考古学は、地中に埋もれた遺跡や遺物などの物質資料の分析を中心にして、人類の歴史や文化を研究する学問です。
考古学専修では、大型の古墳が集中し、古代から都が置かれてきた近畿が大学の所在地であるという地の利を生かして、日本考古学に重点をおいた研究や教育を行っています。とりわけ、ほぼ毎年フィールド調査を行っており、近年では古墳時代の前方後円墳や平安時代の窯跡などの発掘調査を行っています。
もちろん、教員や大学院生は海外調査にも出かけて外国との比較研究を積極的に進めており、広い視野で日本考古学の諸問題に取り組んでいます。専任スタッフが2名の小規模な専修ですが、研究室は昼も夜も活気に満ちています。
ただし、考古学専修は考古学の専門家だけを養成するところではありません。自らの手で遺跡を発掘し、長期にわたる人類文化の展開を考える4年間は、どのような道に進むにせよ、みなさんの将来にとってきっと有意義なものになるでしょう。
学生時代の貴重な経験を糧にして、卒業生たちは、考古学の専門家として発掘調査の第一線に立っているほか、学芸員、教員、公務員、ジャーナリスト、企業人などさまざまな方面で活躍しています。
教員紹介
教授 高橋照彦
![]() 日本考古学(飛鳥~平安時代)/東アジア考古学 日本古代あるいはアジア地域の陶磁器(三彩・緑釉陶器)や銭貨、古代墳墓や寺院などの研究。 |
- メッセージ
- 大学の学生時代のうちに、いろいろなことに挑戦し、その中で「これは面白そう」というものを見つけて、どっぷりとその対象にのめりこむ経験を持ってほしいと思います。考古学は、現地へ行ったり、実物を見たりして、自分なりの発見をするのが楽しさ。発掘現場で汗水たらしながら、みずから掘り出した土器や埴輪は、たった小さな一片であっても、忘れられない体験になるはずです。物言わぬはずのモノに歴史を語らせる面白さに出会うことを期待します。
2020年 8月更新
准教授 中久保辰夫
![]() 日本考古学(古墳時代)/比較考古学 古墳時代を中心とする墓制、対外交流論 日本古代の土器文化と食文化に関する学際研究 |
- メッセージ
- 大学院生の頃、墨書でその遺跡がある地名を記した土器を発掘しました。千年を超えて地名が変わらなかったことを発見した感動は、いまでも忘れられません。考古学は、史書に記されなかった暮らしの跡、名をのこすことができなかった権力者の墓や副葬品も含めて、失われた過去を復元していきます。それは、定説を覆すこともしばしばあり、あなたが誰も知らない文化の第一発見者になるかもしれません。未知の過去を探索する旅に出る仲間を、考古学研究室は求めています。
2025年 4月更新