ドイツ、スイス、オーストリアだけでなく中東欧に広がるドイツ語文化全体を対象とし、文学にとどまらず、思想・芸術から日常的な生活文化までを扱う専修です。
18 世紀にはじまり、文豪ゲーテやグリム兄弟をへて、トーマス・マンやブレヒトにいたるドイツ語文学の伝統は、カフカやフロイトなどユダヤ系の人びとの活躍によって、いっそう豊かで複雑な流れをかたちづくってきました。こうした流れは、広い意味での社会的現象の一つですから、各時代や地域の政治や経済、宗教や慣習への目配りなしに議論することはできません。伝説やメルヒェンといった口承文化、さらには衣食住など日常生活や印刷物、画像、音声などメディア相互の連関も、欠かすことのできない着眼点です。
授業では、まずドイツ語能力をアップし、そのうえで文献を深く読み抜くねばり強い思考力を身につけます。ネイティブ教員の授業では、実践的なドイツ語力も鍛えられます。研究室メンバーが全員参加し、ディスカッションやプレゼンテーションを重ねて表現力を徹底的に磨く演習も開設。小規模な専修ならではの、ともに学ぶ雰囲気を大事にしています。
教員紹介
教授 三谷 研爾 教授 吉田 耕太郎 特任講師(常勤) Johannes Waßmer
教授 三谷 研爾
みたに けんじ ドイツ・オーストリア文学/中欧文化論 19世紀末〜20世紀初頭のプラハ・ドイツ人社会とその文化/中欧の都市文学とその歴史。 |
- メッセージ
- カフカの文学テクストを入口にして、彼とその周囲のユダヤ系ドイツ知識人たちの活動、舞台となった都市プラハの政治的・社会的状況、19世紀末から20世紀初頭のハプスブルク帝国の文化・芸術環境へと関心を広げてきました。他方、日本でもっとも早くカフカに接した中島敦を追いかけるうち、満洲・朝鮮・台湾にまたがる日本語文学の世界も、視野に入ってきています。まさに「考えることは(境界を)踏み越えることである」(E・ブロッホ)です。
2020年 8月更新
教授 吉田 耕太郎
よしだ こうたろう ドイツ文化史/ドイツ文学 18世紀ドイツ語圏の印刷メディア、最近は児童文学のはじまりについて調べています。 |
- メッセージ
- ドイツ文学と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。グリム童話やゲーテの作品を読んだことのある人、ヘッセやカフカといった作家の名前を聞いたことのある人、東西ドイツの分割と統一といった歴史が思い浮かぶ人、バッハやベートーベンといった作曲家を連想した人もいることでしょう。ドイツ文学を狭く理解する必要はありません。みなさんが抱くドイツのイメージを交換する場を提供したいと思っています。
2023年 4月更新
特任講師(常勤) Johannes Waßmer
ヨハネス・ヴァスマー ドイツ文学/思想史 思想史や歴史学を横断した戦争文学や紀行文学の研意 味論・記号論の再検討にも取り組んでいます。 |
- メッセージ
- 授業では、ドイツ文学、ドイツ語会話、ドイツ語作文を教えて います。詩や戯曲といった題材をとりあげて、ドイツ語のもつ音、響き、リズムに親しめる授業をこころがけています。授業では、参加者の議論を重視しますし、ドイツの文化やドイツのアクチュ アルな出来事も紹介しています。Ich freue mich auf Sie ! (授業で会えることを楽しみにしています!)
2020年 8月更新