音楽学・演劇学

engeki.jpg この専修では、音楽、演劇、芸能などのいわゆる表演芸術(パフォーミング・アーツ)の研究が行われています。

音楽学の分野では、世界諸地域の芸術音楽、伝統音楽、大衆音楽などの幅広い領域にわたって、音現象そのものの研究にとどまらず、それぞれの背景にある文化や思想の研究も含む幅広い研究が展開されています。

演劇学の分野では、日本の古典演劇から西洋の現代演劇までの、狭い意味での演劇ばかりでなく、世界各国の映画、オペラ、ミュージカル、ダンス、そして芸能を含む幅広い対象を扱っており、それらの実証的かつ理論的な考察を通して、その芸術の美的特質や芸術史的、民族的特徴を理解し、さらにパフォーマンスの原理や本質を解明する試みがなされています。

これらの領域を対象として扱っている大学の文学部は他にほとんどなく、本専修はこれらを人文学の一環として研究することのできる数少ない場所となっています。

音楽や演劇の研究をする上で、実演の経験は必須ではありません。でも、観客として対象をみるだけではもったいないので、どういう立場であれ、なんらかの「現場」に深く関わる意欲を持った学生を歓迎します。

教員紹介

教授 輪島 裕介 教授 中尾 薫 准教授 古後 奈緒子 准教授 横田 洋
准教授 鈴木聖子 講師 伊藤寧美 助教 杉山 恵梨

教授 輪島 裕介

p_wajima2026.JPGわじま ゆうすけ
音楽学/近代音曲史
「歌舞音曲」の近代史/ヴァナキュラー音楽の世界史
アフロ・バイーアのカーニバル文化/社交としての音楽
メッセージ
世界中どこでもビートルズやMJやビリー・アイリッシュが聞こえてきます。アジアでもアフリカでも南米でも東南アジアでも中東欧でも、レゲエやヒップホップやハウスのビートと在来の伝統的な歌唱や楽器を混ぜ合わせた表現が続々とあらわれています。これは西洋近代由来の「音楽」とそれをとりまく制度や技術や思想が世界中に受け入れられた結果なのか? それとも、征服者が押し付けてきた規範を、従属的な立場の人々が自分たちに都合の良いよう作り変えた結果なのか?あるいはその間のどこか?といったことを考えています。

2026年 5月更新

教授 中尾 薫

p_nakaoなかお かおる
演劇学/芸能史
伝統演劇研究、能楽研究
メッセージ
能の研究をしています。能は、長い歴史を生き残っただけあって、それぞれの時代の生活様式や思想、社会の潮流などを反映して、柔軟に変化している部分があり、それが見えてくるのが、ひとつは楽しみに感じています。ここ数年変化の大きかった明治・大正期に目がいっていましたが、今年こそは、もともと専門にしていた江戸時代に戻りたいです。演劇研究は、テキスト分析から、演出、舞台美術、舞踊、音楽、歴史、政治など、さまざまな視点と絡みあって面白いです。

2024年10月更新

准教授 古後 奈緒子

p_kogo2026.jpgこご なおこ
舞踊史/パフォーマンス・スタディーズ
ドイツ文化圏の1880年代以降の舞台舞踊と歴史叙述について

メッセージ
グローバリゼーションの中で、踊る身体をめぐる様々な慣習、伝統が変わりつつあります。バレリーナは白人で40才までに引退するという不文律、女性の振付師が珍しい創作現場、ブラックフェイスの“伝統”をめぐる議論などは、海の向こうの関心事ではもはやありません。今ある価値を受け継ぎながら開いてゆくために、舞踊学の先端を率いる老いや障害をめぐる実践と理論にも学びながら、みなさんと考えてゆきたいと思います。

2026年 5月更新

准教授 横田 洋

p_yokota2024.jpgよこた ひろし
近代日本演劇史/日本映画史
映画と演劇の相互の関係、その歴史についての研究

メッセージ
大阪大学の博物館では、大学の最新の研究成果を展覧会の形式で紹介しています。最新の研究成果といっても、歴史や美術、古生物など展示映えする学問分野がある一方、一般には展示に向かないと思われる分野もあります。研究成果を論文ではなく、展覧会の形式に変換することで、その研究が抱える新たな課題が見えてくることもあります。

2023年4月更新

准教授 鈴木 聖子

p_suzukiseiko2024.jpgすずき せいこ
近現代日本音楽芸能史/文化資源学
近現代日本における伝統音楽・伝統芸能の価値形成/聴覚メディアのアーカイヴ形成

メッセージ
自分の好きな音楽や芸能について、研究してみたいけれど、それが何の役に立つか分からない……と思っている人は、ぜひ一緒に取り組みましょう。それが何の役に立つか分からない、という自分の価値観こそを、さまざまな形態資料・音声資料・文字資料を用いて具体的に明らかにできたとき、その音楽・芸能を一緒に楽しんでくれる仲間が増えて、仲間からも多くを与えられ、確かな社会の中に生きている自分を見出すことができるでしょう。

2024年 4月更新

講師 伊藤 寧美

p_itonabi2026.JPGいとう なび
演劇学/現代英国演劇
英国の現代演劇作品の研究、戯曲分析

メッセージ
英国を中心とした現代演劇の研究をしており、特に戯曲に関心を持っています。劇作家の書いた台詞や登場人物を、演出家の演出を経て俳優が演じるという上演の過程において、戯曲の言葉とはいったい誰の言葉なのかという問題を考えています。時に地域や時代も超えて様々なアーティストや観客が関わる演劇という表現において、どのように他者の言葉と向き合うべきか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

2026年 5月更新

助教 杉山 恵梨

ap_sugiyama2026.jpgすぎやま えり
西洋音楽史/演奏美学
20世紀スイスとフランスにおける古楽運動史
メッセージ

「その音楽」―その音楽はどのようにして生まれたのでしょう? その音楽は変化するのでしょうか? これらの問いへの答えの数は無限です。なぜなら、音楽はある時点から何らかの形で認識されるようになったものであり、移ろいゆくものでもあるからです。音楽について感じ考えるという行為は、だれかと向き合ったり、何かを発見することに通じています。
それゆえに、音楽はエッセンシャルな学問対象であり続けていると思います。皆様にとって、その音楽は現在どのような存在だといえるのか、一緒に考えたいです。授業あるいは助教室にいつでもお越し下さい。

2026年 5月更新