大学人文学研究科教授、文学博士

略歴:1959年11月広島県福山市生。広島県立福山誠之館高校卒業後、大阪大学文学部史学科、同大学院文学研究科に学ぶ。大阪大学埋蔵文化財調査室助手、文学研究科助教授をへて、2005年4月より現職(2022年4月、組織改編により人文学研究科教授)。
大阪大学評議員(2016~2019年度)、文学研究科長・文学部長(2018~2019年度)、日本学術会議会員(2014年~2020年)。

現在、日本学術会議連携会員、文化審議会文化財分科会専門委員、百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産学術委員会委員、史跡古市古墳群整備検討委員会委員、大阪府立近つ飛鳥博物館運営協議会委員、兵庫県立考古博物館運営委員会委員、豊中市文化財審議委員会委員、川西市文化財審議委員会委員、高槻市史跡整備指導検討会議委員、南あわじ市松帆銅鐸調査研究委員会委員、史跡断夫山古墳調査検討委員会委員、鹿屋市岡崎古墳群検討委員会委員、東串良町唐仁古墳群調査指導委員会委員、三木市史通史編専門委員会委員、桜井市纒向学研究センター協同研究員、(一財)大阪市文化財協会理事、考古調査士資格認定機構資格審査専門委員会委員、考古学研究会常任委員などをつとめています。

1996年第6回雄山閣考古学特別賞、2003年大阪大学共通教育賞、2006年第19回濱田青陵賞、2015年大阪大学総長顕彰。

研究テーマ

弥生時代、古墳時代の青銅器、葬送儀礼、集落構造、列島内の地域関係、東アジアの歴史動向などに着目して、前方後円墳の出現過程を復元するとともに、そうした時代の持つ歴史性を資料面と理論面から追求しています。
近年は、巨大墳墓を築造した世界の諸文化を比較する研究を進めています。また、「卑弥呼の鏡」とも呼ばれる三角縁神獣鏡の製作地、編年、分布論などの論争にも加わっています。遺跡や発掘調査の現場をこよなく愛します。
国内の遺跡の発掘調査を毎年実施しているほかに、1991~2002年にはトルコ共和国地中海岸の中世都市遺跡の発掘調査にも携わりました。2015年度からは継続して、畿内北部の猪名川流域の前期古墳を調査しています。

