このページでは平成19-22年度科学研究費補助金基盤研究(C)「オーストラリアにおける白人性の歴史的形成と世界構造」(研究代表者:藤川隆男)を紹介しています。とは言うものの、現在、このサイトの中身は、その研究から生まれた成果の一部を紹介するにすぎません。ここに書かれている「もくじ」の部分の内容全体が、このサイトでは読めないところも含めて、今年中には本として刀水書房から出版されますので、興味のある方はそれをご購入ください。(20 May 2010 あと2日で51歳のときに記す。文章へたくそです)
白人性(ホワイトネス)の問題が、近年、歴史学や文学、女性学や人種研究、社会学や法学、教育学や心理学など人文・社会諸科学の広い領域で注目を集めるようになっています。私は数年前に『白人とは何か?ホワイトネス・スタディーズ入門』という本を編集し、白人性研究の現状を、日本で初めて体系的に解説しました。紹介するということが主目的だったために、私自身の考え方を体系的に述べるという点では、十分ではありませんでした。現在出版の準備を進めている『人種差別の世界史―白人性とは何か?』は、白人性とは何かを自分なり考えていく中で、差別や差異の問題を歴史的な文脈のなかで検討した本です。もはや単なる白人性について語る本ではありませんが、みなさんが白人性や差別、差異やアイデンティティについて考えるときに、考えるヒントになるような本になることを願っています。前作は4部構成で、第I部では全般的理論、第II部では白人の歴史的形成、第III部では非白人の側から見た白人、第IV部では白人性の構造について論じるものでしたが、今回の本は、前近代社会から現代にいたる世界における差別、平等、差異、アイデンティティなどの歴史的、構造的変化を理論的に説明しようと試みました。自分自身の頭が悪いということを書いているうちに自覚しました。それでも、読んでいただければ、他山の石として、いろいろと思考をめぐらすきっかけくらいになるように思います。
ここに書いていることを読むと難しそうに感じるかもしれませんが、エビちゃんは白人か?とか、マライア・キャリーの話などから始まって、日常的なこと、本当に身近なこと、自分の生きてきた歩みと差別、自分自身の住んでいる場所、八尾市の久宝寺のことなども介して、世界的な差別の構造変化と理論的な分析を試みようとしました。少なくとも本の4分の3くらいまでは、気安く読めると思います。残りの4分の1はマトリックスの世界なので、わかる人と、わかったと思う人、わからないという人、馬鹿みたいと思う人がいると思います。
編著者の藤川は、白人の歴史だけでなく、別の研究もこつこつしています。下で紹介している『オーストラリアの歴史』付属のCD-ROMに収録されている「オーストラリア用語辞書」および「オーストラリア年表」の更新ファイルを配布しています。以下のリンクからファイルをダウンロードしてご利用ください。(※更新作業はオンライン版『オーストラリア辞典』が優先的に行われますので、最近の内容については、そちらをご確認ください。)
bun45.zip (2004年6月22日版、3.46MB)
更新ファイルはZIP形式で圧縮されています。ZIP形式に対応したアーカイバで解凍してご利用ください。(※ 解答する際にはパスワードが必要です。『オーストラリアの歴史』262ページの最初の6文字を入力してください。)解凍後に作成されるファイルは、
の3つです。辞書と年表の両方を参照される場合は、これらのファイルを同一のディレクトリに置いた上で、bun45.chmを開いてください。更新ファイルの動作環境は付属CD-ROMに準じますが、更新ファイルの起動には付属CD-ROMは必要ありません。