日本学と聞いてどんなことをイメージしますか? 文学や史学といった他の専修と比べるとイメージがしにくいかもしれません。それは、日本学が学際的な研究や教育を目指す領域だからです。日本学専修は、日本を自明なものとして捉えるのではなく、歴史学、民俗学、人類学、文化研究、ジェンダーセクシュアリティ研究、表象分析といった多様な方法と視点から日本にアプローチします。そして、一国的な研究の枠組みではなく、日本を広く超えて展開される新たな日本研究の可能性を模索しています。そんなスリリングな知的作業に、あなたも加わってみませんか?
教員紹介
教授 宇野田 尚哉 教授 北村 毅 准教授 安岡 健一 准教授 中嶋 泉
教授 宇野田 尚哉
![]() 近世・近現代の日本思想史 近世日本の儒学史/戦後日本の文化運動。 |
- メッセージ
- 私のもともとの研究テーマは、荻生徂徠を中心とする18世紀の儒学史なのですが、思想史と社会史の接点のようなところで歴史を叙述することはできないかと考えるようになり、徂徠学を受容した無名の武士の思想と行動を論じる論文などを書きました。無名の人々の思想的・文化的営みからその時代を捉えかえしたいという問題意識は近現代の問題を扱う場合も一貫していて、最近は1950年代のサークル運動を手がかりとして50年代像を描きなおすことを試みています。
2020年 8月更新
教授 北村 毅
文化人類学/民俗学/オーラルヒストリー 近現代日本における戦争の記憶の研究。沖縄の戦後史研究。沖縄の民俗文化の研究。 |
- メッセージ
- 他者の体験を聞くことに興味をもって研究してきました。聞き書きやオーラルヒストリーと呼ばれる手法です。民俗学者の宮本常一は、民俗学を「体験の学問」と評しました。この言葉には、フィールドワークを通した調査者自身の体験という意味だけではなく、人の体験を見聞きする学問という意味も込められています。聞き書きには、どんな本にも書かれていないことを自分の体で知る面白さがあります。そこから研究を切り拓いていく楽しさに魅了されて、今日に到ります。
2023年 4月更新
准教授 安岡 健一
日本近現代史 戦時期から現代にかけての地域社会史研究(オーラルヒストリー、自分史、人の移動と共生) |
- メッセージ
- 農業・農村に関する研究からはじまり、いろいろな地域をたずねて人に出会ってきました。その過程で、現代と地続きの歴史をいかに記録し、誰が叙述するかということへの関心を強くしています。歴史は過ぎ去った昔のことだけではなく、今を生きる自分たちにつながっています。新しい時代を歴史として描く試みを、次世代の皆さんの関心に向き合いながら創り上げていきたいと思います。
2020年 8月更新
准教授 中嶋 泉
なかじま いずみ 現代美術/ ジェンダー、フェミニズム理論 近現代美術におけるジェンダー構造の分析および女性美術家の調査、研究 |
- メッセージ
- 第二次世界大戦後の美術における女性作家の芸術的実践について調査をしてきました。社会が大きく変わりジェンダー秩序が変化するとき、視覚文化はどのように変化するのか。あるいは視覚文化が変えるものとは何か。最近では、こうした問いを現代文化における写真、映像、広告、ファッションなどを対象に考える機会も増えています。一度視覚文化の分析の面白さを知れば、「普通に」身の回りのものを見ることはできなくなるでしょう。
2021年 4月更新