音楽学・演劇学

engeki.jpg この専修では、音楽、演劇、芸能などのいわゆる表演芸術(パフォーミング・アーツ)の研究が行われています。

音楽学の分野では、世界諸地域の芸術音楽、伝統音楽、大衆音楽などの幅広い領域にわたって、音現象そのものの研究にとどまらず、それぞれの背景にある文化や思想の研究も含む幅広い研究が展開されています。

演劇学の分野では、日本の古典演劇から西洋の現代演劇までの、狭い意味での演劇ばかりでなく、世界各国の映画、オペラ、ミュージカル、ダンス、そして芸能を含む幅広い対象を扱っており、それらの実証的かつ理論的な考察を通して、その芸術の美的特質や芸術史的、民族的特徴を理解し、さらにパフォーマンスの原理や本質を解明する試みがなされています。

これらの領域を対象として扱っている大学の文学部は他にほとんどなく、本専修はこれらを人文学の一環として研究することのできる数少ない場所となっています。

音楽や演劇の研究をする上で、実演の経験は必須ではありません。でも、観客として対象をみるだけではもったいないので、どういう立場であれ、なんらかの「現場」に深く関わる意欲を持った学生を歓迎します。

教員紹介

教授 伊東 信宏 教授 輪島 裕介 准教授 中尾 薫 准教授 古後 奈緒子 准教授 横田 洋

教授 伊東 信宏

p_ito2022.jpgいとう のぶひろ
音楽学/音楽史/東欧の音楽
東欧、中欧地域の音楽史、民俗音楽研究。ハイドン、バルトーク、クルターグ、東欧演歌。
メッセージ
「音楽」は、現代の日本では、あってもなくても良い「お飾り」、趣味的な「気晴らし」、主要教科ではない「息抜き」としか考えられていません。けれど、本来それが響いていたのは、異界とコミュニケートする「儀礼」の場であったり、自分から解き放たれる「法悦」の場であったりしたはずで、だから「音楽」は生きることそのものと同じくらい深い体験だった、と私は考えています。音楽学を通して、そんなことを伝えたい、と思っています。

2022年10月更新

教授 輪島 裕介

p_wajimaわじま ゆうすけ
ポピュラー音楽研究/民族音楽学
近代日本大衆音楽史。非西洋地域における音楽の近代化/西洋化に関する批判的研究。
メッセージ
世界中どこでもビートルズやMJやニルヴァーナが聞こえてきます。また、アジアでもアフリカでも南米でも、レゲエやヒップホップやハウスの影響を受けたローカルなダンス音楽が続々とあらわれています。一方、「ヒップホップはゲットー黒人の魂」「演歌は日本人の心」といったように、音楽と特定の人々の特権的で排他的な結合もしばしば主張されます。ある音楽が文化的/地理的な境界をつくったり壊したり超えたりするさまざまな仕方について、あれこれ考えています。

2021年 4月更新

准教授 中尾 薫

p_nakaoなかお かおる
演劇学/芸能史
伝統演劇研究、能楽研究
メッセージ
能の研究をしています。能は、長い歴史を生き残っただけあって、それぞれの時代の生活様式や思想、社会の潮流などを反映して、柔軟に変化している部分があり、それが見えてくるのが、ひとつは楽しみに感じています。ここ数年変化の大きかった明治・大正期に目がいっていましたが、今年こそは、もともと専門にしていた江戸時代に戻りたいです。演劇研究は、テキスト分析から、演出、舞台美術、舞踊、音楽、歴史、政治など、さまざまな視点と絡みあって面白いです。

2020年 8月更新

准教授 古後 奈緒子

p_kogo2017こご なおこ
舞踊史/パフォーマンス・スタディーズ
ドイツ文化圏の1880年代以降の舞台舞踊と歴史叙述について

メッセージ
グローバリゼーションの中で、踊る身体をめぐる様々な慣習、伝統が変わりつつあります。バレリーナは白人で40才までに引退するという不文律、女性の振付師が珍しい創作現場、ブラックフェイスの“伝統”をめぐる議論などは、海の向こうの関心事ではもはやありません。今ある価値を受け継ぎながら開いてゆくために、舞踊学の先端を率いる老いや障害をめぐる実践と理論にも学びながら、みなさんと考えてゆきたいと思います。

2020年 8月更新

准教授 横田 洋

よこた ひろし
近代日本演劇史/日本映画史
映画と演劇の相互の関係、その歴史についての研究

メッセージ
大阪大学の博物館では、大学の最新の研究成果を展覧会の形式で紹介しています。最新の研究成果といっても、歴史や美術、古生物など展示映えする学問分野がある一方、一般には展示に向かないと思われる分野もあります。研究成果を論文ではなく、展覧会の形式に変換することで、その研究が抱える新たな課題が見えてくることもあります。

2023年4月更新

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