この専修では、英米文学と英語学に関する専門的知識を得るとともに、英語の総合的運用能力を習得することを目指しています。
そのため、アカデミックな講義・演習に加え、外国人教師による演習や海外留学や資格試験合格を視野に入れた実践的な授業を行います。
英米文学を専攻する学生は、英米を中心とする英語文学世界の全体的輪郭、ジャンルの特性、その成立・発展の状況等を文化的視野の中で把握します。それをふまえ、小説・詩・劇・批評などの具体的作品を取り上げ、テクストを正確、綿密に読む訓練を通して、文学研究の方法論を学び、文学センスを磨きます。学生は、各自の関心に基づき自由に研究テーマを選ぶことができ、それを卒業論文にまとめます。
英語学を学ぶに当たっては、理論と運用の両面にわたって英語の実際の姿を観察し、また英語学の研究史上重要な文献を読み、広く用例を収集・分析して、現代英語の構造やその特徴を把握することが基本となります。最近の英語学では、英語の音韻、文法、意味だけではなく、言語習得、発話行為や談話構造、言語と認識、日英語の比較研究も盛んです。講義、演習等は、これらの多様な研究に応じられるように配慮されています。
教員紹介
教授 片渕 悦久 教授 石割 隆喜 教授 山田 雄三 教授 田中 英理
准教授 森本 道孝 准教授 馬渕 恵里 准教授 本田 隆裕 外国人教師 P.Harvey
教授 片渕 悦久
かたふち のぶひさ アメリカ文学/アダプテーション研究/物語更新理論 ユダヤ系アメリカ小説における物語意識。アダプテーション研究。物語更新理論。 |
- メッセージ
- 私がもっとも関心を持っているのは、「物語」です。小説や詩のように書かれた文学作品であっても、舞台で上演される演劇やミュージカルであっても、あるいは映画やアニメやマンガであっても、すべて広い意味での物語です。かたちを変えながら生き延びる物語への関心を土台にして、私は物語の生成とメディア文化の濃密な関係についての研究を深め、「物語更新論」という新たな物語研究のありかたを模索しています。授業の中でも、研究の成果を還元していくつもりです。
2020年 8月更新
教授 石割 隆喜
いしわり たかよし アメリカ文学 小説論的視座からトマス・ピンチョンらのポストモダン文学を捉え直す研究を試みています。 |
- メッセージ
- 小説形式の歴史性とでも呼ぶべき問題に関心があります。ポストモダニストと称される現代アメリカ作家の小説を丁寧に、かつ理論にも目配りしながら分析してゆくことを通して、広く近代という歴史的条件の中で「小説」がどのような役割を果たしてきたのか、「小説」という形式そのものにどのような意味が潜んでいるのか、「小説」を必要とするのはどのような「人間」だったのか、といったことを探ってゆきたいと考えています。
2020年 8月更新
教授 山田 雄三
やまだ ゆうぞう 英米文学/文化理論研究 英国初期近代の大衆演劇フォームの研究およびRaymond Williamsによる文化ダイナミクス理論の研究。 |
- メッセージ
- 「文化」ということばは、価値を帯びています。どんなマニアックな趣味でも、「○○文化」とつければかっこよく思えてしまいます。そうした現象を考察するカルチュラル・スタディーズに、私は関心があります。今日「カルスタ」と呼ばれ、マンガやラップなどを対象として社会学的手法で研究されることも多いのですが、私は、それが1950年代後半にイギリスで起きた点に注目し、「政治=文化」運動として再評価しています。
2020年 8月更新
教授 田中 英理
たなか えり 形式意味論 英語・日本語の文の構成的意味論研究・段階性の関わる言語表現の意味論研究。 |
- メッセージ
- 言語は情報伝達の道具である、とよく言われますが、言語の伝える「情報」とは何でしょうか。例えば、『試験に通った人がいる』と教員が言うと、なぜ学生はそう言われてもいないのに『全員が通ったわけではない』と解釈してざわざわするのでしょう。発された文と解釈の間にはどうしてこのような乖離が生まれるのでしょう。言語の意味とはどこからどこまでなのでしょうか。言語の伝える「情報」の不思議さに興味を持っている学生は、ぜひともに考えましょう。
2024年 4月更新
准教授 森本 道孝
もりもと みちたか アメリカ文学/ アメリカ演劇 アメリカ人劇作家サム・シェパードの作品研究/「家族観」から見る現代アメリカ演劇研究 |
- メッセージ
- 学部生のときの演習で読んだサム・シェパードの演劇作品に魅了されて以来、アメリカ演劇に関する研究を進めてきています。「家族」、「アンチエイジング」など様々なキーワードからアメリカ文学の世界を読み解いています。また、演劇・漫才・ライブなどジャンルを問わず舞台上で演じられるものに対してもともと持っていた関心と、研究が結びついていることに喜びを感じています。皆さんにもその魅力を少しでも伝えることができれば、と思っています。
2020年 8月更新
准教授 馬渕 恵里
まぶち えり イギリス文学 18世紀後半〜19世紀イギリス小説 |
- メッセージ
- 「純文学」と聞くと小難しさや堅苦しさを感じるかもしれませんが、近代イギリス小説内の登場人物や心理描写は、現代を生きる私たちにも通ずるものがあります。私が19世紀イギリス女性作家の小説に興味を持ったのも、家父長制の根強い近代イギリス社会において、様々な制約の中で自己実現を目指し奮闘する女性作家の小説テーマや人物描写に共感を覚えたからです。現在は、主に19世紀イギリス女性作家の小説テーマと、小説の形式や語りの構造との関係に注目しながら、小説の発展と変容、その要因について研究しています。
2024年 4月更新
准教授 本田 隆裕
ほんだ たかひろ 統語論/ 概念意味論 英語・日本語の動詞句の統語構造研究。 |
- メッセージ
- 外国語の習得に苦労する人は多いと思いますが、母語の獲得はどうでしょうか。ヒトは人種や性別に関わりなく、生後周りで耳にする(あるいは目にする)言語を無意識に母語として獲得する能力を持っています。(現時点では)ヒト固有と考えられるこの能力はどのような理論で説明可能でしょうか。またその理論に基づいて、さまざまな文を分析してみると、例えば、英語と日本語のように全く異なるように見える言語間にもかなりの共通点を見出すことができます。一番身近で不思議な「言語」について一緒に考えてみませんか。
2024年 10月更新
外国人教師 Paul Anthony Stean Harvey
ポール A. S. ハーヴィ English Literature(英文学) English Poetry(英語詩) |
- メッセージ
- My work has focussed on education for the last ten years, in particular on poetry, both creative writing work with students and reading poetry in class. I have translated poetry in various fields. I have published a wide range of books under the name Stean Anthony. This work continues.
2020年 8月更新