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言語生態論コース

日々国際化し、多岐にわたって情報化していく現代社会においては、言語の果たす役割がますます増大の一途をたどっています。その多様化する現代社会で用いられ、一方ではまたそれ自身がさまざまな側面で変容しつつある言語の実態を適切に理解し把握するために、これまでの言語研究の方法にとらわれない柔軟な姿勢で、より広い総合的な見地から言語を考えることが必要になってきました。

このような必要性にこたえて、本コースでは、言語や言語が伝える情報の実態を言語生成や変化、言語の比較対照、言語データの数量的把握などのさまざまな観点から総合的に分析し理解することを試みます。そして、そのような作業を通じて、一般の大学院生や、実際に言語教育に携わっている学校教員、新聞・雑誌、出版・宣伝広告等に関わっている社会人を、高度専門職業人として養成することを本コースの重要な目的とします。

教員紹介

教授 加藤正治 教授 田野村忠温 教授 神山孝夫 教授 渋谷勝己 教授 岡田禎之

教授 加藤正治

かとう まさはる
1955年生。名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程修了(英語学講座)。文学修士(名古屋大学、1979)。名古屋大学助手、甲南女子大学講師、大阪外国語大学助教授、同教授を経て、2007年10月より大阪大学大学院文学研究科教授。
専攻:英語学
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研究紹介
英語の歴史的変化を現代言語学(「生成文法理論」)の枠組みでどのように記述するかを研究しています。英語の母国語話者は頭の中に英語を自由に操る能力、即ち「英語の文法」を内蔵しています。従って、英語の歴史的変化とはそれぞれの時代の母国語話者が持つ英語の文法の変化にほかなりません。文法を規則と原理の体系であると単純化すれば、「文法の変化」=「規則と原理の変化」ということになります。そのような変化の中でも特に統語変化を生成文法理論でどのように説明するかを研究しています。
メッセージ
統語論研究は謎の解明に似たところがあります。興味深い統語現象という謎が提示され、次にそれに関する一連の事実が観察によって得られる。それらの事実をもとにして、利用可能な原理・原則、規則といった手段を駆使して(場合によっては新たな原理・原則、規則を提唱することもあります)、その謎を解明する。謎が鮮やかに解明された時の爽快感はなにものにも代えがたいところがあります。そのような爽快感を味わってみたい方のお手伝いができればよいと思っています。
主要業績
「16世紀及び17世紀の英訳聖書の『マタイ伝』にみられる倒置とThere 構文」『近代英語の諸相』(英潮社、1993);「NegPと英語否定文の変遷」『近代英語研究』第10号(1994);「否定命令文の変遷に関する一試案―研究ノート―」『言語の深層を探ねて』(英潮社、1996);「『欽定訳聖書』にみられる動詞第二位現象について」『待兼山論叢』第43号(2009);「『カンタベリー物語』にみられる否定辞neについて」『英米研究』第36号(2012)
概説・一般書
『現代英語正誤辞典』(共著、研究社、1996);『英語学用語辞典』(共著、三省堂、1999);『ワードパル和英辞典』(共著、小学館、2001)

