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英米文学

本専門分野では、イギリス、アメリカを中心とした文学作品のテクストを綿密かつ正確に読むことを基本方針としています。研究対象とする作家、テーマ、時代、ジャンルは問いません。したがって、院生は、自分の文学的関心にもとづいて自由に研究テーマを選ぶことができます。

文学テクストを厳密に読む力を鍛えることと並んで、研究方法論の検討も欠かせません。近年、批評理論の著しい進展、キャノンの見直しが見られる状況にあって、院生たちは自分の文学的関心の理論的位置づけ、自分に合った研究方法の探求が求められています。

英米文学専門分野では、この要求に応えられるように講義・セミナー等に配慮がなされています。院生の全員が参加して行われる「談話会」は、教員・学生の隔壁を越えた自由な意見交換を目指しており、学会発表の実地訓練を行っています。

教員紹介

 教授 服部典之 教授 片渕悦久

准教授 山田雄三准教授 石割隆喜 外国人教師 P. Harvey

教授 服部典之

はっとり のりゆき
1958年生。1981年、大阪大学文学部(英文学専攻)卒業。1983年、大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。同博士課程中途退学。文学博士(大阪大学、2003年)。和歌山大学教育学部助手、大阪大学言語文化部講師、同助教授を経て、2000年10月文学研究科助教授、2008年4月現職。
専攻:英文学
p_hattori2016
研究紹介
イギリス現代小説の最新のものを読み紹介し解釈しています。またイギリス小説=フィクションが生まれた18世紀の文学作品を読むことでフィクションの起源を探る研究をしています。ポストモダン、ポストコロニアルと言われる現代に書かれた小説を読むと、近代の先駆けになった18世紀と深い関連性が感じられ、両方の時代をあわせて考えることで、人間の営為の中でも重要な物語形成のレトリックが明らかになると考えているのです。
メッセージ
小説をあまり読まないという人でも映画やドラマを全く見ない人はいないでしょう。これらのメディアを包括するのが、「物語」や「フィクション」という概念です。人類が生まれた時に「物語」が同時に始まりました。なぜ私たちは物語を語り読むのか、なぜフィクションを作り聞くのか。これを理論的に考えるのは人間を考えることであり、とても大切な学問です。学生の皆さんと共に読み語りながら研究を進めていきたいと思っています。
主要業績
W.C.ブース『フィクションの修辞学』水声社(共訳、1991);ゲオルゲ・フォルスター『世界周航記』(上)(下)岩波書店(翻訳、2006-7);『病いと身体の英米文学――阪大英文学会叢書1』英宝社(共著、2004);『詐術としてのフィクション――デフォーとスモレット』英宝社(2008);『十八世紀イギリス文学研究―交渉する文化と言語』開拓社(共著、2010);『スコットランド文学―その流れと本質』開文社出版(共著、2011)
概説・一般書
『西洋文学―理解と鑑賞』大阪大学出版会(共著、2011);『イギリスを旅する35章』明石書店(共著、2000)

2016年 11月更新

教授 片渕悦久

かたふち のぶひさ
1965年生。1995年、大阪大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。文学修士(大阪大学、1991年)。博士(文学)(大阪大学、2007年)。北陸大学講師、同志社女子大学講師、助教授を経て、2003年4月文学研究科助教授、2013年4月現職。
専攻:アメリカ文学
p_katafuchi2016
研究紹介
アメリカ文学の中でもとくにユダヤ系小説を研究しています。とくにソール・ベローを中心に、20世紀はじめの移民作家エイブラハム・カーハンから現代作家のマイケル・シェイボンまでを、「物語意識」をキーワードとして系譜的観点から考察をつづけています。その他、「物語」そのものへの関心から、文学研究を超えたメディア横断的な物語生成のダイナミックスを探究し、新たな物語研究のありかたを模索しながら、アダプテーション(翻案)研究の可能性へと研究の視野を広げつつあります。
メッセージ
私がこれまでユダヤ系アメリカ文学を専門に研究してきたのは、そのストーリーテリングの豊かさに魅了されたからです。主要な作品から、出版したての最新小説までを精読しながら、多彩で濃密で赤裸々な語りを繰り出してくるユダヤ文学の伝統がアメリカ大陸で驚異的な進化をとげるその過程を、いっしょにたどってみませんか。また、教室外ではアダプテーション研究の名のもと、〈物語〉生成とメディア文化の濃密な関係について研究を深めています。これについても授業内容に還元していくつもりです。
主要業績
『病いと身体の英米文学―阪大英文学会叢書1』英宝社(共著、2004);『越境・周縁・ディアスポラ』南雲堂フェニックス(共著、2005);『ソール・ベローの物語意識』晃洋書房(単著、2007);『「依存」する英米文学―阪大英文学会叢書5』英宝社(共著、2008);『ユダヤ系文学の歴史と現在』大阪教育図書(共著、2009);『笑いとユーモアのユダヤ文学』南雲堂(共著、2012);『ゴーレムの表象』南雲堂(共著、2013)
概説・一般書
『アメリカン・スタディーズ入門』萌書房(共編著、2003);『改訂増補版 新世紀アメリカ文学史』英宝社(共編著、2007);ラーラ・ヴァプニャール『うちにユダヤ人がいます』朝日出版社(翻訳、2008);『西洋文学―理解と鑑賞』大阪大学出版会(共著、2011);リンダ・ハッチオン『アダプテーションの理論』晃洋書房(共訳、2012)

