学部の特色

待兼山のキャンパス

大阪大学豊中キャンパスのある待兼山は、古来、歌詠みの題材となった由緒あるところです。

夜を重ね待兼山の時鳥
雲井のよそに一声ぞ聞く

これは「新古今和歌集」に収められた一首ですが、この「まちかねやま」のくだりは、後世、歌舞伎の台詞などにも数多く引用されました。

時は移り、待兼山は大阪大学の豊中キャンパスとして、人文学・社会学系のうち文学部、法学部、経済学部、理工系のうち理学部、基礎工学部などを擁する広大な教育・研究の場となりました。

文学部の教育の特色

文学部の学問は、さまざまな個人や社会集団が生み出してきた事物・思考・習慣など、日本および諸外国の精神文化と物質文化の両面にわたる人間の営為を、次のような仕方で考究するところに特質があります。

①過去から現在にいたる時間的変化のなかで広く関連づけてとらえる
②本質や原理にまでさかのぼって考え抜く
③対象に深く分け入り内在的に理解する

こうした人文学的知をとおして自己を深め、世界を探求し、しなやかな論理性と豊かな感性で人間社会の未来を構想・表現できる人材の育成が、文学部のめざす教育です。

大学・学部・社会の垣根を越えた学びの交流

大阪大学文学部は礎となった懐徳堂の精神を継承し、「社会に開かれた学部」という精神のもと、他大学、他学部の学生、社会人に対しても門戸を開いています。

専門性の高い授業を聴きたいという学外の方々にも、文学部が開講している授業のうち一定の範囲のものを聴講でき、大学図書館を利用できる科目等履修生制度があります。原則として大学または短期大学での2年以上の在学経験が必要で、授業科目ごとに申請し、許可が得られると履修が認められ、最終的には単位も認定されます。

研究生になるには大学卒業資格が必要であり、希望者は指導予定教員を通じて申請し許可を受けます。研究生になると自分の研究に関連のある文学部の授業を自由に聴講することができます。