2016年 11月更新

教授 田野村忠温

たのむら ただはる
1958年生。京都大学大学院文学研究科博士後期課程学修退学(言語学専攻)。文学修士(京都大学、1984)。奈良大学文学部講師、大阪外国語大学外国語学部講師、同助教授、同教授を経て、2007年10月より大阪大学大学院文学研究科教授。
専攻:言語学・日本語学
研究紹介
現代日本語を中心として、人間の言語の文法・語彙・意味・音韻などの諸現象に見出される規則性やその変化の様子を分析・考察しています。また、近年では、電子資料の利用によって日本語研究をいかに発展させられるかという課題や近代日中両語の語彙交流の問題にも関心を持って取り組んでいます。
メッセージ
言語の研究にはその対象と方法の両面に関して無限の可能性があり得ます。対象面でも方法面でも、興味の範囲を始めから限定するのではなく、自由な意識で多様な可能性に向き合おうとする学生を歓迎します。広く学び、よく考える過程で、今まで取り立てて考えることもしなかった言語の側面に興味が芽生えることも多いはずです。
主要業績
『現代日本語の文法Ⅰ―「のだ」の意味と用法―』(和泉書院、1990);「コピュラ再考」『複合辞研究の現在』(和泉書院、2006);「複合辞の本性について」『言葉と認知のメカニズム』(ひつじ書房、2008);「日本語のコロケーション」『これからのコロケーション研究』(ひつじ書房、2012);「BCCWJの資料的特性─コーパス理解の重要性─」『講座日本語コーパス6 コーパスと日本語学』(朝倉書店、2014);「『科学』の語史─漸次的・段階的変貌と普及の様相─」『大阪大学大学院文学研究科紀要』第56巻(2016);「近現代語『可能』の成立─日中両語間の双方向的影響─」『大阪大学大学院文学研究科紀要』第57巻(2017)
概説・一般書
『講座ITと日本語研究4 Rubyによるテキストデータ処理』(明治書院、2012);『コーパス日本語学ガイドブック』(服部匡・杉本武・石井正彦各氏との共著、特定領域研究「日本語コーパス」日本語学班、2007);R.グリシュマン著『計算言語学―コンピュータの自然言語理解―』(サイエンス社、山梨正明氏との共訳、1989)

2017年 8月更新

教授 神山孝夫

かみやま たかお
1958年生。東京外国語大学大学院外国語学研究科修士課程修了。博士(文学)(東北大学)。大阪外国語大学外国語学部教授を経て、2007年10月より大阪大学大学院文学研究科教授。
専攻:歴史言語学、音声学、ヨーロッパ文化史
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研究紹介
第一の専門は英独仏露等,ヨーロッパ諸語の歴史的研究と、それらが書き留められる以前の姿を推定し,祖語の再建を目指す印欧語比較言語学です。 従来の研究に潜在する矛盾を見出し,成果を補正する試みを行っています。 第二の専門は音声学です。 ヨーロッパ諸語と日本語の音声的差異を研究しています。 かたわらで文字論や日本語史、また中世ヨーロッパを中心に歴史、宗教、神話、文芸,歌謡等にも大いに関心があります。 授業では英語史、印欧語比較言語学、英語音声学等を担当します。
メッセージ
英語ないしヨーロッパ諸語の歴史的あるいは音声学的研究を志す方、また印欧語比較言語学に挑もうとする方を歓迎します。
主要業績
『日欧比較音声学入門』(鳳書房、1995);アンドレ・マルティネ 『「印欧人」のことば誌: 比較言語学概説』(訳編、ひつじ書房、2003); 『印欧祖語の母音組織: 研究史要説と試論』(大学教育出版、2006); 「ヨーロッパ諸語における様々な r 音について: 起源と印欧語学への示唆」 『待兼山論叢 文化動態論篇』 48 (2014); 「OE byrðen "burden" vs. fæder "father":英語史に散発的に見られる [d] と [ð] の交替について」 『言葉のしんそう(深層・真相):大庭幸男教授退職記念論文集』(2015) など.
概説・一般書
『新英和大辞典(第6版)』(外来語発音、研究社、2002); 国際音声学会編 『国際音声記号(IPA)ガイドブック: 国際音声学会案内』(竹林 滋氏と共訳編、大修館、2003); 『脱・日本語なまり: 英語(+α)実践音声学』(大阪大学出版会、2008); 「外国語発音習得における母語音声習慣認識の必要性」(招待講演、日本英語音声学会 関東支部、2011); 「印欧語比較言語学: 成立までの経緯と方法論素描」(招待講演、日本英文学会 北海道支部、2011); 『ロシア語音声概説』(研究社、2012); 「Vinaverの秘められた経歴」 シンポジウム「Bédier, Vinaver そしてFieldへ: Malory学への最新情報」(招待講演、国際アーサー王学会日本支部、2015) など.