2016年 12月更新

准教授 山田雄三

やまだ ゆうぞう
1968年生。1990年大阪大学文学部卒業。1995年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。1995-2013年、大阪大学言語文化部、同大学院言語文化研究科講師、助教授、准教授を経て、2013年10月より大阪大学大学院文学研究科准教授。
専攻:英文学/文化理論研究
p_yamada2016
研究紹介
わたしの研究は、大きくふたつの系列に分けることができます。そのひとつは、1950年代の英国で誕生し、1980年代以降に英語圏をはじめアジアにも拡大した、カルチュラル・スタディーズと呼ばれる新しいタイプの文化研究、とりわけ、その創始者とされるレイモンド・ウィリアムズ(Raymond Williams)の文化ダイナミクス理論の研究であり、もうひとつは、英国初期近代の民衆文化、とりわけ、女王一座による最初の商業演劇のフォームに関する研究です。
メッセージ
「文化」ということばは、価値を帯びています。どんなマニアックな趣味でも、「・・文化」とつければ、かっこよく思えてしまいます。そうした現象を考察するカルチュラル・スタディーズに、わたしは関心があります。カルチュラル・スタディーズは今日、略してカルスタと呼ばれ、ラップやマンガなどを対照として社会学的手法で研究することをもっぱら指すようになりましたが、1950年代後半にイギリスに起こった時点にさかのぼり、それを政治・文化運動としてとらえ直してみたいと思います。
主要業績
Writing under Influences: A Study of Christopher Marlowe (Eihosha,2000, 単著)、『感情のカルチュラル・スタディーズ―『スクリューティニ』の時代からニュー・レフト運動へ』(開文社出版、2005、単著)、『英語文学の越境―ポストコロニアル/カルチュラル・スタディーズの視点から』(英宝社、2010、共編著)、 “The ‘Far West’ after Industrialisation: Gwyn Thomas, Ishimure Michiko and Raymond Williams”, Keywords: A Journal of Cultural Materialism No. 9 (2011, 単著)、『シェイクスピアと演劇文化』(研究社、2012、共著)、『ニューレフトと呼ばれたモダニストたち―英語圏モダニズムの政治と文学』(松柏社、2013、単著)
概説・一般書
『原書で読むカルチュラル・スタディーズ』(英宝社、2008、共編著)、ロバート・アッカーマン『評伝 J・G・フレイザー―その生涯と業績』(法藏館、2009、共訳書)、『英語で読む現代世界の文化・社会・言語―植民地主義からグローバリゼーションへ』(英宝社、2015、共編著)、レイモンド・ウィリアムズ『想像力の時制―文化研究II』(みすず書房、2016、共訳)