最近の主な著作

★福永伸哉「文化財保護行政を次世代につなぐために」『考古学研究』62-4、2016年3月
★福永伸哉、宇垣匡雅、古市秀治「平井西山(操山109号)古墳資料の研究」『古代吉備』第27集 古代吉備研究会、2016年4月
★福永伸哉「日欧墳丘墓比べ」『歴博』197, 国立歴史民俗博物館、2016年7月
★福永伸哉「大学における考古学教育」『考古学ジャーナル』690、2016年10月
★福永伸哉「畿内から見た城の山古墳」『城の山古墳発掘調査報告書』新潟県胎内市教育委員会、2016年10月
★福永伸哉「ヤマト政権成立期における猪名川流域の重要性」『待兼山論叢』大阪大学文学会50号、2016年12月
★福永伸哉「3世紀のヤマトと外交」『総別シンポジウム』ふたかみ邪馬台国シンポジウム17 資料集 ふたかみ史遊会、2017年3月
★福永伸哉「世界遺産候補に百舌鳥・古市古墳群」神戸新聞他、2017年8月
★福永伸哉「小熊山古墳・御塔山古墳をめぐって-3~5世紀代のヤマト政権と別府湾勢力-」『東西交流の窓 小熊山古墳・御塔山古墳-九州と瀬戸内海をつなぐ両古墳-』大分県杵築市教育委員会、2017年11月
★福永伸哉「古墳出土の内行花文鏡と方格規矩鏡」『待兼山考古学論集Ⅲ』大阪大学考古学研究室、2018年3月
★福永伸哉 「欧州の墳丘墓と日本の古墳」上野祥史(編)『世界の眼で見る古墳文化』国立歴史民俗博物館、2018年3月
★福永伸哉 (翻訳:Thomas Knopf,“Burial mounds in Europe”) 「ヨーロッパの墳丘墓」上野祥史(編)『世界の眼で見る古墳文化』国立歴史民俗博物館、2018年3月
★福永伸哉 「邪馬台国と纒向遺跡・箸墓古墳」『畿内の古代学』Ⅱ、雄山閣、2018年9月
★Thomas Knopf, Werner Steinhaus & Shin'ya Fukunaga (ed.), 【斜字】Burial Mounds in Europe and Japan: Comparative and Contextual Perspectives, Archaeopress, 2018年11月
★福永伸哉 「日本の古墳と世界の墳丘墓」『日本古墳研究リソースを活かした墳丘墓築造と社会関係の国際研究展開』大阪大学文学研究科、2019年3月
★福永伸哉 「近畿弥生社会における銅鐸の役割」『季刊考古学別冊』28、雄山閣、2019年5月
★石野博信、来村多加史、福永伸哉他(共著) 『魏都・洛陽から倭都・邪馬台国へ』雄山閣、2019年10月
★福永伸哉 「邪馬台国期における畿内の地域関係」『つどい』381号、豊中歴史同好会、2019年10月
★福永伸哉 「大阪初の世界遺産、百舌鳥・古市古墳群」『三洋化成ニュース』№517、2019年11月
★福永伸哉 「百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録」『月刊文化財』第一法規、№675、2019年12月
★福永伸哉 「三角縁神獣鏡の伝世現象と出土古墳の性格」『古墳と国家形成期の諸問題-白石太一郎先生傘寿記念論文集』山川出版社、2019年10月
★福永伸哉 「国の成り立ちと史跡城の山古墳」『史跡城の山古墳国指定記念講演会記録集』新潟県胎内市教育委員会、2020年3月
★松木武彦、福永伸哉、佐々木憲一他(共編著) 『日本の古墳はなぜ巨大なのか-古代モニュメントの比較考古学-』吉川弘文館、2020年3月
★福永伸哉「世界遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群」『古代文化』72巻2号、2020年9月
★福永伸哉「近畿中部における弥生時代木棺の型式と展開」『柳本照男さん古稀記念論集 -忘年之交の考古学-』同刊行会、2020年12月
★福永伸哉「大垣市東町田墳墓群からの着想」『昼飯の丘に集う-中井正幸さん還暦記念論集-』真陽社、2021年3月

新聞寄稿

★「邪馬台国のメインルートつながる」読売新聞 1997年8月4日
★「黒塚古墳の三角縁神獣鏡」京都新聞他 1998年1月12日
★「浮かび上がる三角縁神獣鏡の意味」毎日新聞 1998年5月1日
★「前方後円墳成立過程を語るホケノ山」神戸新聞他 2000年3月31日
★「交易と技術誇った丹後勢力」毎日新聞 2000年10月24日
★「邪馬台国と大和政権に一石─奈良・勝山「古墳」─」 しんぶん赤旗 2001年6月13日
★「貿易技術立国を図る─丹後の古代再考④─」 京都新聞 2001年8月29日
★「発掘調査のネット公開にとりくんで思うこと」 学生新聞 2002年1月12日
★「三角縁神獣鏡の成分分析」西日本新聞 2004年6月8日
★「空白期 河内勢力台頭か」朝日新聞 2005年9月24日
★「隠された歴史まだ深く-三角縁神獣鏡が語るもの-」朝日新聞 2006年9月8日
★「鳴門・板野古墳群を考える-政権と太いパイプ-」徳島新聞 2006年10月18日
★「横穴式石室に斬新さ-難工事が表す継体新政権の決意-」毎日新聞 2007年3月12日
★「世界遺産候補に百舌鳥・古市古墳群-世界でも比類なき巨大性-」神戸新聞 2017年8月8日


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