2016年 8月更新

教授 渋谷勝己

しぶや かつみ
1959年生。東京外国語大学大学院外国語学研究科日本語学専攻修了、大阪大学大学院文学研究科日本学専攻中退。学術博士(大阪大学)。梅花女子大学講師、京都外国語大学助教授、大阪大学准教授等を経て、2009年4月より現職。
専攻:日本語学
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研究紹介
ひとりの話し手やひとつの言語共同体のなかでふたつ以上の言語や方言が接触したときに、その接触を経験した話し手や言語共同体、言語や方言にどのような変化が生じるのか/生じないのか、またどうしてそのような変化が起こるのか/起こらないのかを追究することに興味をもっています。こういった視点のもと、これまで、各地の方言の変化や、日本語を外国語として学ぶ学習者の日本語習得、日本の植民地下で日本語を身につけたミクロネシアの人々の現在の日本語能力、言語接触の場に生じる言語問題などを研究してきました。
メッセージ
昔から今に至るまで、私たちはほかの言語や方言を話す人々と接触することを繰り返し、その過程において、自分の使うことばやことばのレパートリーが変化するという経験を積み重ねてきました。このような接触は、現代社会でもごく日常的に観察できることがらですが、その接触の現場では、ことばがダイナミックに変化し、ときにコミュニケーションをめぐる言語問題や社会問題を引き起こしています。言語接触をつぶさに観察し、それを取り巻くさまざまな問題について考えてみたいと思う方をお待ちします。
主要業績
「社会言語学的にみた日本語学習者の方言能力」『日本語教育』76(1992、単著);「旧南洋群島に残存する日本語の可能表現」『無差』2(1995、単著);「旧南洋群島に残存する日本語の文法カテゴリー」『阪大日本語研究』9(1997、単著);「国語審議会における国語の管理」『社会言語科学』2-1(1999、単著);「消滅の危機に瀕した第二言語」『国立民族学博物館調査報告39 消滅の危機に瀕した言語の研究の現状と課題』(2003、単著);『シリーズ日本語史4 日本語史のインタフェース』(岩波書店2008、共著)。
概説・一般書
『社会言語学』(おうふう1992、共著);『地域性からみた日本』(新曜社1996、共著);『応用社会言語学を学ぶ人のために』(世界思想社2001、共著);『日本語学習者の文法習得』(大修館書店2001、共著);『旅するニホンゴ』(岩波書店2013、共著)。

2017年 9月更新

教授 岡田禎之

おかだ さだゆき
1965年生。大阪大学大学院文学研究科博士課程(英語学専攻)中途退学。文学博士(大阪大学、2001年)。第37回市河賞(2003年)。大阪大学助手、岡山大学講師、金沢大学助教授、神戸市外国語大学助教授、大阪大学大学院文学研究科准教授を経て、2010年4月より現職。
専攻:英語学
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研究紹介
言葉の類像性の研究、機能主義的文法分析など。言葉は人の思考 内容を伝えるものである以上、メッセージ伝達という機能を効率的に行える形に整えられているでしょうし、メッセージ内容が異なれば、それがたとえ微々たる ものであっても何らかの形で形式に反映されるのではないかという発想から、言語形式とその意味機能の対応関係(言葉の類像性)を検証していきたいと思って います。特に等位接続に代表される並列構造に興味があり、この構造と関わる様々な形式的、意味的な問題について考えています。
メッセージ
我々 が普段何気なく使っている言葉の裏にも、様々な合理性や規則性が認められます。何故この表現を使ったのか、何故他の言い方ではだめなのか、何が足りないの か、といったことを考えることは、それ自体が立派な言語学的課題であると思います。私たちが瞬時に無数の可能性の中から適切な表現を選択し、メッセージ内 容を相手に伝達することができるのはどうしてなのでしょう。言葉についての研究は私たちにとって卑近なものであるはずですし、自分の問題意識を追及してい くことが大切だと思います。
主要業績
“On the Parallelism between Sentence-formation and Text-formation with Special Reference to Coordinate Structures.” Lingua 103(1997); “Reflexive Pronouns with Split Antecedents.” Journal of Pragmatics 30(1998); "On the Conjoinability of Affixal Morphemes in English.” WORD 50 (1999); "On the Function and Distribution of the Modifiers Respective and Respectively.” Linguistics 37(1999);『現代英語の等位構造』(単著、2002)大阪大学出版会;“Comparative Standards and the Feasibility of Conceptual Expansion.” Cognitive Linguistics 20(2009)
概説・一般書
『認知意味論』(共訳1993)紀伊国屋書店;『英語学用語辞典』(共著1994)三省堂;『ユースプログレッシブ英和辞典』(共著2004)小学館;『英語多義ネットワーク辞典』(共著、2007)小学館

2017年 8月更新

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