日本史学

nihonshi.jpg 1854 年、ペリー率いる黒船の威力に屈して日米和親条約を結び鎖国は終わった―この一見自明な事実を証明するには、数多くの史料を発掘し、様々な手続きを経る必要があります。また、日米和親条約の締結を広く東アジアの中に位置づけることで、今までの理解とは違った側面が見えてくるかも知れません。

皆さんは、これまで専ら他人が書いたものによって歴史を学んできたはずです。大学では、自ら課題を設定し史料を集め、自らの方法で独自の結論を得ることが求められます。本専修では、このような基礎的能力を身につけるため、各時代の演習・講義を用意しています。皆さんはそれらを学んだ上で、最終的には卒論という形で自己の見解を披露することになります。

研究室では、院生・学生が絶えず議論をたたかわせています。春と秋には恒例の研究室旅行があります。様々な場を通して大いに自分を磨いて下さい。

教員紹介

教授 飯塚 一幸 教授 川合 康 教授 市 大樹 教授 伴瀬 明美 准教授 野村 玄

教授 飯塚 一幸

p_iizukaいいづか かずゆき
日本近代史
近代化による地域社会の変容を検討することで、伝統と近代の問題を考えている。
メッセージ
近年、日本近代史に限らず、史料へのアクセスは飛躍的に改善されてきました。史料の森への旅は、その気さえあれば格段に容易になりつつあります。けれども膨大な史料の中からテーマを発見し問題をつかみ出すことはむずかしい。歴史学を学ぶものとしてのセンスを問われるのもそこです。新しい発想で史料と格闘し、問題を徹底的に考え抜く気迫を持った若い世代に登場してほしい。我々も「昭和の老人」扱いされぬよう自戒しつつ、皆さんを待っています。

2020年8月更新

教授 川合 康

p_kawai2023かわい やすし
日本中世史
院政期武士社会や鎌倉幕府の研究を中心に、平家物語や鎌倉街道、河内国金剛寺の研究などを進めています。
メッセージ
8歳の時にNHK大河ドラマ「源義経」を見て日本の歴史に興味を抱き、11歳の時に同「天と地と」を見て熱狂的な「戦国オタク」になりました。大学の史学科に進んでからは、平安時代後期から鎌倉時代にかけての政治史研究や、『平家物語』を歴史学的に読み解く研究、中世の戦争(特に源平合戦)を実態的に考察する研究などを進めています。常識にとらわれず、通説を疑いながら、皆さんと一緒に史料を読み、考え、新たな歴史像を発見していきたいと思っています。

2023年 7月更新

教授 市 大樹

p_ichi_2019.jpgいち ひろき
日本古代史
交通史から勉強を始め、その後、木簡、都城制、飛鳥時代政治史へと少しずつ関心を広げています。
メッセージ
かつて「頭脳の古代、ロマンの中世、体力の近世・近代」という俗諺があったそうです。古代史の史料は限られており、先行研究も膨大にあるため、よほど頭が良くないと何も新しいことが言えない、というわけです。しかし、地中には木簡などの文字資料が無尽蔵に眠っています(現時点で約40万点が出土)。遺跡も多くのことを語りかけてくれます。また、東部ユーラシアに目を向けることで、多くのヒントも得られます。好きだという強い気持ちがあれば、何ら恐れる必要はありません。ちなみに私は体力勝負です。

2020年 8月更新

教授 伴瀬 明美

p_banse2022ばんせ あけみ
日本中世史
中世前期天皇家の研究、東アジア諸王室儀礼を通した比較史研究
メッセージ
日本には、古代から現代に至るまで、同時代人が作成した文書、日記、種々の記録をはじめとする多種多様な史料が膨大な数で伝存しています。この無限ともいうべき研究材料に「近い」こと。これは日本史研究の学問としての強みの一つです。史料の扱いは決して容易ではありませんし、先行研究の高い壁に挑むという難行もありますが、壁を乗り越えて意義ある課題を見出した時の心躍るような気持ち、史料を丹念に解読しながら立論していく楽しさと厳しさを学生のみなさんと共にしたいと思っています。

2023年 7月更新

准教授 野村 玄

p_nomura2021.jpgのむら げん
日本近世史
日本近世国家の成立・展開・崩壊過程に関する研究

メッセージ
大災害の発生、疫病の流行、戦争や紛争の勃発、経済的破綻、国家の興亡は歴史的に繰り返されてきました。いまも私たちを含む世界中の人びとが、いずれかの出来事に直面しています。なぜいま、そこでその出来事はおこっているのか。いま、何をなすべきか。今後、いかなる心構えで何に備えるべきか。これらの事柄について、皆さんには、日本及び各地域の歴史的経緯と祖先の英知・失敗を究明しながら思考し、真の意味で持続的に発展可能な社会の実現に参画いただきたいと思います。私も、皆さんとともに、微力を尽くします。