西洋史学

seiyoshi.jpg西洋史学は地理的な範囲を説明するのが難しい分野です。ヨーロッパ文明の歴史がその中心的な構成要素であることは異論がないとしても、そのヨーロッパ文明は先行するオリエント、地中海世界の文明から深い刻印を受けています。また、16 世紀以降、ヨーロッパ人が南北アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアなど世界の至るところに進出して、それらの地域にヨーロッパ文明を移植し、あるいはそれらの地域の伝統文明に多大な影響を及ぼしたことはよく知られているとおりです。

本専修ではこうした地球規模での西洋文明の歴史を研究領域とし、きわめて多様なテーマについて教育と研究を行っています。個別の問題について実証的に研究しながら、それらを世界史的視野で考察することができる専修だと言えるでしょう。

私たちの教育目標は、グローバル化が進む中、急速に変化する時代に対応できる、総合的な知的能力の養成です。つまり、問題発見力・情報収集力・分析力・総合力・表現力を養うことです。また現代を生き抜くもう一つの武器としての外国語、特に英語の実践的能力の習得を重視しています。学生のみなさんには、西洋史を学び、研究することで、問題を情報に基づいて深く考察するだけでなく、それを日本語と英語で、他の人びとに伝える能力を身につけることを期待しています。

教員紹介

教授 栗原 麻子  教授 前川 一郎  教授 中谷 惣 准教授 山中美潮 准教授 河合信晴

教授 栗原 麻子

p_kurihara.jpgくりはら あさこ
古代ギリシア社会史
法廷弁論を主史料とする、前4世紀アテナイの社会的結合関係の研究。
メッセージ
古代ギリシア史の研究蓄積の中で、特にアテナイ史にはどのテーマにも19世紀以来の研究史があります。でも、手あかにまみれた史料から、 新しい時代像を導き出すこともできるのです。歴史学は、事実発掘だけでなく問題発掘的な側面を併せ持っているからです。アッティカ法廷弁論は、そのような、再発見されるべき史料の一つであり、市民たちの日常的な人的紐帯のありかたは、 そのような、発掘された問題の一つです。古代との対話は、思いがけぬ自己発見にもつながることでしょう。

2025年 9月更新

教授 前川一郎

p_maekawa2025.jpgまえかわ いちろう
ブリテン帝国史/歴史認識問題
ブリテン帝国の終焉、脱植民地化政策の史的研究
歴史認識問題や「植民地責任」論を歴史学の立場から考察

メッセージ
グローバリゼーションは、自由や民主主義といった普遍的価値を世界に広めると共に、人類史上突出した暴力の歴史や、格差や差別に満ちた社会をひたすらに生みだしてきました。そうした陰の部分を置き去りにして、グローバルな発展ばかりに目を奪われていると、だんだんと偏った世界観に陥ってしまいます。グローバルななにかを論じるならば、同等かそれ以上に、そこで生じた矛盾に目を向けてみる。阪大西洋史では、そんなあたりまえの世界史的センスを養い、そのうえではじめてグローバルな視点の豊かさを探求していきます。

2025年 4月更新

教授 中谷 惣

p_nakaya2018.jpgなかや そう
ヨーロッパ中世史
イタリアを中心に、都市社会史、法実践の歴史、金貸しの歴史など。
メッセージ
イタリアの小さな町の文書館に所蔵されている、中世の法廷や議会の記録を読んでいます。そこには住民からの様々な訴え、たとえば貸した金を返せ、司祭から暴力を受けた、貧しいので刑罰を軽くしてほしい、公道の整備が必要だ、税金を安くしろ、などが記されています。こうした市井の人びとによる都市国家への訴えを通じて、中世に特有の、しかし近代以降にも通じる要素をもつ、国家、正義、公共善が立ち現われてくる過程を研究しています。

2020年 8月更新

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