2017年 9月更新

准教授 石割隆喜

いしわり たかよし
1970年生まれ。大阪外国語大学外国語学部(英語学科)卒、大阪大学大学院文学研究科博士課程(英文学専攻)修了。博士(文学)(大阪大学、1999)。大阪外国語大学助手、講師、助教授、准教授を経て、2007年10月より大阪大学大学院文学研究科准教授。日本英文学会第22回新人賞(1999)。
専攻:アメリカ文学
p_ishiwari
研究紹介
トマス・ピンチョンら、ポストモダニストと称される作家の作品ははたして「小説」と呼べるのか。「小説」は歴史のある時点で興り、今もしかしたらその役目を終えつつあるのかもしれないという、小説形式の歴史性とでも呼ぶべき問題に関心を抱いている。20世紀後半以降のポストモダン文学の分析を通して、広く近代という歴史的条件の中で「小説」がどのような役割を果たしてきたのか、「小説」という形式を必要としたのはどのような「人間」だったのか、といったことを探ってゆきたいと考えている。
メッセージ
そのままではまず使いこなせない機械の箱、ハードウェアであるコンピュータと、われわれユーザーとの間を仲立ちしてくれるのがOS(オペレーティング・システム)というソフトウェアであるように、文化とはわれわれ人間と環境(ハード)とのあいだを取り持ってくれる「ソフト」だといえるのではないでしょうか。その「ソフト」の一つ(たった一つ!ほかにも無数にあります)が「小説」――このような風通しのよい視点をもちながら「小説」についてもう少し深く考えてみませんか。
主要業績
「小説の非人間化−−ポストモダニズムとポストヒューマン」『言葉のしんそう(深層・真相)−−大庭幸男教授退職記念論文集』 (2015);“Rainbow’s Light: Or, ‘Illuminations’ in Thomas Pynchon’s Gravity’s Rainbow,” The Japanese Journal of American Studies 24 (2013);「シュールリアリスティックな資本主義―Gravity's Rainbow、あるいは Pynchon の『ポスト・ノヴェル』」『英文学研究』第85巻 (2008);「死者の〈怨〉の二つの型―フロイトの「文学」、Vineland の"Cahmmunism"」『関西英文学研究』第1号 (2007);「Is Pynchon Too Much with the World?—“Is It O.K. to Be a Luddite?” と『ビン・ラディン』」『大阪外国語大学英米研究』第31号(2007);「ヘーゲル主義者、Stencil—V. の他者」『英文学研究』第81巻(2005);Postmodern Metamorphosis: Capitalism and the Subject in Contemporary American Fiction(英宝社、2001)
概説・一般書
『現代作家ガイド7 トマス・ピンチョン』(共著、彩流社、2014);『西洋文学―理解と鑑賞』(共著、大阪大学出版会、2011);「ポストモダンを目撃するということ―『小説の死』再考」鴨川卓博・伊藤貞基編『身体、ジェンダー、エスニシティ―21世紀転換期アメリカにおける主体』(英宝社、2003)

2016年 11月更新

外国人教師 Paul Harvey

ポール・ハーヴィ
1961年生。1980年9月、Oriel College, Oxford University入学。1986年6月 Oriel College, Oxford University 卒業退学 (MA, MPhil 取得)。1986年10月、京都大学教養部招聘研究員(1年間)。1988年4月、大阪大学言語文化部講師。1990年4月、カナダ商工会議所専務理事(1年間)。1991年4月、大阪大学言語文化部講師。1999年10月、大阪大学文学部・大阪大学大学院文学研究科外国人教師に着任し現在に至る。
専攻:シェイクスピア/イギリスルネッサンス/英文学
p_Harvey2017
研究紹介
I am working on Shakespeare in performance, looking at the way that different inflections change the meaning of particular speeches. What is beautiful verse-speaking on the Shakespearean stage? By comparing different spoken versions of famous speeches, and by studying the text closely it is possible to learn a great deal. I use this for my Shakespeare Lecture. In the past 12 years I have been busy writing textbooks, translating classic Japanese and Chinese poetry, writing poetry on religious themes, and writing poetry on other themes (Birds, Sport, Flowers).
メッセージ
My creative writing class has developed greatly in the past ten years, with a large attendance by students. Use your creative ability in English, focus on the tradition of Japanese and Chinese classical poetry, learn how to make a 5 line poem more effective as poetry – we are learning the basics of poetry. It is an excellent way to improve English ability and to make one read with more attention. I strongly recommend reading the Oxford English Dictionary, the complete edition, to enrich your knowledge of English.
主要業績
All books by Stean Anthony (pen name) are published by Yamaguchi Shoten, Kyoto. Stean Anthony, trans, One Hundred Poems [百人一首の訳]; Selections from Shakespeare 1-5; Hagios Paulos 1-3; Songs 365; Great China 1-4; Heiankyo 1.
概説・一般書
Saint John 550; Saint John 391; Saint John 190; Saint Matthew 331; Saint Luke 132; Saint Paul 200; Saint Mary 100; Saint Mary 365 1-6; Isaiah Isaiah Bright Voice; Songs for Islam; Manyōshū 365; Kongzi 136; Inorijuzu; Sufisongs; Soulsongs; Pashsongs; Bird; Sport. Pdf Eitanka 1 & 70+ lectures on the Psalms. 80+ classes of Monday Songs (ongoing textbook of songs in English).

2017年 8月更新

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