日本史学

nihonshi.jpg 1854 年、ペリー率いる黒船の威力に屈して日米和親条約を結び鎖国は終わった―この一見自明な事実を証明するには、数多くの史料を発掘し、様々な手続きを経る必要があります。また、日米和親条約の締結を広く東アジアの中に位置づけることで、今までの理解とは違った側面が見えてくるかも知れません。

皆さんは、これまで専ら他人が書いたものによって歴史を学んできたはずです。大学では、自ら課題を設定し史料を集め、自らの方法で独自の結論を得ることが求められます。本専修では、このような基礎的能力を身につけるため、各時代の演習・講義を用意しています。皆さんはそれらを学んだ上で、最終的には卒論という形で自己の見解を披露することになります。

研究室では、院生・学生が絶えず議論をたたかわせています。春と秋には恒例の研究室旅行があります。様々な場を通して大いに自分を磨いて下さい。

教員紹介

教授 市 大樹 教授 伴瀬 明美 准教授 野村 玄  准教授 古結諒子

教授 市 大樹

p_ichi_2019.jpgいち ひろき
日本古代史
交通史から勉強を始め、その後、木簡、都城制、飛鳥時代政治史へと少しずつ関心を広げています。
メッセージ
かつて「頭脳の古代、ロマンの中世、体力の近世・近代」という俗諺があったそうです。古代史の史料は限られており、先行研究も膨大にあるため、よほど頭が良くないと何も新しいことが言えない、というわけです。しかし、地中には木簡などの文字資料が無尽蔵に眠っています(現時点で約40万点が出土)。遺跡も多くのことを語りかけてくれます。また、東部ユーラシアに目を向けることで、多くのヒントも得られます。好きだという強い気持ちがあれば、何ら恐れる必要はありません。ちなみに私は体力勝負です。

2020年 8月更新

教授 伴瀬 明美

p_banse2022ばんせ あけみ
日本中世史
中世前期天皇家の研究、東アジア諸王室儀礼を通した比較史研究
メッセージ
日本には、古代から現代に至るまで、同時代人が作成した文書、日記、種々の記録をはじめとする多種多様な史料が膨大な数で伝存しています。この無限ともいうべき研究材料に「近い」こと。これは日本史研究の学問としての強みの一つです。史料の扱いは決して容易ではありませんし、先行研究の高い壁に挑むという難行もありますが、壁を乗り越えて意義ある課題を見出した時の心躍るような気持ち、史料を丹念に解読しながら立論していく楽しさと厳しさを学生のみなさんと共にしたいと思っています。

2023年 7月更新

准教授 野村 玄

p_nomura2021.jpgのむら げん
日本近世史
日本近世国家の成立・展開・崩壊過程に関する研究

メッセージ
大災害の発生、疫病の流行、戦争や紛争の勃発、経済的破綻、国家の興亡は歴史的に繰り返されてきました。いまも私たちを含む世界中の人びとが、いずれかの出来事に直面しています。なぜいま、そこでその出来事はおこっているのか。いま、何をなすべきか。今後、いかなる心構えで何に備えるべきか。これらの事柄について、皆さんには、日本及び各地域の歴史的経緯と祖先の英知・失敗を究明しながら思考し、真の意味で持続的に発展可能な社会の実現に参画いただきたいと思います。私も、皆さんとともに、微力を尽くします。

2021年 12月更新

准教授 古結 諒子

p_koketu2024.jpg こけつ さとこ
日本近代史
19~20世紀の日本をとりまく国際関係の変化を、日本の外交に焦点をあてることで解明しようとしています。
メッセージ
近代日本と世界の諸地域との関係性について、不器用ながらもこれまで考えてきました。日清戦争や日露戦争を扱っても、研究では自ら問いを立て、史料が語る情報を解読して解釈を重ねる、地味な作業が続きます。視点を変えて外国語文献や、非文字資料を扱うこともあるでしょう。そこから新しい歴史像を構築するには、情報の無限性に対処できる柔軟な思考力や、先行研究の専門性の高さに向き合える気概も求められます。大変ですが、近代日本の歴史を研究することで、皆さんと共に世界への視野を広げたいと思っています。

2024年 4月更新